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口腔外科無料相談室



奥歯周辺の下顎が痛んでいます

年齢 性別 相談日
40代 女性 2018年5月11日

【相談者】2018年5月11日 O

質問

昨年12月より奥歯周辺の下顎が痛み、歯科では異常なし。その後、強い痛みが出てる時は、下顎から頬骨、頭まで痛みが広がり、先日、頭部のMRIを撮りましたが、極小の動脈瘤はあるものの痛みの原因ではないとの診断でした。数年前から就寝時の食いしばりがある為、ナイトガードを毎晩使用しています。

ネットで食いしばりが原因かと色々調べていて、こちらのHPに辿りつきました。抗鬱剤などを使っての治療が有効のようですが、使用したくありません。痛みの多くは、夜中~明け方が一番強く、痛みで眠ることが出来ません。痛みが強い時は、ボルタレンの鎮痛薬を使用しますが少しマシにはなりますが、痛みは改善されません。ただ、日中は、軽い疼き程度で薬なしでも我慢できます。

夜中~明け方の痛みも毎日ではないので出来れば強く痛む時のみのお薬が欲しいのですが、毎日服用しなければいけないのでしょうか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

歯や歯肉、顎骨に本当に異常がない場合は非定型歯痛、非定型顔面痛という病気である可能性が高くなり、その種の痛みで最も頻度が高いのが筋・筋腫性疼痛です。通常はナイトガードの使用により症状が改善されるはずですが、ナイトガードを使用しても夜間痛みで眠れないという状況であれば、筋・筋腫性疼痛の可能性は低くなります。

他にも片頭痛や群発頭痛、本能性疼痛などの可能性が考えられるため、原因をよく調べてみる必要があります。痛みに対しては抗うつ剤や抗不安剤、抗けいれん薬、アセトアミノフェンという鎮痛薬、漢方薬、片頭痛頓挫薬などの薬の他、酸素吸入や認知行動療法なども効果的です。

上顎洞根治術数年後の顔の腫れや目の症状

年齢 性別 相談日
60代 女性 2018年5月8日

【相談者】2018年5月8日 T

質問

某歯科大附属病院で異物が上顎にありインプラントする前に取りますと上顎洞根治術を受けたが術後3か月もせず近医でフィクスチャーを埋入してしまった。シュナイダー膜も掻爬され骨も入れず上顎洞貫通。左上6番。その時10分もかからず気腫を生じていたが数年後に顔が腫れてわかる。医師は上顎入口辺りを揉んでいたが眼球変形し網膜浮腫み 視神経萎縮あり。インプラントを外したいが可能かどうかお願いします

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

上顎へのインプラント埋入が予定され、手術の障害となる上顎洞内の異物を除去したということでしょうか。例えば異物が上顎洞底の上顎骨と上顎洞粘膜(シュナイダー膜)との間に存在していたとすれば、シュナイダー膜を掻把して取り除く必要はありません。

シュナイダー膜を取り除くということは、上顎洞全体に感染による慢性的な炎症が拡がっていたと推察しますが、異物が原因となって感染が拡がった可能性もあります。そのような状況であれば、異物除去に留まらずシュナイダー膜まで取り除く必要があります。

インプラントを上顎洞内に貫通させたということですが、上顎洞は空洞で骨がないため貫通させても役に立たないはずです。従ってなぜ貫通させたかは不明ですが、上顎洞根治術により上顎洞内に骨添加が生じ、インプラントの支えとなることを期待したのかもしれません。

インプラント埋入時に気腫が生じたとお考えですが、気腫が生じれば手術直後に顔が腫れるため気付くはずです。また、通常は気腫が生じても数日程度で自然に治癒するため、数年後に気腫が現れることはありません。気腫を思わせるような顔の腫れであっても、気腫とは別物でしょう。

「術後性上顎のう胞」であれば数年ではなく、十数年してから顔の腫れや眼窩底の破壊に伴う眼球の沈下を生じさせる場合があります。視神経萎縮も視神経がのう胞に圧迫されることにより生じたのかもしれません。

さて、本題のインプラント除去については可能であると考えます。インプラント周囲の上顎骨を専用の器具で削り取ればよいでしょう。しかし現在インプラントがきちんと機能しているのであれば、除去する必要があるのでしょうか。

インプラント除去の可否より、現在の上顎洞や眼の状態を調べた上で正しい診断を受けることの方が重要です。診断が下って治療法を検討する段階になってから、インプラント除去について相談されることをお勧めします。

歯、顎辺りの痛みがひどく辛い毎日を過ごしています

年齢 性別 相談日
50代 女性 2018年5月3日

【相談者】2018年5月3日 Y

質問

身体表現性障害で精神科医にかかり、ECT治療を受けたりしていますが、歯、顎辺りの痛みがひどく、かなり辛い毎日を過ごしています。鬱病との診断もされていますが、とにかく傷みがひどくて辛いです。そちらの医院で治療法はあるでしょうか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

身体表現性障害と診断されて電気けいれん症法(ECT)を受けたそうですが、治療法に疑問をおぼえます。また、身体表現性障害とうつ病が同時に診断されたことも疑問を感じます。それぞれ異なった精神科で診察を受けられたのでしょうか。

さて、歯や顎の痛みの原因についてどの程度まで調べたかは不明ですが、虫歯や歯周病、根尖性歯周炎、骨髄炎、顎関節症があれば痛みは出ます。それらの問題の有無について検査を行った上で、治療を受ける必要があります。

歯や骨には異常がないのに痛む場合は、筋・筋膜痛の可能性が高いでしょう。検査を受けた上で問題があれば習癖の改善、薬物療法、スプリント療法、理学療法、顎の体操などを行うことにより改善が期待できます。

また、神経障害性疼痛や原因不明の痛みである場合は抗うつ薬が有効です。既に服用されているようですが、別の薬への変更や服用量の増量を検討されるとよいでしょう。他にも抗けいれん薬や鎮痛薬(アセトアミノフェン)、漢方薬、局所麻酔、認知行動療法などの心理療法は痛みの緩和に効果的です。

【謝辞】2018年5月9日 Y

こんにちは。この度は大変お世話になりました。御親切な返答に感謝致します。遠方のためそちらに受診することは困難ですが、いただいたアドバイスを参考に頑張ります、ありがとうございました。

右上の差し歯の付け根に疼くような痛みがあります

年齢 性別 相談日
男性 2018年4月21日

【相談者】2018年4月21日 C

質問

二週間ほど前から右上の差し歯の付け根に疼くような痛みがあり、その後2、3日してから画像の赤く囲った部分が火傷をしたときのようなヒリヒリする痛みが出てくるようになりました。結局、差し歯の痛みは土台の歯の軽い虫歯のせいだとわかりましたが上あごのヒリヒリする痛みは原因がわからない状態です。

現在虫歯と差し歯の治療中ですが膿んでるわけでもないですし、写真で見る限り特別赤くなったり白くなったりしている様子も無いのですがどういう可能性があるでしょうか?あと、気になって舌先で押したり触ったりしてしまいがちなのですが、そういうこともしないほうがよいですか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

差し歯の痛みと上顎の痛みについては、いずれも虫歯により生じた可能性があります。虫歯の進行により歯の神経を抜く治療を行った後、差し歯を入れたのでしょう。そこに虫歯が発生し、虫歯菌が根の先から周囲の骨に拡がって炎症が生じると上顎にヒリヒリした痛みが生じてもおかしくありません。また、虫歯以外の原因としては口腔カンジダ症、火傷、口内炎、扁平苔癬、口蓋がんの可能性が考えられます。

ストレスが原因でガスが頻繁に出るようになりました

年齢 性別 相談日
20代 男性 2018年4月14日

【相談者】2018年4月14日 I

質問

中学時代にストレスが原因でガスが頻繁に出るようになりました。食生活も変えてますが、治らず今年の2月に大腸カメラを調べたのですが異常はありませんでした。呑気症ではないかと思い、質問しました。呑気症は治せる病気なのでしょうか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

噛みしめや舌の後方部を口蓋粘膜に付ける癖があると、唾液を嚥下する際に空気を一緒に飲み込んでしまい、噛みしめ呑気症を引き起こします。胃腸に異常がない場合は呑気症が疑われます。呑気症は上記の癖を止めると治すことが可能です。癖をなくすための方法を行動変容療法といい、スプリントというマウスピース状の装置を作製して日中に装着します。

シェーグレン検査後、唇の麻痺があまり戻りません

年齢 性別 相談日
40代 女性 2018年3月20日

【相談者】2018年3月20日 S

質問

他の方も書かれている質問で恐縮です。シェグレン検査後、唇の麻痺があまり戻りません。しこりも残っています。検査後もう少しで一カ月となります。医師は日常生活に支障なしと言いますが、支障があります。また今後一生このままですかと尋ねたら、可能性はあると答えました。検査前にこのようになるという説明は一切ありませんでした。病気のこともあり、精神的に参っています。今後、どのようにしたら早く治りますか?

また医師に神経を切られたり、なにかおかしな施術をされた可能性はあるのでしょうか?もちろんそんなことを医師に聞いても答えないと思いますが、病院への対応も含めできることを教えてください。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

ドライマウスの原因のひとつにシェーグレン症候群があります。この病気は自己免疫疾患の一種で、自分のリンパ球が唾液腺や涙腺などの腺組織の細胞を異物と見なして攻撃することによって生じ、唾液や涙が減少してドライマウスやドライアイを引き起こします。

シェーグレン症候群の検査のひとつに口唇生検があります。唇の粘膜下組織には「口唇腺」という小さな唾液腺が多数ありますが、口唇生検の際は唇の粘膜を切開し、内部の口唇腺を数個摘出して、自己免疫反応が生じているかどうかを調べます。

体の皮膚や粘膜には細かい神経が網目状に走行しており、皮膚や粘膜を切開するとその部分の神経は必ず断裂し、麻痺が生じます。これを避けることは不可能で、神経が切断されるとすぐには回復しません。周囲から神経が延びていつかは感覚が戻りますが、年単位の時間がかかると予想されます。

また、粘膜を切開することにより術後にしこりが生じますが、傷が治る際の正常な反応で数週間かけて徐々に治っていきます。以上のように、しこりも麻痺も口唇生検では避けられないものです。検査前の十分な説明が必要でしょう。"

骨隆起除去術後の歯肉退縮

年齢 性別 相談日
30代 女性 2018年3月13日

【相談者】2018年3月13日 P

質問1

上の歯茎の外側に大きな骨隆起があり、見た目の問題から手術したいと思っています。近くの口腔外科2箇所で診て頂いたのですが、よく分からない点がありお聞きしたいです。1つ目の病院では、術後に歯茎の後退の可能性があるとのことでした。

歯根に近い骨を削った場合は根が露出してしまう可能性があるとか。2つ目の病院でこれについて尋ねたところ、歯茎が後退しないような上のほうを切開をします、とのことでした。矛盾を感じているのは下記の点です。

最初の病院の先生が仰っているのは歯茎を切開するから云々ではなく、骨を削る過程で歯根が露出してしまうリスクのことのように受け取りましたが、2番目の先生が仰っているのは切開する場所、つまり開く場所のようです。専門的なことが分からないのですが、両先生の見解はそもそもの趣旨が違うような気がして、決めかねています。

歯茎の後退というと歯周病で歯茎が下がってしまうイメージがあるのですが、骨隆起の手術でそれが生じる可能性があるのはなぜなのでしょうか。きちんと理解した上で治療に望みたいと思いご相談させて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

骨隆起は下顎小臼歯部の舌側や口蓋正中部に生じやすい骨の膨らみです。食いしばりや歯ぎしりによって歯に持続的な強い力が加わると、歯を守ろうと骨が増殖して生じます。上顎歯肉の外側(頬側)に骨隆起が生じたようですが、確かに骨隆起が生じやすい部分であるといえます。

骨隆起自体はそのまま放置しておいても問題はありませんが、「見た目が悪い」「歯が磨きにくい」「入れ歯を作るのに邪魔になる」といった場合は除去することになります。手術法は骨隆起の表面の粘膜を切開し、骨をラウンドバーや骨ノミなどで削除した後で縫合します。

一方、歯肉退縮は歯周病が進行することにより骨が溶けてなくなると、次第に歯肉も退縮します。癌以外にも歯磨きの力が強すぎて傷つけてしまったり、歯ぎしりや食いしばりがあると生じます。

骨隆起除去術のために歯肉退縮が生じることはないでしょう。歯周病の際に歯肉退縮が生じるのは骨がなくなるためで、歯のすぐ近くまで骨隆起があるなら歯肉退縮は生じません。歯磨きや食いしばりによる歯肉退縮は、歯の周囲の骨が薄い部分に生じやすいものですが、分厚い骨隆起があればその心配はありません。

【相談者】2018年3月15日 P

質問2

とても分かりやすいご説明ありがとうございました。最後に一つだけ伺ってもよろしいでしょうか。

骨隆起は上顎の歯茎に沿ってかなり大きく範囲も広いです。(口を閉じていても盛り上がりが分かる程です)親不知の抜歯で少し骨を削っただけでも痛みが強かったのを考えると、その量を削れば痛みもかなり大きくなるのかなと思っています。

1つめの医院のほうでは、自費でピエゾサージェリーでの手術が選択できると言われました。通常の処置より痛みや腫れがかなり軽減されるとのことで気になっています。一般的な手法で削るのと比べてピエゾサージェリーは痛みや腫れは格段にちがうのでしょうか?

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

親知らず抜歯後の痛みは、骨を削ったことにより生じたものではありません。抜歯後の痛みは骨削除以外にもいろいろな要因が関与しており、骨削除そのものは術後の痛みにそれほど影響しないと推察します。

ピエゾサージェリー は超音波を用いて骨を繊細に削ることができる方法です。ラウンドバーを用いてドリルで骨を削る通常の方法と比べ、痛みは軽減されそうですが、腫れが軽くなるとは限りません。また「格段にちがう」か否かについては、感じ方に個人差があるでしょう。

顎骨嚢胞開窓術後の治りが心配です

年齢 性別 相談日
40代 女性 2018年2月20日

【相談者】2018年2月20日 C

質問

顎骨嚢胞開窓術で右下奥歯を二週間前に手術しまだ 右頬と顎の辺りが少し腫れがあり、開口悪く、口腔内は歯茎がはれその上にガーゼが溢れ出てきていて都度入れ込んで気持ち悪い状態でとにかく臭くて膿の味?血?かわかりませんが違和感でしっかり眠れずだいぶストレスになってきました。きちんとブラッシングや軽いうがい等で衛生面は気をつけているのですが‥

口腔外科の先生にこの状態はどの位具体的に続くのか?これで完治していくのか?また手術をしないといけないか?不安なので尋ねても、私としては分かりやすく、ある程度の期間とガーゼの交換時期

気持ちが悪いのは我慢しかないのか、現在の経過等説明して欲しいのですが忙しいのかわかりませんが「後少し」しか言ってくれません。先々不安でたまりません この二週間で二回ガーゼ交換してもらいましたが、状態説明は質問しましたがなくわかりません。そこで、先生のご意見をいただきたく質問させていただきました。宜しくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

顎骨嚢胞開窓術は嚢胞が大きく、下顎骨の中を走行する下歯槽神経に接している場合に選択される手術法です。嚢胞を全て摘出すると神経が傷つき麻痺が生じる可能性があるため、嚢胞を全摘することなく表面部分の嚢胞壁のみを切り取り、残った嚢胞壁を周囲の口腔粘膜と縫合し、骨に穴が開いた状態にします。

嚢胞は内部に液体が貯まり、その水圧により周囲の骨を溶かして大きくなるため、嚢胞に穴を開ければ内部に液体が貯まらず、圧が抜けて徐々に小さくなります。そして最終的には空洞がなくなり、正常な骨で埋まって治ります。

小さくなった嚢胞が骨の中に残存する場合はその時点で嚢胞摘出術が必要となりますが、既に嚢胞が小さくなっているため、神経が麻痺する可能性はないといえるでしょう。

開窓術により生じた空洞には、抗生物質が入った軟膏を塗ったガーゼの塊を詰めておきます。ガーゼの不足で外れたり一部が出てきた状態であれば、詰めるガーゼの量を増やしてもらいましょう。

また、細菌感染により化膿している場合は臭いが発生するため、感染していないかどうかを調べてもらい、必要であれば治療を受けましょう。ただし、化膿していなくても多少は傷の臭いが生じるものです。術後2週間ということですが、日が経てば徐々に臭いはなくなっていきます。詰めているガーゼにも浸出液や血液、食物などの臭いが付着して臭うでしょうが、頻発に交換してもらえばある程度は防ぐことができます。

ガーゼではなく、シリコンなどで空洞にふたをすれば臭いは軽減できます。別の材料が使えるかどうか相談されることをお勧めします。

空洞がなくなる時期は大きさによって異なりますが、一般的には数か月かかるとされていいます。一か月ほどで塞がる場合もあるので、当面は我慢して待っていただくしかありません。

口内が常にしょっぱく、喉の奥から変な味がします

年齢 性別 相談日
40代 女性 2018年2月7日

【相談者】2018年2月7日 T.M

質問1

よろしくお願いします。二年ほど前から口内が常にしょっぱく、最近ではさらに酷くなり酸味も加わり24時間気が狂いそうな程です。常に喉の奥から変な味がします。

耳鼻科でカメラでみてもらったり味覚検査等もしてもらい、プロマックを数ヶ月服用しましたが変化なし。酸味に関して逆流性の薬を服用しましたが関係ない様子。喉の奥~舌が塩味と酸味でたまりません。

六年前から一型糖尿病、自己免疫疾患、癌を患っており薬は服用しておりますか薬害副作用ではないように感じます。ドライマウスかとジェル等も試しましたが効果なし。神経内科や耳鼻科、他の歯科ではほぼ相手にして貰えず日々辛い症状に耐え難い思いです。このような症状で検査やお薬での治療は可能でしょうか?よろしくお願い致します。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

味覚の問題という点からは「味覚障害」、口やのどの違和感という点からは「口腔異常感症」と「咽喉頭異常感症」、これらの問題で気が狂いそうだという点からは「身体症状症」が疑われます。味覚障害に対しては味覚検査や亜鉛製剤であるプロマックの投与が一般的に行われますが、既に試したが改善がみられないということであれば、何か別の対応が必要となるでしょう。

味覚障害の原因としては薬の副作用、ドライマウス、唾液腺疾患などがあり、これらの問題について詳しく検討する必要があるでしょう。糖尿病も味覚障害を起こす場合があるので、糖尿病の改善とともに味覚障害もなくなるかもしれません。

味覚障害に対してメイラックス(一般名:ロフラゼプ酸エチル)という抗不安薬が効く場合があり、プロマックよりも治療成績がよいという報告もあります。また、漢方(中医学)では腎に異常があると塩辛く感じるとされ、肝に異常があると酸っぱく感じることがあるとされているため、漢方薬で腎や肝の異常を改善することにより味覚が正常化する可能性があります。その他にも抗うつ薬の内服により、味覚が改善する場合があります。

【相談者】2018年2月9日 T.M

謝辞

お忙しい中、詳しくご説明頂きましてありがとうございます。色々な可能性をご提示して頂き、これから調べていこうと思います。今回はメールで失礼致しました。本当にありがとうございました。

歯の治療が終わっても痛みがなくならないのです

年齢 性別 相談日
60代

男性

2018年1月31日

質問

私は中学校で英語を教えています。昨年末、マスクをしないで学校のエアコンの掃除をしていてほこりをたくさんすってしまいました。それが原因の1つだと思っていますが、咳がよく出てその咳がなかなか治まりませんでした。痰もよく出ました。私は20年ほど前から糖尿病を患っています。糖尿病の治療は内科に通っていますが、インシュリン注射をしています。春先は毎年花粉症に悩まされています。今回は花粉症の症状はまだでていませんが、咳が止まらなくなったので耳鼻科にも行きました。咳はなんとか治まりましたが、歯が痛くなり歯科医院に行きました。歯の治療が終わりましたが、痛みはまったく治まらずここ2日ほどは全く夜も熟睡できません。

歯科医院で歯の治療が終わっても痛みがなくならないので、大きな病院で診察をするようにという事で、紹介状を書いてもらい昨日、大学付属病院の口腔外科の診察を受けました。しかし、痛みの原因もまだよくわかりません。薬もたくさん処方してもらいましたが、鎮痛剤のカロナールは効き目があまりなく、困っています。耳鼻科で処方してもらったアセトアミノフェンの鎮痛剤の方が効き目がありました。昨日は大学付属病院に行きましたが、説明もなく、痛みがとれないので、仕事にも支障があります。早く治したいので、インターネットで探したところ、貴クリニックのページにたどりつきました。また、食事をしても味を感じません。私の症状を説明しましたが、貴クリニックで診察していただけますか。またすぐになおりますか。お願いします。

回答

歯の痛みがあり、味を感じないということですね。もちろん診察いたします。すぐに治るかどうかについては、お話だけでは判断できません。すぐ治る場合も時間がかかる場合もあります。

歯の痛みに対する治療を受けたが、治療後も痛みが全く改善しないということですね。痛みの原因となる異常がなくても歯が痛むことは珍しいことではなく、「非歯原性歯痛」や「非定型歯痛」などがそれに該当します。

このような痛みに対しては歯の治療を繰り返しても効果が期待できないばかりか、痛みのある歯を抜いたとしても痛みがなくなるとは限りません。却って悪化する恐れすらあります。

非歯原性歯痛に対しては、原因の究明より痛みの緩和に重点を置くことになります。とはいえ原因が無いわけではなく、筋・筋膜性疼痛や神経障害性疼痛、ヘルペスウィルスに関係する痛み、頭蓋内の病変に由来する痛み、身体症状症などが挙げられます。ただし、中には原因不明の本態性疼痛もあります。

治療法としては、スプリント療法や薬物療法、心理療法で痛みの改善をはかります。アセトアミノフェン(商品名カロナール)は痛みに有効な薬のひとつではありますが、三環系抗うつ薬、抗けいれん薬、麻薬系鎮痛薬、漢方薬、局所麻酔薬、抗ウィルス薬が効果的であるとされています。

味を感じないという症状については亜鉛不足、ドライマウス、薬の副作用など幾つかの原因が考えられます。痛みの件も含めて、どのような問題が関連しているのかを調べたうえで、治療を進めていく必要があります。