口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

上咽頭がん治療後に生じた瘻孔

年齢 性別 相談日

 70代

男性

2024年9月2日

質問1

1mmの瘻孔を塞ぎ、入れ歯を使う、あるいは口の中の粘膜でなく、少々硬めの食事に負けない蓋をかぶせた形の閉鎖術を実行できますでしょうか。国内では大腿骨の骨を、LAの歯科医発信の記事では豚の骨とコラーゲンを活用して閉鎖できたとの記事を確認しております。

本件は7月にも閉鎖術を施術した某病院の主治医にも追求すること話しておりますが、前回同様の施術を実施した当時の主治医同様に右耳管入口の上咽頭がん治療で2010年に放射線を照射したことで、歯茎がもろいのでリスク高いと、拒絶された経緯あります。でも、上顎洞に突き抜けた上の臼歯抜歯で1時間近くのみでゴリゴリ削っていたので、左は十分に外科的な施術には耐えると確信し、リスクも受容するつもりです。 

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

上咽頭がんで放射線治療を受けられたようですが、上顎骨の切除を含めた手術を受けられたのでしょうか。それとも上顎臼歯の抜歯により上顎洞口腔瘻孔が生じたのでしょうか。 瘻孔に対しては口蓋粘膜や頬粘膜を用いることにより、有茎粘膜弁を作成して瘻孔上に移動させて封鎖しますが、放射線治療の関係からこれらの方法では瘻孔を封鎖しきれなかったようですね。次の手として血管柄付き有茎粘膜弁、 血管柄付き皮弁、 血管柄付き筋皮弁、血管柄付き遊離皮弁、 血管柄付き遊離筋皮弁などを作成し、瘻孔部を閉鎖する方法が考えられます。胸部や背部腕部、鼠径部などの皮膚や筋肉を移動させて封鎖する治療法となります。