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年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性 |
2014年4月23日 |
【相談者】2014年4月23日 女性N
初めて質問させて貰います。6日前に下の親知らずを抜歯して今も定期的に痛みが続き鎮痛剤がないと過ごせないのですが抜歯した際根っこが割れてしまいそれが神経の中に落ちたかもと言うことで紹介状を貰い口腔外科に回されました。
こないだ詳しい場所を確定するためにCTを撮り今週どうしていくかお話が聞けると思うのですが、この場合どんな治療になるのですか?日帰りの処置で行けますか?または入院でしょうか?
今も痛いのですがまたまた痛くなるのは不安です。ちなみに歯の欠片は落ちた事によって探されてしまった事により更に奥に入ったと病院ではいわれました。よろしくお願いします
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
折れた根の部分が、神経が走行する下顎管の空洞内に本当に入り込んだのかどうかについては、CTなどでよく確認する必要があるでしょう。その結果によって、今後の対応が決まります。親知らず抜歯後の痛みが続いているということですが、原因として次のような可能性があり対処法も異なります。
抜歯の際のダメージ歯の根が曲がっていると、抜歯の際に折れてしまうことがあります。親知らずが何度も痛んだとすると、根と骨の癒着によって折れた可能性も考えられます。折れた根を抜くのは難しいため周囲の骨を削る必要があったのでしょうが、当然のことながら骨を削ればダメージが大きくなり痛みやすくなります。また、残った根を奥に押し込む場合もありますが、抜歯によるダメージであれば自然治癒が見込めるため、特別な対応は不要です。
細菌感染親知らずが痛むということは、細菌感染が起こっていることを意味します。そんな時に親知らずを抜くと、抜歯後も感染による炎症と痛みが続きます。また持病や飲み薬、過労などにより抵抗力が落ちている場合も細菌感染が生じやすく、痛みが出るでしょう。従って、抜歯した部分の洗浄や抗生物質の使用が必要になります。
ドライソケット親知らずの抜歯後は骨の中に空洞ができて血餅という血の塊で覆われ、それが徐々に粘膜に変化して穴が閉鎖され治っていきます。ところが、過剰なうがいや下顎骨の血行不良により血餅ができず、骨がいつまでも露出した状態になる場合があります。これをドライソケットといい、治療法としては抜歯窩の再掻爬や保護床の使用が有効です。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性 |
2014年4月19日 |
【相談者】2014年4月19日 女性I
質問1
下顎、歯の付け根の内側が隆起数個。幼少期からあり。最近、外側にも増えた。内側も増えた。歯医者に行けば、放置で良いとのこと。しかし、気になる。舌が浮いた感じ(収まりが悪い)もある。治療法はありますか?どんな事をするのでしょうか?回答のほど、よろしくお願いします。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
幼少期から下顎にある隆起は、骨隆起という骨の膨らみであると推察します。骨隆起は腫瘍やのう胞、細菌感染による腫瘍とは異なり、骨そのものが膨らんでいて外骨症ともいいます。
骨隆起が発達して大きくなる原因は、歯ぎしりや食いしばりです。上下の歯を噛み合わす過度な力が顎に伝わることにより、顎の骨が反応して膨らむのです。
骨隆起に対しては歯ぎしりを緩和したり、食いしばらないよう注意することが重要です。歯ぎしりにはナイトガードという装置を作製し、就寝中に装着しておくと効果的です。
また多数の膨らみが生じる病気として神経線維腫症がありますが、その場合は下顎以外にも病変が生じること、膨らみが軟らかいことから区別できます。
【相談者】2014年4月24日 女性I
質問2
こんばんわ。骨隆起、外骨症は、増えない様にする方法しかないのでしょうか?歯ぎしりはしないのですが、食いしばりは、多い様に思います。突起が気になるのですが、手術的な方法はありますか?または、しない方がよいのでしょうか?度々の質問すみません。回答の程、宜しくお願いします。
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
食いしばりや歯ぎしりによる顎骨への刺激が骨を増大させます。食いしばりは注意すれば防げますが、力が入っていなくても上下の歯が接触しているだけで問題となります。これは無意識のうちに食いしばりにつながっていくからです。
既に骨が膨らんで突起状になっている部分は、手術で取り除く以外に方法はありません。粘膜を切開して剥離し、骨隆起部を歯科用ドリルで削除した後粘膜を縫合します。
【相談者】2014年4月26日 女性I
質問3
こんばんわ。その手術だと、暫く食事が困難なような…今は不快なだけなので、入れ歯などを装着する時など、手術が必要になるまて様子をみる事にします。ご回答ありがとうございました。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代 |
女性 |
2014年4月11日 |
【相談者】2014年4月11日 K
質問1
前歯 左上6番の根の治療についてです。3度目の歯根治療仲で、顕微鏡・ラバーダムをつかって 歯根の掃除と詰め物、仮歯をつけました。(1回の治療で)
その後歯ぐきに膿のできものができたので、歯根切除して、歯根のう胞(小指大)摘出手術をうけました。当日 抗生物質が処方されなかったので、翌日気がついて問い合わせたところ「今治療中で忙しいのに、がたがた言わないで」と先生に電話をきられてしまいました。
手術後ずうっと悪寒がしていたら、3日後に39度 発熱しました。腎盂炎を併発して微熱、だるさ、悪寒は40日続き やっと体調ももどりました。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
歯の根の治療、すなわち歯内療法を3回受けてもよくならず、歯根のう胞摘出術と歯根端切除を受けられたようですが、それにもかかわらず再発したということはかなり厳しい状況であると推察します。抜歯が唯一の治療法かもしれませんが、それ以外の方法を希望される場合は、再度の手術か歯内療法という選択肢になるでしょう。万一手術が身体に負担であれば、再度歯内療法を受けることになります。
直接患部を見ながら治療することができないため、歯内療法の中では難しいケースとなり、難症例の場合には特別な器材、例えば歯科用顕微鏡などが必要となります。このような歯内療法を得意とし、機材を揃えているのが歯内療法専門医です。一度日本歯内療法学会のホームページをご覧になり、受診先を検討されてはいかがでしょうか。
歯科治療は術後、数回傷確認にいき消毒、跡良好とのことでした。歯の型をとるという日に 腎盂炎の調子が悪く1回キャンセルしました。やっと体調もどったところ、又再発のようなので、歯科医は 再切開 といいますが、体調も悪いのに2か月で2ども そんなに手術ばかり・・・と本当に困っています。
他院受診といっても、良い病院がわからずにこまっています。千代田線、小田急線沿線丁寧に見てくださる先生がいればご紹介お願いいたします。
先ほど 歯根治療、歯根端切除のメールだしたものです。 歯根のう胞は小指大のもので、その時は切開して解決したと思いました。 最先端技術の歯根治療でも治らず、...
【相談者】2014年4月12日 K
質問2
早速の返信ありがとうございました。参考になりました。厚く御礼申し上げます。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性Y |
2014年4月8日 |
【相談者】2014年4月8日 女性Y
とても困っていますよろしくお願いします。2012年8月左下唇内の唾液腺種小さなものを切除しました。その後切除部から唇までの麻痺が出現し、少しは回復するもつらい感覚異常と唇が左に寄る顔面神経麻痺及び痙攣が出現しました。かなりの疲労と苦痛がある為現在精神科でレメロン、ソラナックス、デパケンRをもらって内服してますが。精神的なショックやあせり、また唇の苦痛と戦い日常生活も思うように送れず疲れています。
これは長い時間がかかり回復するものなのでしょうか?何かいい治療はあるのでしょうか?また似たような症例で抗精神薬を飲まずに経過するなど。どのよな経過をたどっていかれるのでしょう。子供も小さく出来れば薬を飲みたくないのが本音です。どうかご指導願います。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
下唇の腫瘍を摘出する際に周辺の感覚神経や運動神経が傷つき、感覚や動作に麻痺が生じたようですが、神経が傷つくと感覚異常が起こる場合もあります。
神経の損傷は手術には付きもので避けようがなく、術後2年近くが経過していることから、残念ながら傷ついた神経が元に戻る見込みは少ないでしょう。
一方感覚や運動の麻痺については、周囲の神経が伸びてきたり筋肉の働きが改善されると症状は軽減するかもしれません。ただし、全く変わらない可能性もあります。
感覚異常については、現在服用中の精神科の薬が効果を発揮するかもしれません。薬を使わないで自然によくなる可能性はゼロではありませんが、薬を飲んだ方が回復する確率は高いと推察します。ただし薬を飲んでも必ず治るとは限らないため、薬を飲まないという選択肢もあります。いずれにせよ、心理療法は症状を和らげる強い効果を持つためお勧めします。
【相談者】2014年3月30日 女性H
はじめまして、他院での話ですが、よろしくお願いします。去年の12月末日、歯の治療でレントゲンを撮ったら、違うところに虫歯が発見されて、麻酔が必要で治療をはじめました。
麻酔を打って数分で、気分が悪くなり動悸がして手足が冷たく、寒気も出てきて頭を起こすとさらにしんどくなりました。先生はしばらくしたら落ち着くから大丈夫と言われて10分くらい横になっていましたが、改善せず、治療を中断してとりあえずかぶせてある所をうめて、後日体調が良くなったら予約して下さいと言われて終わりました。
翌日にはかぶせがとれてしまったのですが、風邪もひいていたようでそのまま元気になってから行こうと様子をみていたら、花粉症の季節に入りずっと体調がよくなくてそのままにしてました。それにまた麻酔をしてその時みたいに気分が悪くなると思うと恐くなってなかなか行けず、相談もできませんでした。いままで虫歯治療をしていて麻酔もよく使いましたが、こんなのははじめてです。これは麻酔薬のアレルギーですか?今後麻酔が必要な治療はどうしたらいいですか?
それと、花粉症で耳鼻科よりショウセイリュウトウとプランカスト1回2錠朝夕・アラミスト点鼻薬・エピナスチン眠前1錠を内服中ですが、3月28日の夕方からポタポタと鼻水と微熱がでて昨日の土曜日に耳鼻科受診したら、風邪も併発していると言われクラリスロマイシン200mg1回1錠1日2回とショウセイリュウトウが開始になりました。
夜8時くらになって熱が38.4に上がり徐々に治療途中の歯が痛くなってきました。もしかして治療途中のところをふさいでいないから、バイキンが入ったのでしょうか?急に上がった熱の原因はここにあると考えられますか?こういう状態ですが、ひぐち歯科さんでもみてもらえますか?
ちなみに検査にてインフルエンザはマイナスです。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
麻酔薬のアレルギーから動悸や眩暈などが生じる場合もありますが、痛みや緊張がこのような状態を引き起こす可能性もあります。また麻酔にも種類があるため、種類の違いや体調の変化なども関係しているかもしれません。
鼻水と微熱については、虫歯の状態を直接診ていないので何とも言えませんが、風邪を引いて全身の免疫力が低下し風邪による歯痛が生じた疑いはあります。
もちろん当院でも診療は可能ですが、まずは以前かかられた歯科に相談されることをお勧めします。そこで使用した麻酔の種類や当時の状況を考慮した上で別の麻酔を行うか、通常の方法が合わない場合は、より安全性を確保できる病院へ紹介してもらえるはずです。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代 |
女性
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2014年3月17日 |
質問
2年前に耳の前付近の痛みが続いた時に、樋口先生にご相談して夜中の食いしばりが原因とわかり、マウスガードの使用でお陰様で、たまに痛みがあるくらいでおりました。ところが十日前に整形外科で受けた首の牽引の最中に、耳の前付近にずっと違和感があり、やばいかなーと不安になりました。その後も以前より痛みが気になったり、口をしばらく開けていると痛くなってきます。顎に悪いことが起きたのか、自然に治っていくのか、ひやすのと温めるのとどちらが良いか、牽引はやめた方がよいのかなど、よろしくお願い致します。
回答
整形外科での首の牽引により頸椎の変位や近接、頸髄への圧迫による症状が改善します。ただし下顎を頭頂方向へ牽引することは頸髄への負担を軽くする効果がある一方、顎関節に対しては悪影響が生じる場合もあります。
顎関節についても、圧迫される方向に偏位すると痛みや雑音、開口障害が起こる可能性があります。下顎を頭頂方向に牽引するという行為は顎関節を圧迫することになるため、下顎を下方や前方に動かす体操をすることにより、顎関節の関節腔が拡がって症状が改善します。
牽引により耳前方にある顎関節の違和感や痛みが生じたのであれば、牽引の強さの変更もしくは中止を検討された方がよいでしょう。首の症状も考慮する必要があるため、整形外科の先生とよく相談されることをお勧めします。
また、顎関節周辺の痛みが顎関節症による場合は、安静にすることで強い痛みは軽減するはずです。強い痛みに対しては冷却し、鈍い痛みは顎関節を動かす体操を行って温めると効果的です。
顎関節の痛みイコール顎関節症とは限りません。顎関節の細菌感染による炎症性顎関節炎や骨の亀裂などによる外傷性顎関節炎、外耳炎、副鼻腔炎、副咽頭隙の細菌感染や腫瘍、舌咽神経痛など、他の可能性も考えられます。一度、歯科か口腔外科を受診されることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性
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2014年3月14日 |
質問1
上顎の歯が痛み出してから数年経ちます。その後、目の奥の痛みを伴い、顔面痛を発症しております。現在、食い縛りもあるので、ナイトガードを装着していますが、仕事や運転をすると、必ず左側の目、歯、顔面が痛くなり、痛み止を飲んで休むの繰返しです。
以前顎関節手術、網膜剥離手術をしており、眼科、歯科に通院していますが、原因がわかりません。歯科の先生は、三叉神経の可能性を指摘され、脳神経を診察してみてはどうかとのご意見です。
大学病院で検査、治療をしないといけないのか、どこの科に行けば痛みがとれるのか、悩んでおります。
回答
上顎の歯の痛みがあることから虫歯や歯周病、歯根破折、根尖病変、骨髄炎などの可能性が考えられます。また、目の奥の痛みは緑内障、視神経炎、眼精疲労など目の病気の可能性が疑われます。
しかしながら歯科や眼科で原因不明と判断された場合は、上記の病気は該当しないのでしょう。三叉神経痛は瞬間的な激痛が特徴ですが、痛みは短時間で消失します。一定時間痛みが持続するのであれば、三叉神経痛の痛みではなさそうです。
ご相談の内容から、上顎や眼球の近くにある上顎洞や節骨洞、蝶形骨洞などの副鼻腔に炎症が生じる副鼻腔炎の可能性が考えられます。一度、耳鼻咽喉科を受診されることをお勧めします。
一方、食いしばりがあると上顎や眼球に痛みが起こる場合があります。夜間はナイトガードを装着されているようですが、日中の食いしばりについても注意が必要です。
片頭痛や群発頭痛は目の奥や上顎に痛みを感じる場合がよくあることに加え、脳腫瘍や脳卒中による痛みの可能性もあります。診療科は神経内科や脳神経外科となりますが、MRIやCTが設置されている病院であれば、必ずしも大学病院を受診する必要はないでしょう。
【相談者】2014年3月13日 男性U
質問1
お忙しい中、すみません。私は3年前にあまりの歯に痛み総合病院の口腔外科にて診断で、上顎の右6番の歯を抜き安心していましたがましたが、しかし隣の上顎7番が痛み、あちらこちらの歯科・口腔外科、更にはペインクリニックを紹介され医療行為を受けましたが全く痛みがひきません。痛みは100とした場合70~85からという感じです。
現在はどうしようもないので痛みと付き合っています。更には私心療内科で双曲性障害と診断され現在も月1通っています。
何か利くお薬等は無いのでしょうか。また、あれば何ミリから始めたよいのでしょうか因みに以前にジェイゾロフト25mgをされたことがありました。現在は別の別の薬に変更さております。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
左側上顎大臼歯の痛みが続き、検査を行っても歯や歯肉、顎骨に異常が見当たらない場合は「非歯原性歯痛」ということになります。
非歯原性歯痛の原因は多種多様ですが、最も出現頻度の高いケースは食いしばりや歯ぎしりによって引き起こされる筋.・筋膜痛です。また歯や歯の神経を抜くことで神経が傷つき、痛みが持続する神経障害性疼痛の他、副鼻腔炎や脳腫瘍、狭心症、片頭痛、群発頭痛、疼痛性障害や本能性疼痛の場合も歯痛は生じます。
双極性障害に罹っているのですね。痛みはうつ病相の身体症状として現れる場合もありますが、精神安定剤による治療で双極性障害が改善すれば痛みはなくなる可能性があります。
神経障害性疼痛や機能性頭痛、疼痛性障害、本能性疼痛に対しては三環系抗うつ剤が有効ですが、双極性障害では躁病相を悪化させる恐れがあるため難しいでしょう。
また、抗うつ剤の他にも慢性的な痛みに対しては抗けいれん薬や麻薬性鎮痛剤、アセトアミノフェン、漢方薬なども効果がある他、局所麻酔薬の塗布やトリガーポイント注射、はり治療、認知行動療法などの治療法もあります。
一般的に薬は最少量からスタートし、症状の変化を観察しながら徐々に増量していきますが、時には複数の薬や治療を組み合わせる場合もあります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
70代 |
女性
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2014年3月4日 |
質問1
1月上旬から2カ月間、硬口蓋の強い痛みが続いております。前歯中央の裏側、およびその左後方のデコボコ感が大きくなり、やや腫れたような感じで痛みが出ました。現在は、痛む場所が拡大し(硬口蓋前方部)、毎日痛くてたまりません。食事時は比較的痛みが無かったのですが、現在は、酸っぱいもの、熱めのものなどで痛みが強まります。痛みは、ヒリヒリとしたものです。(カンジタ菌によるものではありません)
私はシェーグレン症候群でドライマウスがあり、それが影響していると思います。ドライマウス用のうがい薬や塗り薬でも痛みが増します。とにかく、痛みが無くなるような対応が無いでしょうか。よろしくお願い致します。
回答
痛みは大きく3つに分類することができます。ひとつ目は粘膜が傷ついたり、口内炎などにより粘膜に異常が発生することによる最も一般的な痛みで、「侵害受容性疼痛」といいます。二つ目は外傷などで神経が傷ついたり、神経自体の異常によって生じる三叉神経痛の痛みなどで、これを「神経障害性疼痛」といいます。そして三つ目は、粘膜にも神経にも異常が見られない「心因性疼痛」ということになります。
今回は外傷による神経損傷や三叉神経痛のような発作的な痛みではないことから、神経障害性疼痛ではなさそうですね。食事がしみて痛むことから、粘膜の異常による侵害受容性疼痛の可能性が高いといえそうです。
粘膜の異常には口内炎、扁平苔癬、カンジダ症、ドライマウス、亜鉛欠乏症などがありますが、切歯乳頭から口蓋皺襞にかけてこのような粘膜の異常が生じていると推察します。
原因を究明した上で根本的な治療を行うのがベストですが、原因がわからない場合や判明していても取り除けないケースもあります。そのような場合は軟膏やうがい薬、鎮痛剤の内服などにより痛みを緩和する対症療法を行います。また、口蓋保護床というマウスピースのような装置を作り、食事中に使用する方法もあります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
60代 |
男性th |
2014年3月2日 |
【相談者】2014年3月2日 男性th
質問1
ここの相談にあった【相談者】2012年10月14日 女性YT身体表現性障害で11年位とその後舌痛症になって3年位。今心療内科にかかっています。起きている間はずっと舌がビリビリしています。食べ物が歯にくっつき食べるのに時間がかかると相談のあった方とまったく同じ症状で歯科にかかり医者に話したら嚥下障害だから樋口先生の回答にあるような舌接触補助床を作製したらどうかと言われました。
それは入れ歯のようにずっとつけていなければならないでしょうか。このような症状に対して効果があったという事例はあるのでしょうか。また保険は使え得るのでしょうか。 よろしくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
食事の際に舌がピリピリするのは、舌炎など粘膜の異常が疑われます。しかし、一日中ピリピリしている場合は粘膜表面ではなく、舌の知覚や痛覚を司る神経の問題である可能性が高いと推察します。このようなピリピリ感は舌痛症の典型的な症状です。
舌接触補助床の装置を入れると、舌と口蓋の間に生じる空間を封鎖することが可能となります。その結果、口蓋の粘膜に食物が付着して残るという事態を防止することができることに加え、舌の筋力が低下して舌がうまく上がらない場合もこの装置で対応できます。
舌接触保護床は摂食機能障害があり、摂食機能療法を受けている場合は保険を適用して作製できますが、摂食機能障害があれば誰でも摂食機能療法を受けられるわけではありません。発達障害、顎切除及び舌切除の手術、または脳血管障害等による後遺症により摂食機能に障害がある場合に限定されているため注意が必要です。