年齢 |
性別 |
相談日 |
60代 |
男性
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2016年12月15日 |
質問1
どこに相談しても症状がわからないのでここに相談します。患者は私の妻です。(65歳)かれこれ20年近く口の中が痛いと訴えて三叉神経通の手術(2000年9月)もしましたが症状は変わりませんでした。今は、2か所の大学病院(ペイン)に通っています。症状は変わりません。
本人曰く、常に口の中(右下の歯茎付近)が痛い。舌で触ると神経が出ている感覚があると訴えます。色々な薬を試しましたが症状は中々解消されません。見ていると辛さが伝わってきます。アドバイスがありましたらよろしくお願いいたします。
回答
肉の痛みの原因となる問題が見当たらないにもかかわらず痛みが続くようですが、このような痛みに対しては薬物療法や心理療法が有効です。
歯や歯肉の痛みに対して用いられる消炎鎮痛剤では効果が見られず、三環系抗うつ薬や抗けいれん薬の内服が効果的です。これらの薬を効くまで増量していき、十分な量を服用する必要があります。他にも麻薬系鎮痛剤やアセトアミノフェン、漢方薬が用いられます。
痛む歯肉を覆うためのレジン(樹脂)製の装置を作り、内面に局所麻酔薬を塗って装着する方法もあります。
また、慢性的な痛みに対しては心理療法も効果的です。認知行動療法では痛み日記などの記録を付けることにより痛みのパターンを分析し、その上で痛みに対する捉え方や対処法を考え、試行錯誤しながら解決策を探っていきます。
質問2
早速のアドバイスありがとうございます。妻と相談して今後の治療の参考にいたします。ありがとうございました。何かありましたら再度ご相談させていただきます。宜しくお願いいたします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性 |
2016年12月9日 |
【相談者】2016年12月9日 H
質問
20年前に事故にあい前歯右1番が抜けてしまいました。そのため左1番と右2番とでブリッジをしました。左1番はもともと神経はない歯でした。もう何か月も前からだと思いますが左1番の上唇小帯の右(写真では)ところにポツっとしたできものができれます(針でつついたような膿のような白いもの周りが赤色)。たまに歯磨きすると出血します。
この左1番の歯の根っこの歯はかなり黒くなっており、(この前ブリッジがとれて鏡で見たところ)つかれると痛みが出たりしますが、まだ使えるとゆうことでそのまま外れたブリッジをつけました。疲れると左の1番の歯のあたりがジンジンします。また治りますが。ずっとあるのでこのできものが癌とかの悪いものかと心配でたまりません。またこの根本もこのまま放置しておいといてよいのでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
左上1番のポツッとしたできものは、線維腫や乳頭腫など良性の腫瘍の可能性が高いと推察しますが、癌の可能性も否定できません。
膨らみが硬い場合は、単に骨が膨らんでいるだけの場合もあります。あるいは傷ついたり、異物が入り込んで傷跡が膨らんでいるのかもしれません。
頻繁に見られる症状はフィステル(サイナス・トラクト)で、歯の根の先の病巣が原因で付近の歯肉が膨らんでいる状態です。その場合は根管治療が必要となります。他にも歯周病や歯根破折の影響によりできものが生じる場合があります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代
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男性 |
2016年11月19日 |
【相談者】2016年11月19日 50代 男性
質問
69歳の母のことで相談いたします。6年前に右視症脳出血発症。左片麻痺、要介護3、身長手帳2級1種で車椅子です。
ここ3~4年ほど、口腔内が粘つく、唾液が大量に出る、味覚がないと言い続けています。 かかりつけ内科医から紹介状を得て、関東労災病院の口腔外科を受診。ガムテストは異常なしでした。ベタベタの唾液が口の中に粘着し、呼吸ができない、声が出ないとの訴えが強くあります。
本人が納得する結論を探しております。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
口の中の症状について説明します。まず、口腔内の粘つきは交感神経が活発になって緊張状態が続くとき起こるものです。
ドライマウスにより唾液の分泌量が減るとネバネバしますが、何も異常がなくてもネバネバした感覚が生じる場合もあります。これは感覚の異常であるため、脳の働きに問題があります。
次に、唾液が大量に出るという問題について言及します。大量の唾液が出る場合もありますが、実際には唾液の分泌量が低下する唾液口嚥下障害がほとんどです。つまり、唾液が出過ぎているのではなく、唾液の嚥下障害が起こっているのです。
味覚の障害については、風邪やインフルエンザの感染後の他、薬の副作用、ドライマウス、亜鉛不足、脳腫瘍などの頭蓋内の問題でも生じます。
口腔内が粘つく、唾液が大量に出る、味覚がない3つの問題には共通してドライマウスが関連しています。一度、詳しい検査を受けられることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性 |
2012年11月4日 |
【相談者】2012年11月4日 女性T
質問
二年前に左眼窩底骨折で目の下を切開してチタン製シートを入れる手術をしました。手術後に発生した痺れが全く治らず辛いです。どんな原因が考えられるのか、何か治療方があるものなのか知りたくてご相談させていただきました。
骨折で、左上唇の口角付近に軽い麻痺感覚は既にありました。手術前に先生が、この麻痺は神経が傷ついての症状だから手術しても治らないだろうと言われてました。それと、手術後は術中に神経を刺激するからその影響で頬に痺れがでるけどその痺れは日数経過と共に治ると言われてました。なので術後確かに痺れてたけど気にしないようにしてました。飲むと口端からこぼれたり、頬が痒いからとかいても麻痺した感覚は三週間ほどでなおりましたが、目の下から上唇までの痺れが二年経った今でも全く治りません。汚い話し鼻水垂れてても気付きません。ですが全く感覚が無いわけでなく、軽く電気が走ってる感じです。寝起きが一番ましで、出歩いたり、仕事で長時間パソコンに向かうと強く痺れを感じます。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
眼窩底部を骨折すると、その下を走行する上顎神経(眼窩下神経)が傷つき、結果として目の下や上唇の皮膚の感覚が鈍くなったり、逆にピリピリと痛くなる場合があります。また手術で折れた骨を戻し、チタン製シートで補強する際にも神経に何らかのダメージが加わり、麻痺が悪化したのでしょう。
現在、知覚の低下(hypoesthesia)と異常感覚(dysesthesiaかparesthesia)が生じていると推察します。通常麻痺が生じて1~2週のうちに星状神経筋ブロックなどの治療を開始し、それを継続すれば症状が改善しやすいのですが、そのような治療は受けられたのでしょうか。もし治療を受けていない場合は、残念ながら今から星状神経筋ブロックを始めても効果はあまり期待できません。ただし近赤外線や抗けいれん剤、カプサイシンクリームなど効果のある方法について、ペインクリニックでご相談されることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性 |
2012年10月28日 |
【相談者】2012年10月28日 女性N
質問
左耳の少し下辺りが、ちょっと触れただけで痛くて腫れがあります。また、左顎の付け根の辺りも痛みがあります。どんなことが原因として考えられるでしょうか。このまま様子を見ていてもいいでしょうか。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
左耳の下と左顎の付け根を触ると痛いということですが、どちらも同じ原因で痛んでいる場合と別々の原因で痛んでいる場合の2通りが考えられます。
まず考えられることは、両方の場所で顎を動かす筋肉である顎二腹筋や、内側翼突筋が痛んでいる場合です。顎関節症と関連した筋・筋膜痛がよく起こる場所でもあるため、筋炎や皮膚筋炎が生じている可能性もあります。
また、耳の下が痛む原因としては耳下腺炎やリンパ腺炎、智歯周囲炎、扁桃腺炎、顎の付け根の痛みの原因は顎下腺炎、リンパ腺炎、虫歯や歯周痛などが挙げられます。
年齢 |
性別 |
相談日 |
10代 |
女性 |
2016年10月27日 |
【相談者】2016年10月27日 f
質問
六歳の娘のことです。乳歯がボロボロと抜け始め、小児歯科の先生から大学病院を紹介され、そこで、生検した結果、ケルビズムの可能性が高いと言われました。家族にそのような疾患の者はいません。
治療法としては、とりあえず経過をみていきましょうということになりました。永久歯は生え始まってはいますが、歯が色々な方向を向いているところもあります。矯正も視野に入れてというお話もありました。ケルビズムを調べても、治療法があまり載っておらず、珍しい病気とのことですが、どのような治療法があるのか、有効なのか‥教えていただきたいです。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
ケルビズムは顎骨が左右対称に腫れあがる病気で、顎骨内に双房性の骨のう胞が生じます。この骨病変が徐々に大きくなる場合は摘出術を行い、歯並びの乱れについては矯正治療で対処します。
ケルビズムは2~5歳の小児期に発症することが多く、中には自然に治ってしまう場合もあるため、手術をしないでしばらく様子をみる場合もあります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
60代 |
女性 |
2016年10月27日 |
【相談者】2016年10月27日 K
質問
今年3月末に地元の総合病院の歯科郊外外科で左側下顎骨嚢胞摘出開窓術を受けました。3センチ骨が溶けていた状態でした。半年後の10月半ばにレントゲンを撮って治療は終了しましたが、傷口は完治しましたが、手を振れると左顎から唇にかけてピリピリとしびれを感じます。口内も左下の歯茎から頬の中側にかけて腫れぼったい感じが消えません。食事や歯磨きをすると水分が唇の左隅から漏れたりします。
このような症状は手術の際に神経を傷つけたことによるものでしょうか?執刀医の説明もあいまいで、一日に何度も気になってしまいます。しびれや麻痺の捉え方は個人差があると思うのですが、先生のお考えを聞きたくてメールしました。よろしくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
下顎臼歯下の下顎骨内に嚢胞が生じると、骨内を走行する下顎管を圧迫します。そのままの状態で嚢胞を摘出すると下顎管内部の下歯槽神経が傷つくこともあり、神経が傷つけば顎から下唇にかけて知覚麻痺が生じて感覚が鈍くなり、口角から水が漏れることもあります。
手術の際に神経を傷つけたかどうかというご質問ですが、確かにその可能性はあります。ただし、直接神経を傷つけていなくても神経付近を手術すると麻痺が生じる場合もあるため、手術した先生でも正確には分からないでしょう。
知覚麻痺については星状神経節ブロックや薬物療法。はり治療などいろいろな治療法があります。麻痺を改善する方法について先生とよく相談されることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
男性
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2016年10月20日 |
質問
左奥の親知らずと、7番奥歯がむし歯の状態です。親知らずを抜いた弊害というのを整体の師から伝え聞いており、どうにか抜かずに行く方法を模索しております。実際自分も詰め物が少しおかしいだけで、顔面神経に常に激痛が走り夜も寝れないいう地獄の期間を3,4カ月体験した経験があり、どうにか抜かずに行きたいと思っています。
…その状態を改善しようと何件かの歯科を回ったものの、どこも改善出来ず、最終的に自分の判断で詰め物を完全に除去して頂いた所、激痛が消えました。そのような経験から歯医者にかかる氣になれず、セルフケアでがんばっていましたが、徐々に進行してきました。
既にむし歯になってはいるので、抜くとすれば、歯が神経まで完全に壊死して役割が終えてからにしたい。しかし親知らずのせいで7番が死んでしまうのは非常にまずいと思い、色々調べた結果、親知らずの歯冠部を切り取る手法を知りました。そして近場でひぐち歯科クリニックさんを発見し、技術と経験豊富さと、漢方まで扱われている事、南丹のご出身であることにも縁を感じ相談させて頂いた次第です。
回答
親知らずは歯肉を切開して歯を分割し、骨も削除してようやく抜けるというケースも珍しくありません。術後のダメージも大きく、顔が腫れて口が開きにくい状態が何日も続くこともあります。
親知らずの抜歯の弊害とは、このような術後の症状のことでしょうか。親知らずの根元付近には下顎管という管が骨の中を前後に走行し、中には下歯槽動静脈が入っていますが、抜歯によりこれらの神経や血管が傷付き、麻痺や出血が生じることもあります。
これらの問題を避けるためには、歯冠部のみを歯根から切り離して除去する歯冠切除術を行うと神経損傷などのリスクを回避することが可能です。
【相談者】2016年9月4日 YM
質問
私の母なのですが、今年6月より右下7番の根管治療をしており後は薬を詰めるところまでいったのですが痛みが取れず、痛みが落ち着いてから薬を詰めようとなっておりました。しかし、やはり右下の激痛が取れないため7/8に診察してもらったところ右下親知らずが炎症ということで親知らずを抜歯しました。
その後、ドライソケットとなり激痛と戦う事1ヶ月(治りは少し遅いようでしたが、それでも骨の目立った炎症もなく薄い歯茎は張っていたため、これほど激痛が続くのはこの時点でも少しおかしいなと思っておりました)、その間はトラムセット1日6.7錠、ボルタレンサポなどかなりの鎮痛剤を服用していました。
7月末には一旦痛み止めを服用しなくてよい日が2.3日あり、これでやっと治癒にむかっていると思った矢先、7/31よりまた激痛が出始めたため、ドライソケットの治療として専門の歯科に高周波治療などしてもらい痛みは治まったり出たりを繰り返しておりました。その時の痛みはまだボルタレン25mg1錠などでも少したつと効いている状態でした。
8月中旬より激痛が出る日、治まる日がほぼ1日置きにあり、激痛は寝る前に出てくるため睡眠が取れず、さらにその激痛はトラムセットもボルタレンサポもロキソニンも何も効かない状態です。夜から出始め次の日の昼過ぎにいつも治まり、その日は睡眠不足からか寝れるのですが、またその翌日の夜から激痛が出始めるとの状態です。
8/26頃からは舌の付け根や軟口蓋にも激痛を感じるようになりました。関連痛なのか神経性障害なのか不明ですが、非定型歯痛顔面痛の可能性も考えなくてはと思っています。9/4現在も同じように親知らず抜歯跡や舌の付け根に激痛が出てきています。
母も6月の根管治療時からの長期の激痛で、精神的にもかなりまいっており激痛がくると本当に死にたいと言っています。最近は治まっている時も、激痛の恐怖からか両足のしびれ、背中の硬直があり睡眠が取れない日が続いています。
現在は8/16より歯学部付属病院に通っており、1.2週間たっても痛みに変化がないため治療方針としては来週よりリリカを試してみようとなっています。それでも変化がない場合、ペインクリニック科と連携して痛みを何とか緩和するようしていこうとなっています。レントゲン、CT、MRI、血液検査、全てに異常はありませんでした。
根管治療中の歯も1ヶ月ごとに見て頂いてはいますが、特に問題はないと言われています。現在、抜歯窩はまだ穴は空いておりCTでも骨は大きな穴が空いている状態ではあります。
ここからが質問なのですが、私としましては、この治療方針でいいのか、それともこの時点で非定型歯痛を疑い、抗うつ薬での治療を早期に進めた方がいいのか、、悩んでいます。また、この症状(1日置きに長時間くる激痛、治まったり出たりを繰り返している)は非定型歯痛として考えられるのでしょうか。他に原因がないというところで非定型歯痛ではないかと思っています。
また歯痛からくる両足のしびれ、背中の硬直と痛みはどういったところへ受診すればいいでしょうか。読みにくくわかりにくい長文で申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
激痛が繰り返し生じ、さぞかしお辛いことでしょう。痛みを和らげるためには、まずは痛みの原因がどこにあるのかを調べる必要があります。親知らずの抜歯後にドライソケットが生じたということですが、その後の経過はいかがでしょうか。
ドライソケットは骨がむき出しとなり、水や冷気が当たるだけで強い痛みが生じるのが特徴で、専門家が診れば簡単に判断できます。文面からはドライソケットの治療は終了し、抜歯窩の骨面は粘膜に覆われて治ってきているように推測されます。
右下の親知らずは既に抜き、ドライソケットも治っているとすれば、痛みの原因は何でしょうか。右下7番の根管治療後も痛みが続いていたようですが、現時点ではこの歯に問題はないようですね。CTやMRIの結果では、顎骨にも骨髄炎や腫瘍などの問題はないようです。
このような場合は非定型歯痛が疑われます。あるいは、右下7番の神経か親知らずを抜いた際に生じた神経障害性疼痛、筋・筋膜炎疼痛性障害などの可能性もあります。脳腫瘍や脳梗塞による痛みの可能性もありますが、CTやMRIでは頭蓋内まで調べたのでしょうか。
両足のしびれ、背中の硬直と痛みについては右下顎の痛みと直接関係しているかどうかは不明です。両足や背中に別の問題が潜んでいる可能性もありますし、ストレスや不安が両足や背中、右下顎に痛みを引き起こしているのかもしれません。脳腫瘍や脳梗塞の問題と併せて、両足のしびれ、背中の硬直と痛みについても神経内科で診てもらうことをお勧めします。
また、カンジダ菌というカビにより粘膜が赤く腫れて痛む場合には、抗真菌剤の塗布やうがいが効果的です。
年齢 |
性別 |
相談日 |
60代 |
女性 |
2016年8月22日 |
【相談者】2016年8月22日 IT
質問
樋口先生殿はじめまして。私の母のことで相談させてください。母は平成23年に骨髄異形成症候群と診断されその年に移植をしました。その後入院中も特に問題なく退院をしました。が、退院後2か月後ぐらいに風邪をひき熱発しました。それからです。慢性GVHDとなり今なお闘っています。
はじめは皮膚が黒ずむ症状から始まりドライアイ、ドライマウス・・年々ひどくなる経過をたどっています。相談させて頂きたい内容としましては、1年程前からほぼ固形物の摂取が困難です。本人も食べたいから食べてみてはいますが、口を開けることもままならないほど痛みがひどいため一口程度で終わります。
あとはやはりドロドロにしたおかず、おかゆを食べています。なかなか栄養をとることも難しくなっていますので介護食なども取り入れています。が、介護食は、唾液が出るようにか酸味、辛みが強くあまり進みません。今の状態は、とにかく口を開けることが難しいのと、口の中の痛み、口の中の腫れが主訴です。
オペして頂いた病院の口腔外科で処置もして頂いてるようですが、虫歯にも気を付けないと!と家の近くの歯科に通い始めましたがそのような患者をあまり扱ったことがないのか口の中を思いっきり開けたようで筋状に裂けたような痛みがしてその後食事をとるのが困難でした。
口腔外科ではキシロ入りの軟膏をもらいそれも塗布していますが、とても頻回です。どうしたらいいものかとても悩んでいます。少しでも痛みなく食事がとれるようにしてあげたいです。(母の年齢は67歳です)
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
骨髄異形成症候群に対する根本治療として、放射線照射後に同種造血幹細胞移植をされたのでしょう。他人から移植した造血幹細胞がお母様の体を異物として攻撃すると、慢性GVHDが生じます。GVHDの程度は人それぞれですが、お母様の場合は皮膚、唾液腺、涙腺が攻撃されて慢性的な炎症が生じているようです。
現在GVHD由来のドライマウスでお困りのようですが、唾液腺の炎症が続くと徐々に唾液腺が委縮して機能が低下し、唾液が出にくくなります。残念ながらこの状況を根本的に解決する方法はありません。少しでも痛みを和らげ、お口の中の潤いを保つために、小さな氷の塊を口の中に入れておくことをお勧めします。
顔面、頸部や口腔内の唾液腺に対してはマッサージを続けると唾液が出やすくなりますし、ドライマウス用の保湿剤が入ったジェルも市販されています。
また、カンジダ菌というカビにより粘膜が赤く腫れて痛む場合には、抗真菌剤の塗布やうがいが効果的です。