質問
丸で囲ってあるところを指で触れるとコリコリします。写真は左ですが、右にも場所は少しずれてコリコリがあり、しこりなのか正常な粘膜下の組織なのか、不安になりました。
口腔ガンが怖く、口の中を頻繁にみたり、触ったりして確認してしまいます。今日別件で経過観察のために口腔外科にかかり、一応全体的に異常がないか診察もしていただいているのですが、帰ってきてからたまたま見つけてしまいました。今日かかったときは触診はしてないので、この部分は見た目には気になることがなかったのだろうと思います。
この辺りのコリコリで考えられることを教えてください。リンパを触ったときのような硬さで、ゴリゴリ硬い感じはないのですが、ガンだと硬いのですよね?
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
臼後隆起付近の粘膜下にコリコリした腫瘤が形成されているようですね。本来はこのあたりの粘膜下にコリコリした舌組織はありません。
可能性としては腫瘤、のう胞、臼後腺、リンパ節、異物の迷入、肉芽腫などが考えられますが、腫瘤やのう胞は通常片側だけに生じるため該当しないと推察します。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代
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女性
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2021年2月8日
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質問
お忙しいところに恐れ入ります。19歳娘の親知らずについての質問になります。定期受診の際、いらない歯ですから4本とも抜いたらどうですかと説明を受け、大きな病院を受診しました。紹介先の病院では、全身麻酔で4本同時抜歯・1泊入院の説明を受けました。
歯の状態ですが、痛みや虫歯はなく、上2本は頭を出してきて、下2本は横向きに埋まっており、7番目の歯(歯のタテ半分くらいのところ)に向かって当たっているような状態です。また、レントゲンでは下2本とも親知らずの根元に下顎管が重なっており、一般的な話として、術後の神経麻痺などのリスク説明があり、不安に思っておりますが、抜いておくことがベストなケースでしょうか。また、全身麻酔で抜くことや4本同時に抜歯することのメリットとデメリットは、どのようなことがあるのでしょうか。いらない歯という以外に抜くべき根拠がはっきり示されたわけではなく、悩んでおります。ご回答いただけますとありがたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
一般的に親知らずは抜くことが多いといえますが、全てのケースに該当するわけではありません。上下の親知らずが正しく噛み合っていて、歯磨きが難しくない場合に抜く必要はありません。むしろ親知らずも噛むという行為に役立つため、積極的に残すべきでしょう。
一方、抜いた方がよい親知らずもあります。歯磨きしにくい親知らずがあると、歯垢(プラーク)が残ったままの状態が続き、むし歯や歯周病に罹患する可能性が高くなります。親知らずがむし歯や歯周病になると、困ったことに親知らずの手前の歯まで巻き込まれることがあるため、親知らずを早期に抜く必要があるのです。
横向きに埋まった親知らずの場合では、完全に埋まっている場合は抜く必要はありません。ただし、手前の歯との間に深い歯周ポケットが形成されている場合は抜く必要があります。手前の歯の歯周病が進行するリスクが高いからです。
下顎管と重なっている親知らずを抜くと、神経損傷(麻痺)の可能性があります。このような場合は、歯冠のみを除去して歯根は残す「歯冠切除術」に切り換えることにより、麻痺のリスクを避けることができます。
親知らずは右側と左側に分け、期間をおいて抜くのが一般的です。右の抜歯後はしばらく右では噛めず、左で噛むことになります。左についても同様です。左右同時に抜くと、右でも左でも噛みにくくなり、健全な食生活を営むことが困難になります。ただし、これは外来で抜歯する場合のことで、入院して全身麻酔下で抜歯する場合は4本同時が一般的です。術後しばらく入院し、流動食などで過ごすことが前提となるためです。
質問
顔のこわばりやひきつり、動かしにくさの症状などがあり、顎口腔ジストニアではと言われたのですが、どうゆう病気なのでしょうか? お忙しい所恐れ入りますが、ご返信頂けましたらよろしくお願い致します。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
ジストニアとは筋肉が異常に萎縮することにより、思うように身体を動かすことが困難になる病気です。口顎部ジストニアの場合は、食いしばって口が開きにくくなることが典型的な症状です。
薬の副作用が原因の場合もあるため、服薬を中止すると治癒する可能性があります。原因不明の場合は、筋肉の収縮を和らげる抗コリン薬や筋弛緩剤、ベンゾジアゼピン系抗不安薬などにより改善する可能性があります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
60代
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女性
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2021年1月22日
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質問
舌の裏に1ミリ弱の赤い点があり、血豆ではないように見え、潰瘍や腫瘤はないように見えるんですが、こういうのは血管がまたまた蛇行して表面に見えているだけでしょうか?周囲に大病を患う人が多くて少し過敏になっているためかなり神経質な質問で申し訳ないですが、よろしくお願いいたします。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
舌の裏側(舌下面)の粘膜のすぐ下には、血管が走行しています。そのため、血管が拡張したり血流が豊富な部分では赤く見える場合があります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
60代
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女性
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2021年1月22日
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質問
舌下小丘に唾液腺が開口している小さな穴が見えるのですが、左側だけ穴が2つあるようです。右は見えないだけかもしれませんが。調べると顎下腺と舌下腺が合流して開口すると書いてあるものがほとんどで心配になりましたが、ウィキペディアには合流または別に開口と書いてあり…ということは2つ穴があるとしても病的なことではないという認識でいいでしょうか? 合流して1つの穴のことが多いけど、2つ別々に開口ということもあると思ってよいでしょうか?
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
口底部の粘膜下には唾液が通るワルトン菅が走行しています。ワルトン菅の最前方部の膨らみが舌下小丘で、ここから唾液が出てきますが、唾液の出口、即ち開口部は通常1つです。開口部が2つある理由は不明ですが、何らかの拍子に本来とは別の場所に穴が開いてしまったと推察します。ただし、それが問題になることはないでしょう。
ワルトン菅は、顎下腺と舌下腺から分泌される唾液を集めて通す管です。顎下腺と舌下腺付近ではそれぞれが別の管(導管)ですが、途中で合流して1本の管になるため、開口部は通常1つとなります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
60代
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女性
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2021年1月18日 |
質問
昨年12月の終わり頃、舌の左側の葉状乳頭のところに白いニキビのようなできもの(2ミリくらいの丸い突起)に気づきました。いつからできていたのかわかりませんが、前にはなかったと思います。右の方をみてもなくて左だけです。
耳鼻咽喉科で診ていただいたのですが、悪いものではないとのことで経過をみるように言われました。このようなものができることはありますか?このできものは何でしょうか?つぶれるような感じはありません。たまに見るのですが鏡でも見にくい部分ですし、よけいに気になってしまいます。大きくなったらと不安です。お忙しいところすみませんがご回答お願いできますでしょうか。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
舌の側面の後方部にある葉状乳頭はリンパ組織で、刺激を受けると赤くなり、腫れや痛みが生じる場合もあります。表面は凸凹していて、突起が出ていることもあります。
さて、左側の葉状乳頭に丸い小突起があるということですが、この突起は元からあった可能性が高いと推察します。大きくなる可能性は低いですが、その場合は再度診察を受けられることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代
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女性
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2020年12月12日 |
質問
舌がピリピリして、乾燥したような口内の違和感があり、味を感じにくいですが、治りますか?
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
口の中が乾燥する状態がドライマウスです。ドライマウスになると粘膜が荒れ、舌がピリピリしたり、味を感じにくくなったりします。
ドライマウスかどうかについては、唾液検査で調べることができます。ドライマウスにはさまざまな原因があるため、その問題ごとに対処する必要があります。
一方、口の中が乾燥していないにもかかわらず、乾燥しているように感じることもあります。これは神経の異常が原因で、舌がヒリヒリしたり、味を感じにくくなったりします。このような場合は抗うつ薬などの投薬治療が必要となります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代
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女性
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2020年12月3日
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質問
22歳になる娘ですが 高校生の頃からゲップが多く出るようになり苦しんでいます。胃カメラもしましたが異常はなく機能性ディスペプシマなのでは?と食事制限もしましたが効果がありませんでした。歯の方は反対咬合で治療を高校までしていました。呑気症と関係があるでしょうか?
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
ゲップが出る原因にはさまざまなものがあり、噛み締め呑気症候群もそのひとつです。噛み締めると口の中が狭くなり、唾液が飲み込みにくくなるため、勢いよく唾液を吸い込むようにして飲み込む癖がついてしまうことがあります。その際に空気も一緒に飲み込んでしまい、胃に空気が溜まってゲップが生じるわけです。
つまり、噛み締めがあるかどうかがポイントとなります。無意識で噛み締めていると、噛み締めていること自体に気付かない場合もありますが、歯科を受診すれば噛み締めの形跡があるかどうかが判明するはずです。
反対咬合で矯正治療を受けられたということですね。歯並びや噛み合わせに異常があると口をつむりにくくなり、意識して口を閉じようとすると奥歯に力が入って噛み締めやすくなります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代
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女性
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2020年11月27日
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質問1
舌の側面が長らくヒリヒリしており、鏡で見るとその部分が若干白くなっていました。耳鼻咽喉科で見てもらったところ、白板症の手前の状態と言われました。歯科には3ヶ月おきにメンテナンスに通っており、2回ほど前から舌の痛みについては話していたのですが、歯が触れているためだろうとのことでそのままになっていました。
耳鼻咽喉科では、この状態なら検査をしても異常細胞は多分見つからないだろうから様子見で良いだろうが、舌に当たっている歯(銀歯)は当たりを丸くするなどして治してもらったほうが良いと言われました。しかし、今まで舌に当たることを伝えていても調整等の話しはなかったのですが、このような場合、銀歯を作り直すことは可能なのでしょうか。
また、細胞診をしても異常は見つからないというのは、良性ということでしょうか。それともいずれ悪性化する可能性はあるけれど、現段階では検査をしても、異常は見つけにくいという意味なのでしょうか。状況のみのお話で申し訳ありませんが、アドバイス等いただけますと幸いです。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
耳鼻咽喉科では、舌粘膜を検査する必要なしとの説明があったということですね。舌が白く、痛みがある場合は舌がんの可能性も疑われますが、診察により否定されたのでしょう。
舌が白いという点から「白板症」が考えられます。耳鼻咽喉科の先生が歯の問題で白くなっていると判断されたのは、機械的刺激が原因であると考えられたようです。いずれにしても現状で悪性の心配はなく、今後もその可能性はないと判断されたのでしょう。
歯科の診察では、舌粘膜を刺激するような歯の異常が見つからなかったようなので、やはり白板症の可能性が高くなります。
ただし白板症は基本的に痛みが出ないため、白板症に加えて痛みの原因となる別の病気が隠れていると推察します。白板症以外で粘膜が白くなって痛む別の病気、たとえば口腔カンジタ症、口腔扁平苔癬、舌がんなどの可能性もあります。どのような問題が生じているのか、もう一度しっかり診てもらうことをお勧めします。
質問2
ご回答をどうもありがとうございます。昨日、改めて歯科に行き、見てもらったところ、何も出来ていない、問題はないと言われました。また、尖った部分を直してもらうよう耳鼻咽喉科で言われましたと伝えたのですが、触診し、直すべきところもないと言われました。
上の奥から2番目の歯が、以前虫歯になった時にレジンを詰めて治療したのですが、これがすり減り、喋っているときなどに自歯とレジンの段差に下が引っかかるような気がすることも伝えましたが、やはり触診して問題を感じないと言われてしまいました。
ナイトガードをつけると痛みが軽減するので、やはりこの歯が原因のように思うのですが。歯科医が異常を認めない場合、これ以上改善や治療を求めることは不可能なのでしょうか。
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
歯科医師が歯に異常がないと診断したのであれば、歯は痛みの原因ではないのでしょう。舌の痛みにより、その部分に接触する歯が気になるのかもしれません。
肉眼的には粘膜に異常がないにもかかわらず、舌が痛む病気を舌痛症といいます。舌痛症は舌の知覚神経(舌神経)が異常をきたすことから、脳が痛みを感じ続ける病気で、治療法は三環系抗うつ薬などの内服が中心となります。
質問3 謝辞
度重なるご回答をどうもありがとうございます。白板症の所見はないとのことで安心しました。舌痛症というものは知りませんでした。そちらの線も含めて、しっかりと歯科医と話し合い、改善してゆこうと思います。本当にどうもありがとうございました。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代
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女性
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2020年10月28日
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質問1
下の親知らずを抜きたいのですが、レントゲンで見ると神経に当たっており、麻痺が心配で抜歯に踏み切れません。そちらでは、2回法で抜くことが可能とのことですが、42歳でも、歯冠を抜いた後の歯根の移動は起きるのでしょうか?他のサイトでは35歳ぐらいまでが適齢とありました。もし移動しなかったり場合、残った根っこはどうなりますか?お忙しいところ恐縮ですが、ご返答宜しくお願い致します。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
下顎の親知らずの根の先が下顎骨内を走行する下歯槽神経と接触していることがよくあります。エックス線写真でこのような状況が確認されたようですね。
このような状況であってもすんなりと親知らずを抜歯できることもあります。しかし、いろいろな方法で抜こうとしてもなかなか抜けないこともあります。無理やり力づくで抜くと神経が傷付くことがあり、その結果麻痺が生じます。
麻痺が出ないようにする方法に2回法があります。初回の手術では親知らずの歯冠の部分のみを切断して除去し、歯根は残しておきます。1~2か月して歯根が移動し、下歯槽神経が入っている下顎管から離れたら、2回目の手術で歯根を除去し、抜歯を完了させます。
1回目の歯冠切除後、いつまでたっても歯根が移動しないこともあります。しかし問題はありません。邪魔な歯冠を除去し、歯根は骨の中に埋まったままで治ったということになります。
質問2
早速のお返事、ありがとうございます。歯根を残したままだと、化膿したりしませんか?これまでも、歯が移動せずに、歯根がそのままの患者さんはいらっしゃいましたか?何年か経ってから、何か影響がでるのでは、と気になります。また、この2回法は難しいため、限られた病院でしかできないと書かれていたのですが、その通りでしょうか?
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
歯根を残した後に早期に化膿することは少ないとされています。私の経験でも化膿した例は記憶にありません。ただし歯根が移動して見えるようになり、そのままで放置しておくと化膿することがあります。その場合は炎症を抑え、その後に抜歯します。歯根が移動するかどうかに注意し、移動した場合には化膿する前に抜いてしまった方がよいと考えます。
一方で、歯根が移動せず骨中に埋まってしまえば問題は起こりません。このように歯根が移動しないこともよくあります。
2回法に限らず下顎の親知らずの抜歯は難しいため開業している歯科の先生は敬遠されます。多くの場合大学病院や総合病院の口腔外科に抜歯を依頼されます。
質問3
詳しく教えて下さり、ありがとうございます。