口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

軟口蓋に大きな穴が2つ空いています

年齢 性別 相談日

 20代

女性

2024年9月30日

質問1

4年前に副鼻腔と首のリンパ節に腫瘍が見つかり放射線治療と抗がん剤治療を2年ほどしていました。その後がん細胞は消失しましたが二次性がんで白血病になりました。骨髄移植は死のリスクが高いため服薬の抗がん剤治療をしていました。

その服薬の抗がん剤を飲み始めてからすごく喉が痛くなり食事も出来なくて鏡で見ると軟口蓋に大きな穴が2つ空いています。それから周りの人や家族にも何と言ってるか分からないと言われ会話が困難で精神的にも生活にも困っています。また電話も聞こえませんと切られるばかりです。どうしたらよいでしょうか?

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

軟口蓋に穴が開いているということですが、粘膜の表面が欠損した「潰瘍」が生じている可能性があります。潰瘍ができる原因は下記の通りです。

腫瘍の再発や転移
4年前の副鼻腔の腫瘍が再発して軟口蓋に進展したり、軟口蓋に転移したりすると潰瘍が生じます。潰瘍が拡大すると裏側の上咽頭側まで軟口蓋が欠損し、本当に貫通した穴が開くこともあります。白血病が増悪し、軟口蓋に潰瘍が生じた可能性もあります。

抗がん剤の副作用
現在服用している白血病に対する抗がん剤の副作用で「口腔粘膜炎」が生じている可能性があります。抗がん剤の副作用の骨髄抑制により白血球が減少して細菌感染やウイルス感染が生じ、最終的に潰瘍に至った可能性があります。

放射線治療の後遺症
軟口蓋に放射線が照射されると粘膜が萎縮し、何らかの刺激により傷が付いて潰瘍が生じた可能性があります。

結核や梅毒
これらの細菌に感染すると粘膜に潰瘍が生じます。抗がん剤の影響で感染しやすくなっていることが予想されます。

以上、さまざまな原因が考えられますが、まずは腫瘍の再発や転移が起こっていないことを確認する必要が