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口腔外科無料相談室



2〜3年前から左の唇がうまく動きません

年齢 性別 相談日

80代

 女性

2023年5月28日

質問1

2〜3年前からになるのですが、左の唇がうまく動かないとのことで喋りにくい状態です。かかりつけの歯科医院では内科に相談するようにと言われ、内科では神経内科を紹介され受診しました。脳のCTでは問題なかったようです。こういった症状は口腔外科で対応可能でしょうか。よろしくお願い致します

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

唇の動きは顔面神経により制御されています。脳には異常がないということですが、顔面の軟組織や骨内に顔面神経を圧迫するような病変がないか否かについて確認する必要があります。問題がない場合は、筋力低下など唇を動かす筋肉の問題ということになり、トレーニングが必要です。いずれの問題に対しても口腔外科で対応が可能です。

下顎骨骨切り術2週間後に生じた痛みと腫れ

年齢 性別 相談日

30代

女性

2023年5月17日

質問1

顎変形症による下顎の骨切り手術を行いました。術後2週間は経過しているのですが、昨日から右下顎部分が痛み出し、今朝鏡を見ると明らかに腫れているのがわかりました。触ったり左横を向くと若干痛みが走ります。そしてなぜか右下の奥歯も痛むようになりました。

腫れている部分を触ると硬いので骨が動いてしまったのか?ととても不安です。こういった症状は現れるものなのでしょうか?かたい物を食べたりしていませんし、顎に力が加わるようなことはしていないと思います。主治医からも激しい運動以外は普段通り生活して良いとも言われていました。再度手術になる可能性もあるのでしょうか?教えていただきたいです。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

骨片が外れて動いてしまったのではとご心配されているようですが、骨片はスクリューやプレートなどでしっかりと固定されているはずなので、簡単に外れることはありません。腫れている部分に硬い骨の出っ張りがあるようですが、骨切り後に移動させた骨の断端に触れているだけであると推察します。

術後2週間が経過してから痛みが生じてきた問題については、術後感染、筋・筋膜性疼痛、大臼歯の根尖性歯周炎による炎症の波及などが可能性として考えられます。骨片の固定が緩んだり外れたりした可能性もゼロとは言えないので、やはり手術を受けた病院で診察を受けられることをお勧めします。

質問2

ご回答ありがとうございます。近々診察してもらうようにします。何点か追加で質問なのですが、

・顎の腫れが術後感染、筋・筋膜性疼痛、大臼歯の根尖性歯周炎からの炎症の波及といった事態である場合、抗生物質を服用すれば徐々に良くなるのでしょうか?

・術後2週間以上経過していても顎を使っている限り突然腫れが酷くなったり痛みが生じることがあるのでしょうか。

・顎の痛みが歯に現れることもありますか?
 
・現在下顎の一部と下唇の一部の感覚が麻痺しています。この症状はどのくらいで治まるものなのでしょうか?

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

顎の腫れが術後感染や大臼歯の根尖性歯周炎による炎症である場合は、抗生物質が効果的でしょう。 一方、筋・筋膜性疼痛に関しては消炎鎮痛剤が症状の緩和に役立ちます。

術後2週間以上が経過しているとはいえ、顎を使う限りは突然腫れが悪化したり痛みが生じたりする可能性はあります。また、顎の痛みの原因となる炎症が歯に波及し、歯も痛むことがあります。

下顎の一部と下唇の一部の感覚が麻痺しているのは、下顎骨骨切り術の際に下歯槽神経が損傷したことが原因です。麻痺はしばらくすると治る可能性もありますが、いつまでも治らない場合もあります。

質問3

ご丁寧にありがとうございました。大変参考になりました。

オトガイ形成術の下顎前歯の麻痺と痛み

年齢 性別 相談日

20代

男性

2023年4月28日

質問1

顎の輪郭手術(中抜き)をしてから1週間が経ちます。中抜きは顎の骨をだるま落としのように切り抜く術式です。下の前歯付近の歯茎の感覚がありません。(麻酔されている感じ)さらに下の前歯がムズムズする麻痺のようなものを夜になると強く感じます。また歯がズキズキ痛むのが続いておりとても辛いです。これは術後の合併症なのでしょうか?改善する治療はあるのでしょうか?

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

下顎の前下方部(オトガイ)が出過ぎている、後退している、上下に長すぎるなどの場合には下顎骨を切断し、オトガイ部を移動させることにより改善をはかります。これがオトガイ形成術です。

オトガイ部付近の下顎骨の内部には下歯槽神経が走行しているため、手術で神経を傷つけてしまうと下唇の知覚が麻痺したり、下顎前歯の感覚が麻痺したりします。現状、このような神経損傷が生じていると推察します。

歯がムズムズし、ずきずきと痛むということですが、一般的に歯の痛みが強い場合に歯の神経を抜く(抜髄)が行われますが、神経損傷による麻痺と痛みに対しては抜髄しても痛みが改善しにくく、かえって悪化する場合があります。従って、抜髄には慎重であるべきでしょう。

神経損傷による麻痺を伴う痛みのことを神経障害性疼痛といい、抗うつ薬や抗けいれん薬の内服が一般的な治療法となります。手術を受けた医療機関でご相談されることをお勧めします。

側頭部から耳、あご、喉にかけて痛みが慢性的にあります

年齢 性別 相談日

30代

女性

2023年4月27日

質問1

こんにちは。3年ほど前から、急に喉の違和感や痛みが出て、現在では側頭部から耳、あご、喉にかけてジンジン、チクチクといった痛みが慢性的にあります。ひどい時は食事を飲み込むのが辛いです。

病院には数え切れないほど行きましたが、原因不明です。痛みは波があり、悪くなるとひどい症状が数日続きます。顎関節症の症状が少しあり、かかりつけの歯科でマウスピースを処方してもらって毎日つけています。ですが、改善には至らず、今も慢性的に首から上の片側のみ痛みがあります。

何科に行ったらいいかもわからず、途方に暮れています。舌咽神経痛や、慢性上咽頭炎など色々な診断を受けましたが、薬を飲んだり治療もしましたが、改善しませんでした。口腔顔面痛というものを知り、少し似ているような気もするのですが、可能性はあるのでしょうか。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

喉から側頭部にかけての広い範囲で続く慢性的な痛みは、口腔顔面痛と表現することができます。口腔顔面痛とは口腔や顔面にかけての慢性的な痛みの総称で、のど、耳、顎、側頭部に及ぶ痛みは、口腔顔面の痛みといえるでしょう。

さて、喉から始まった痛みの原因については、上咽頭炎を含めて咽頭や喉頭の炎症、外傷、感染、腫瘍、アレルギーが考えられます。舌咽神経痛、三叉神経痛、神経障害性疼痛、痛覚変調性疼痛、顎関節症、茎状突起過長症、側咽頭間隙の悪性腫瘍、側頭動脈炎(巨細胞動脈炎)、聴神経腫瘍、脳腫瘍、片頭痛、群発頭痛といった原因による痛みもあります。今まで受診した病院で異常がないことを確認していても、見落とされている可能性はあるでしょう。

いくら調べても原因が見つからない場合は本態性疼痛ということになり、原因の究明は諦めて痛みを軽減させることが治療目標となります。このような痛みに対しては抗うつ薬、抗けいれん薬、麻薬性鎮痛薬、抗精神病薬、アセトアミノフェン、抗不安薬などの薬物療法で改善する場合があります。また、認知行動療法などの心理療法も慢性的な痛みの緩和に効果的です。

中医学(漢方)においては、経絡疎滞、肝鬱気滞などが痛みの原因として挙げられます。漢方薬や針治療が効果を発揮する可能性もあるでしょう。

質問2

返信ありがとうございます。こんなに詳しく返答頂き、ありがとうございます。首から上の慢性的な痛みがある場合に、総称として口腔顔面痛と呼ぶのですね。

病院では舌咽神経痛、三叉神経痛、茎状突起過長症、聴神経腫瘍、脳腫瘍、慢性上咽頭炎、耳下腺腫瘍の検査はしました。どれも、特にこれといった病変は見当たりませんでした。舌咽神経痛は可能性としてあり得るということで、テグレトールやリリカを服用しました。

薬疹がでたりと、副作用で飲まずにそれっきり病院にはかかっていません。一度エコーで5ミリ程度の何かあるということだったので、耳下腺腫瘍の疑いでMRIも、もう一度撮りましたが正常の耳下腺という結果に終わりました。

どのみち、原因不明であれば薬での対症療法になるとのことですね。漢方内科にはかかっており、漢方は服用しております。鍼灸や、整体も試しました。テグレトールやリリカは副作用が出てしまい、これから妊娠も希望しており、飲める薬もあるのでしょうか。口腔顔面痛であれば、専門外来にいくべきなのでしょうか?今のかかりつけの歯科は一応口腔外科も兼ねているのですが、こんなに複雑な症状は理解してもらえない気がします。

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

原因不明の場合は薬物療法や心理療法、理学療法などで痛みや支障を緩和する治療を行うことになります。痛みが病気の主症状であることから、対症療法というよりは根治的な治療といえるでしょう。一定期間で痛みが軽減したり消失したりする場合は、治療を終了しても痛みの再発や再燃が起こらないケースが多くみられるからです。

治療薬については、副作用が出にくい薬(内服薬、外用薬、注射薬)が見つかるでしょう。現状、慢性疼痛に対する治療は限られた医療機関でしか受けられないため、調べたうえで受診されることをお勧めします。

原因不明の歯の痛みが続いて、辛い日々を送っています。

年齢 性別 相談日

60代

女性

2023年4月25日

質問1

右上4番(歯髄なし+陶器冠(メタルボンドクラウン?)の原因不明の痛みが続いており、辛い日々を送っています。しばしば治療法はないものかとIN検索をしています。昨日、貴院のサイトを見つけ、救われた思いです。早速ご相談のメールをさせていただきました。先生にはご多忙と存じますが、どうかご指導くださいますようよろしくお願いします。

この痛みは1年程前から始まりました。右上4番の歯が痛い、一番はっきり痛いのは3番と4番の間の口の内側で、歯茎が痛いようにも歯が痛いようにも、両方ともが痛く感じられます。

チクチクとした痛み、脈打つようにどくどくもします。痛みはほぼ1日中続いていますが、なぜか歯磨きをしても痛みが増すことはありません。むしろ冷たい水でうがいすると治る傾向にあります。歯間ブラシを当てると3と4の間はするする磨くことができて痛くないのですが、4と5の間はブラシが入らなくくらい腫れているように感じる時と問題なく磨ける時があります。

また、食事中は痛みを感じないことにも気が付きました。それで、痛みが酷い時はガムを噛んだり飴を舐めたりして忘れるようにしています。痛みのある3番の歯でガムを噛んでも痛くはありません。ただ、3番で食べ物を噛んだ日は夜間(何も食べていない時)の痛みがひどくなり、その翌日も強い痛みを感じるように思えます。

何もしていない時、特に入眠時にとても痛くて辛いです。痛みが強い時は昼間、夜間の別なく、うがい(ネオステリングリーンを入れた冷たいお水で)をしたり、歯磨きをし直したりしています。

アフターゾロンを塗ると改善しますが、口腔外科の先生から「長期に使うと真菌症になり易いし、現に3番の上の歯茎が疑わしい状態になっている(3月初め受診時)ので塗らないように。」と言われてから、塗るのを止めていましたが辛いので市販薬のデントヘルスを使っています。デントヘルスも塗ると痛みが和らぎますが、アフタゾロンのように歯茎にくっ付かず、唾液で流れてしまうので効果の時間は短いと感じます。その分、塗る回数はアフターゾロンより多くなっていると思います。(1日4〜6・7回)

痛みが強い時は3番の歯とその周辺の歯茎だけでなく、4・5・6・7番の歯が痛いのかもしれないと思えてもきますし、鼻の中や頬の骨がヒリヒリして、左の顔がズキズキするように感じます。そういう時はロキソニンを服用していましたが、あまり効かないようです。

3〜4日の間に一度くらい?極短時間ですが、「あれ、治ったのかな?」と思うこともあり、「良くなっていくのかな?」と期待できるように痛みが弱まる時もあります。

今はドライマウス?にもなっているようで口の中が乾き、ネバネバで、舌先もヒリヒリして痛いです。常に塩辛い味もします。右上3番と4番の間からいつも塩水が出てきているようにも感じています。

INの他のサイトで「食べている時は痛みを感じない。」というのを見て、私もそうだなと気づき、「突発性歯痛」かな?と思った見たりしていました。この度、先生のサイトで同じ説明が詳しく書かれているのを見つけて、やっぱり「特発性歯痛?」と思え、ご相談のメールをさせていただきました。

左の歯が真面目に治療を続けていながら嚢胞になっていた、それも何度も何度も検査のお願いししなければ先生に発見してもらえなかったというショックが、正直、今も心にかかっています。簡単に「突発性歯痛」としてよいでしょうか?  素人判断ですが実は「突発性歯痛なら歯や歯茎は悪くないので、癌や嚢胞なと重篤な状態ではないのでは?」と逆に安心さえ思えますが、間違いですか?

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

歯が痛いのに異常が見つからない症状を「非歯原性歯痛」といいます。非歯原性歯痛にはいくつもの種類がありますが、原因を調べて治療してみても改善せず、原因がわからない場合は「特発性歯痛」に該当します。

非歯原性歯痛の原因の分類とは別に、この種の痛みは「痛覚変調性疼痛」に該当し、脳が痛みを感じやすい状態が生じていると推察します。また、同時に味覚異常やドライマウスのような感覚の異常を伴うことが多く、精神的なストレスが影響を及ぼしていると考えられます。

痛覚変調性疼痛に対しては抗うつ薬、抗けいれん薬などの薬物療法が試されますが、侵害需要性疼痛や神経障害性疼痛など他の種類の痛みに比べると効果が出にくいとされています。その他の方法としては、認知行動療法などの心理療法があります。

口内に塩味を感じます

年齢 性別 相談日

60代

女性

2023年4月25日

質問1

口内の塩味についてお伺いいたします。最初に塩味を感じたのは4年前くらいです。左上第二小臼歯の治療をしていたときです。治療している歯の歯ぐきから、最初は極薄い感じで塩味がしだし、治療が終わればなくなるかなと思っていました。治療が終わっても変わらず、だんだん塩味が強くなってきました。

1年前に大学病院を紹介され受診しましたが、特に検査もなく心因性のもので、いわゆる気のせいと言われ亜鉛と漢方の八味地黄丸の服薬を1年しましたが何も変わらなかったので、現在はやめてしましいました。

かかりつけの歯科医院に何か、違う病気から来ているかもしれないから一度内科医などを受診してみてはと促されました。絶対に気のせいではないと思っています。

仕事をしている昼間は、忘れていてさほど気になりませんが、仕事を終え帰宅するとやはり塩味がしてきます。食事のときは、特に気になりません。食べ終わると、やはり塩味がします。就寝のときも、ずっと続いて特に酷いときは塩味で目を覚ますこともあります。顔を洗ったり、頭を洗ったりして左側を刺激すると塩味が濃くなります。内科か口腔外科か受診したほうがよいのでしょうか?このまま、ほおっておいて自然に治ることはないのでしょうか?

先般、口内の塩味についてメールをしたものです。書き忘れことがありまして再伸いたしました。歯ぐきに異常はなく、歯周病も歯槽膿漏もありません。かかりつけの歯科医も特に異常はないとのことでした。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

食事以外で口の中に特定の味を感じる症状を「自発性異常味覚」といい、味覚障害の一種です。明確な原因は不明ですが、味を感じる神経が誤作動を起こし、脳に誤った味覚信号を送っていると推測されています。歯周病は関係ありません。このまま治療せず放置しても自然治癒する可能性はありますが、いつまでも改善しない場合もあります。

この病気に対しては神経の誤作動に効く薬、すなわち抗うつ薬や抗けいれん薬が効果的で、漢方薬が症状の緩和に役立つ場合もあります。また、日常生活に支障をきたしている場合は認知行動療法などの心理療法も改善が期待できます。取り扱いのある内科や口腔外科を受診されることをお勧めします。

 

上唇の上の方が色素が抜けています

年齢 性別 相談日

10代

男性

2023年4月16日

質問1

数年前から上唇の上の方が色素が抜けていて赤色じゃないのですが、これって病気なんでしょうか?ちゃんと治るのでしょうか?

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

上唇の上方の一部が赤くないということですが、上唇の皮膚側か粘膜測のどちらでしょうか。皮膚よりも粘膜の方が赤いため、粘膜測の異常を心配されているのでしょうか。「色素が抜けていて赤色じゃない」ということは、白っぽく見えているようですね。粘膜の一部が丸く白くなるアフタという口内炎の場合は、2週間程度で自然に治癒することから、数年前から続く今回の症状は該当しません。可能性のある病気は下記の通りです。

口唇炎
フォーダイス顆粒
稗粒腫
鵞口瘡(口腔カンジダ症)
白板症
口唇がん
ヒトパピローマウイルス感染

 

頬粘膜の赤みとザラザラ感について

年齢 性別 相談日

30代

女性

2023年3月31日

質問1

こんにちは。頬粘膜の赤みとザラザラ感について教えてください。いずれも、特に痛みはないですが、受診した方が良いでしょうか?

3日前になんとなく舌で右の頬粘膜を触るとザラザラした感じがあったので鏡で見ると赤くなってました。感覚としては、飴を舐めたときになるような感じです。指で触っても分からないですが、舌で触ると分かります。翌日の夜には赤みは引き、ザラザラ感も薄れたのですが、今朝また赤みとザラザラが復活してました。また、今朝になり左にも赤みが出現しました。(こちらはザラザラ感はなし)また、上唇の裏にも一部ややザラザラするところがあります。(赤みなし)

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

頬粘膜の赤みとザラザラ感が変化しつつも持続しているようですね。この情報だけではどのような問題が生じているのかを判断することは難しいので、可能性がありそうな病気をいくつか挙げてみます。

カタル性口内炎
口腔扁平苔癬
苔癬様反応
口腔カンジダ症
歯科金属アレルギー
食物アレルギー
固定薬疹
類天疱瘡

どの病気に該当するかをはっきりさせたい場合は、口腔外科、耳鼻咽喉科、歯科のいずれかを受診されることをお勧めします。

 

ドライマウスが改善しません

年齢 性別 相談日

60代

男性

2023年3月23日

質問1

樋口先生、1年ほど前からドライマウスになりまして、耳鼻咽喉科で麦門冬を処方されましたが改善はせず、内科の血液検査ではシェーグレンでは無いと診断頂き、歯科にも行き唾液腺マッサージを推奨されましたが、マッサージをしている時だけしか唾液が出ません。

半年程前から溝状舌にもなり、熱い食べ物は痛く、舌の側面に乳頭が尖って出来、3ヶ月前に口腔外科でレーザーで取ってもらいました。

内服しておりますリフレックスの副作用かとも思い、期間をかけて2錠から0.5錠迄減薬しましたが改善しませんでした。又亜鉛不足かとも思い、1年近くサプリメントを飲んでおりますが改善しません。

こんな場合、次はどうしたら良いのか分からず困っております。どうぞよろしくお願い致します。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

耳鼻咽喉科、内科、歯科、口腔外科と医療機関を受診しても改善しないということは、大変難しい状態であると推察します。抗精神薬のリフレックスを内服されている点も考慮して、再度検査や診断に立ち返って問題を検討する必要がありそうです。

ドライマウスは2つの類型に大別できます。1つは実際に口の中が乾燥している場合で、もう1つは口が乾いているという感覚があっても実際には乾燥していない場合です。実際に乾燥しているかどうかは、口腔水分計による計測や唾液の分泌量から判断することが可能ですが、検査は受けられたでしょうか。いずれのドライマウスかでその後の治療内容が変わってきます。

実際に口が乾いている場合は、その原因をさらに調べる必要があります。口腔乾燥の原因には薬の副作用、唾液腺疾患、筋力低下、口呼吸、水分摂取量不足、消耗性疾患、ストレス、噛みしめ癖など、さまざまなものがあり、原因に応じて対処法も異なります。

溝状舌になって熱い食べ物が痛く感じるとのことですが、こちらについても舌粘膜と舌神経について調べる必要があります。粘膜の異常か、神経の異常かによってその後の治療方法が異なります。

シェーグレン症候群に関しては、血液検査で異常がなくても、唾液分泌量の著しい低下や口唇生検の異常により、シェーグレン症候群であると判断される場合もあります。亜鉛については、血液検査で血清亜鉛値が低下しているかどうかを調べる必要があります。鉄分の不足やカンジダ症という真菌感染症でも舌に痛みが生じます。

上記の点について詳しい検査を受ける必要があります。ドライマウス研究会のホームページに掲載されている医療機関で相談されることをお勧めします。

drymouth-society.jp/list.html

質問2

ご丁寧な返信を頂きまして、ありがとうございます。ドライマウスの口腔水分計での計測や、唾液分泌量を調べた事はありませんが耳鼻咽喉科では唾液が少ない事や、舌圧子が舌にひっつく事でドライマウスと診断されました。

日中は常時、飴かガムか水を口に入れておかないと乾燥してしまいますので、良くない事だとは思いますが、いつも何かを口にしてます。何か口にした時に少し出る唾液は、泡状となってしまいます。寝る時は口にテープをして、さらにマスクをして少しでも乾燥するのを防ぐ様にしています。それでも乾燥しますので、夜中に何度か起きて水を口にしています。

溝状舌ですが、昨年の夏から舌の先端が食べ物でしみる様になり、見ると舌の先に縦に割れるような溝が4~5本出来ておりまして月日の経過とともに、徐々に舌の中心から奥の方迄溝が出来るようになり今では舌全体に15箇所程に溝(割れの様な)が出来てしまいました。ドライマウスか改善しないと、溝状舌も治らないのでしょうか。

亜鉛は、3月25日(土)に内科病院に行ってきまして血液検査をした結果、標準値80~130に対して61で、亜鉛不足の様でしたのでプロマックを処方して貰いました。次回4月15日に再度血液検査をして、亜鉛が増えているか確認する事になりましたので、その時の血液検査で鉄不足も調べる様にしたいと思います。実は10年ほど前に亜鉛不足の時がありまして、その時もプロマックを処方されましたが、数値が改善するのに2年以上かかりましたが、亜鉛不足の改善には数年かかると考えた方が良いのでしょうか。

ドライマウス研究会のご案内ありがとうございます。ホームページに記載の医療機関への診察も考えてみようと思います。どうぞよろしくお願い致します。

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

溝状舌については、ドライマウスとともに改善する場合もありますが、どちらか一方しか改善しない可能性もあります。中医学(漢方)では、溝状舌のように舌に裂紋がある原因を「陰虚」「血虚」という概念でとらえます。陰虚や血虚に効く漢方薬を試されることをお勧めします。

ドライマウスに対しては漢方薬や唾液腺マッサージなど、多種多様な治療法があります。お口の周りの筋力が低下している場合は、口腔筋機能療法とよばれる筋力をアップさせるトレーニングが必要となるため、唾液分泌量の測定や口唇生検も受けられた方がよいでしょう。

ドライソケットの発症と歯科医師の技量との関連性について

年齢 性別 相談日

20代

女性

2023年2月26日

質問1

5日前に右上下の親知らずを抜歯しました。抜糸後2日目から右下の方に強い痛みが出現し、3日目、5日目に受診し抜歯窩を洗浄し薬やガーゼを詰めてもらいました。5日目の時点でドライソケットの状態だと言われました。痛みは一向に改善せず、ボルタレン2錠を飲んでも効かなくなってしまいました。半年ほど前に左下の親知らずを抜歯した時もドライソケットになってしまい、今回はうがいをしすぎないようにや、柔らかい食べ物にするようになど気をつけていたのですがまたなってしまいました。

両方とも神経が近くて、特に今回の右側は歯の根っこが大きくて大変だったから腫れもひどくなるかもと言われていました。ドライソケットになってしまったのは仕方がないのでしょうか。2回ともなってしまったので、通って! いる歯科医院に対して少し不信感をもってしまいました。

また、ドライソケットには歯科医師の技量は関係あるのでしょうか。この痛みはいつまで続くのでしょうか。夜も起きてしまい仕事も集中できず本当に辛いです。また、少しでも早く良くなるように私にできることはありますでしょうか。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

抜歯した部分(抜歯窩)は通常、血餅(血のり)で覆われて傷口が保護されますが、何らかの理由により覆われない状態になると、抜歯窩の骨面がむき出しになって感染しやすくなります。このような状態がドライソケットで、しみて強い痛みが生じます。現在この状態で、反対側の親知らずを抜歯した際も同様にドライソケットが生じたということですね。

本題のドライソケットの発症と歯科医師の技量との関連性については、ほとんどないと言えるでしょう。同じ歯科医師が同じ方法で親知らずを抜いてもドライソケットが生じる場合と生じない場合があり、多くのケースでドライソケットは生じません。ドライソケットが生じる原因は不明ですが、おそらく歯科医師側ではなく患者側の要因で決まると考えられます。

症状を改善させるには、抜歯した親知らずにできるだけ刺激が加わらないようにすることです。冷たいものや刺激のあるものは反対側から摂取するようにしましょう。