口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

セメント質骨性異形成症の顎骨に感染が波及した歯性感染症

年齢 性別 相談日

 50代

女性

2024年6月1日

質問1

昨年の8月中旬頃、左下奥から2番目の歯茎が痛みだし、大学病院で治療してもらいました。歯の根っこに膿がたまっていたため、歯茎の内側を4㎜カットして膿をだしてその時は終わりました。CT検査ではセメント質骨性異形成症とも診断されましたが、今回の件とは関係ないと言われました。

12月の中旬頃から左下奥から2番目の歯茎の脇に水ぶくれ(フィステル)ができました。その時は痛みはなく、3ヶ月後から痛みが出始め、食べ物を食べたり、歯を磨いたり、上と下の歯がつくたび痛みがでます。かかりつけの歯医者、口コミで良い歯医者に行っても応急処置(小さい注射器で薬を投入するのみ)で終了。

最近、大きい大学病院を紹介してもらい検査を受けましたが、担当医の先生も頭を悩ませています。歯の根っこだけでなく、セメント質に何か問題があるのでしょう?

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

セメント質骨性異形成症は問題を引き起こすような病変ではなく、放置しても支障はないでしょう。ただし左下奥から2番目の虫歯が進行し、細菌感染が根尖周囲組織に及んでいる場合は話が別です。細菌感染はセメント質骨性異形成症の部分にも拡大していくため、現在そのような状態ではないかと推察します。

その場合、根本的に治療するには抜歯とセメント質骨性異形成症の顎骨の切除が必要となります。顎骨を切除すれば大きな骨欠損が生じ、下歯槽神経麻痺が生じる可能性が高いと予想されることから、口腔外科で手術を提案されなかったのかもしれません。

質問2

ご回答いただきありがとうございます。どこの病院に行っても、治療ができない理由がやっと理解できました。今、東京大学病院で診ていただき、次はCTの検査をしてもらいます。その時に詳しい話しが先生からあると思いますので、事前に少し状況をわかっているだけでも気持ちがだいぶ楽です。 今は自分自身の病気と向き合い、検査結果がでて、先生と話しあった上でどうするか決めていきます。