口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

口腔上顎洞膜孔閉鎖術の術式について

年齢 性別 相談日

70代

女性

2024年4月15日

質問1

歯性上顎洞炎と診断され総合病院の口腔外科で2024 3月27日上顎洞窓術手術<左上7抜歯、上顎洞開洞(洗浄)>を受けました。

『手術内容は口腔内を局所麻酔後、左上7相当部の顎骨を削除後、上顎洞内を開放し、洗浄用のチューブを留置します。・・・・ 広げた上顎洞部は後ほど閉鎖が必要となる事があります。』術後洗浄に通い、チューブもとれて、現在7~8mmの穴を塞ぐシーネを食事時に装着しています。術後の説明では切開はしなかったとのことです。次回4月25日にCT,レントゲンを撮り、受診します。上顎洞部の閉鎖については歯肉を縫合との説明でした。歯肉の縫合の詳しい内容と成功率はどの位になるか又は他の閉鎖方法があるのであれば選択できるのかお聞きしたいと思います。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

歯性上顎洞炎の治療として抜歯を行い、症状が改善してきているようです。抜歯後は空洞ができ、多くのケースではその空洞は自然に塞がって治るものですが、治らないこともあります。今回は7~8mmの穴が開いた状態となっていて、口腔上顎洞膜孔閉鎖術が必要となったようですね。

閉鎖術については主に2種類の方法があります。骨欠損部の外側の粘膜を移動させて穴を塞いで縫合する方法と、口蓋側(内側)の粘膜を移動させて塞ぐ方法です。前者は手術による影響が比較的小さいという利点がありますが、閉じた穴が再度開いてしまうことがあります。確率は半々でしょう。後者の場合は、手術によるダメージが比較的大きくなりますが、再度穴が開くことはないでしょう。他に粘膜や骨を移植して封鎖する方法があります。