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口腔外科無料相談室



下唇正中部に幅約1ミリ位の線が通っています

年齢 性別 相談日

30代

女性

2023年1月20日

質問1

すみません、本日たまたまこちらのサイトの、下唇の細長くて白い病変という質問項目を拝見したのですが、私も下唇に白い線があり、これは原因は何なのだろうと過ごしてきました。

上記の方とは違い、私の白い線は生まれつきで、下唇の真ん中(歓口門と言われるところ)にしっかりと幅約1ミリ位の線が通っております。地の唇の赤色の間に筋張って凸起したようになってます(唇の上に凧糸が通ってるみたいな感じです)。

ごくたまに私とおなじ箇所に白い線がある人がその悩みを写真付きでインターネットに掲載してる人もおり(私ほどくっきりはしてないですが)非常に少数の生まれつきの何かの異常なのかとは考えられるのですが、これは一体何が原因なのか、お分かりになりますでしょうか?

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

下唇を含め、ヒトの顔面形態は胎児期に形成されます。下唇は左右の下顎突起から分かれて発生し、その後癒合して一つの下唇となります。真ん中(正中部)の部分にある幅約1ミリ位の線については、癒合した際に生じた可能性があります。他の癒合時の異常には、先天性下唇瘻、下唇裂、ファンデルヴォウデ(Van der Woude)症候群などがあります。

 

親知らずの抜歯後左側の舌に痺れと痛みが残りました

年齢 性別 相談日

20代

女性

2023年1月4日

質問1

11/30に二回法2回目で左下顎親知らずの抜歯後左側の舌に痺れと痛みが残りました。最初は麻酔の切れが悪くまだ痺れてるなと思っていたのですが治らずその後刺すようなピリピリ感があり何もしなくても常に痛く感覚はあるが正常ではない感じでした。2週間後からメチコバールを1ヶ月分処方され飲んでいます。1ヶ月過ぎた現在まだヒリヒリ、ピリピリ感が若干ありますが痛みは食事ができるくらいかなり良くなりました。(熱い物、炭酸、歯磨き粉、味の濃い物などは痛くなる)しかし痛みが減ったら唾を飲み込んだ時や会話時に舌の裏側や付け根に違和感(つっぱり感や異物感)を感じるようになったり舌を出して上に上げると舌表面が痛むのです。その事を本日診察で伝えた所、味覚や感覚が敏感になっている為神経麻痺ではない。奥歯が舌側に傾いている為ではないかという方向になっています。また追加の薬は出なく、1ヶ月後まで様子見です。抜歯当日縫合前の洗浄時に一部痛かった事も聞いたのですが骨が痛かったのだろうとの事でした。診断がはっきりしないので今何が起こっているのかも分からず不安です。どうしたら良いでしょうか?

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

左下顎の親知らずを2回に分けて抜歯され、2回目の手術時に親知らずの内側(舌側)のすぐ近くを走行する舌神経が傷ついたようですね。抜歯後の痺れやヒリヒリ感、ピリピリ感は舌神経の損傷によって生じた症状であると推察します。

1か月が経過して、痺れなどの症状が軽減してきたのは舌神経が損傷から回復してきたのでしょう。問題は、新たに生じた舌のツッパリ感や痛みです。担当医の推測の通りかもしれませんが、他の問題が潜んでいる可能性も否定できません。抜歯終了間際の痛みは麻酔切れによるもので、おそらく舌の症状とは無関係でしょう。

まずは、現在の不安な心情を改めて担当の先生に伝えることをお勧めします。説明を受けたうえで、神経麻痺の専門の先生を紹介してもらうとよいでしょう。

質問2

早々にご回答頂きありがとうございます。やはり舌神経を触った可能性があったのですね。通っている歯科は院長が神経麻痺に詳しい方らしく抜歯2週間後に1回院長にも診てもらっていて診察、CTからみて一過性のものだろうとは言われたことがあります。少しずつマシにはなってきている気はするのでもう少し様子を見て治らなければ今一度担当医に伝えてみようと思います。一人で悩んでいた為先生のご意見を伺えて良かったです。ありがとうございました。

口内にできたコンジローマ

年齢 性別 相談日

30代

男性

2022年12月26日

質問1

初めまして。口内にできたコンジローマ(病理検査済み)の治療中なのですが最近子供にも似た症状が出ていて、もしかするとうつしてしまったかもしれないと不安になっています。現在気になっている事を箇条書きにしてみましたのでどうかお答えいただけないでしょうか。

・喉に移行する事はないのか。(→咽頭がんのリスクも?)
・舌にできてたらどんな治療になるのか。
・再発した時分かるように定期的に通うとしてどれくらいの周期でいけば良いか。
・口内は何を持って完治なのか。
(口内拭ってウイルス検査とかでは分からないのか)
・そもそも食べ物や飲み物のシェアでうつるのか
・完治したら人とキスとかしていいのか

お忙しいとは思いますが何卒よろしくお願いいたします。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

コンジローマとは、ヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス、HPV)の感染により性器周辺や肛門周辺にできるいぼ状の腫瘍です。HPV感染により口の中にできた同様の腫瘍は乳頭腫と称します。病理検査済みであれば既に腫瘍は摘出されたのでしょうが、乳頭腫がなくなってもHPVの感染が続いている場合は再発したり人に移したりする可能性があります。

・喉に移行する事はないのか。(→咽頭がんのリスクも?)
のどに乳頭腫が生じ、がん化する可能性があります。

・舌にできてたらどんな治療になるのか。
舌にできた病変は摘出することになります。

・再発した時分かるように定期的に通うとしてどれくらいの周期でいけば良いか。
3か月から6か月の周期をお勧めします。

・口内は何を持って完治なのか。
(口内拭ってウイルス検査とかでは分からないのか)
現在のところHPVを治す方法はありませんが、乳頭腫のない状態が続けば完治と考えてよいでしょう。

・そもそも食べ物や飲み物のシェアでうつるのか
その可能性はほとんどないでしょう。

・完治したら人とキスとかしていいのか
完治すれば大丈夫です。

質問2

お忙しい時期にも関わらずお返事をいただき本当にありがとうございます。いただいた情報を参考に今後の様子を見ていきたいと思います。またご質問させていただくことがあるかもしれませんが、何卒よろしくお願いいたします。

歯磨きをすると舌がヒリヒリします

年齢 性別 相談日

40代

男性

2022年12月5日

質問1

今、口腔外科に通っていて薬を飲んでてほぼ治ったよと言われたのですが歯磨きをすると舌がヒリヒリするのです。今までは小中学生用の歯磨き粉を使っていたのですが大人用だけヒリヒリします。慣れてないのか完全に治ってないのかどうなんでしょう?

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

慣れていないのか、完全には治っていないのかというご質問ですが、ほぼ治ったもののまだ完治していない状態であると推察します。治療前からの舌の荒れが続いているのでしょう。

舌がヒリヒリする、歯磨き粉によってヒリヒリするという点から、歯磨き粉の成分が舌粘膜を刺激している可能性があります。歯磨き粉には多くの成分が含まれ、洗浄作用や殺菌作用などにより歯をきれいにする一方、舌粘膜を刺激するという一面もあります。

小中学生用の歯磨き粉では症状が出ず、大人用では症状が出るということから、大人用に含有されている何らかの成分が問題を起こしていると考えられます。歯磨き粉の成分は商品によって異なりますが、成分一覧を比較することによりヒリヒリ感の原因となる成分を突き止められるはずです。

しかしながら、原因となる成分が分かったところで大人用の歯磨き粉からその成分を取り除くことはできないため、解決にはつながりません。現状ではそのまま小中学生用の歯磨き粉を使うことが得策かもしれません。

質問2

詳しく教えてもらいありがとうございます。処方された薬を飲みながら小中学生用の歯磨き粉を使います。

鼻口蓋管嚢胞を摘出について

年齢 性別 相談日

20代

男性

2022年12月1日

質問1

今年の10月頃に鼻口蓋管嚢胞と診断されました。現在、過去共に症状ま全くないのですが、放置しても治ることはないと言われ、摘出手術を行うか迷っています。ネットで調べたら手術の際に神経を損傷してしまい、術後麻痺が残ってしまうなどの記事を見かけたので、かなり不安です。病院の先生は恐らく問題はないと仰っているのですが、複数の方の意見を聞きたくてご質問させていただきました。

具体的な質問としましては、
①症状がない場合、鼻口蓋管嚢胞を放置するケースはあるのでしょうか。
②摘出手術を行った際に麻痺などの後遺症が残る場合は結構あるのでしょうか。
③手術自体は難しいものなのでしょうか。

嚢胞の位置や大きさにもよるとは思いますが、ご回答よろしくお願いいたします。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

鼻口蓋神経は上顎神経(三叉神経第Ⅱ枝)の枝の1つで、口蓋前方部に分布して口蓋粘膜の知覚を脳に伝える働きがあります。上顎神経は上顎の骨の中を通り、その枝である鼻口蓋神経は鼻口蓋管という管を通って口蓋の前方部の粘膜下に出てきますが、この鼻口蓋管に袋状の嚢胞ができるのが鼻口蓋管嚢胞です。

鼻口蓋管嚢胞は徐々に大きくなるため摘出手術を行いますが、大きくなるスピードには個人差があるため、症状がない場合は放置されることもあります。放置していても症状が現れない限りは問題ないでしょう。

鼻口蓋管嚢胞を摘出すると鼻口蓋神経が切断され、口蓋前方部の知覚が麻痺します。幸い鼻口蓋管嚢胞は口蓋の後方部から伸びてくる大口蓋神経と吻合(連絡)してループを形成しているため、鼻口蓋神経が切断されると、大口蓋神経が徐々に伸びて口蓋前方部の知覚が回復していきます。そのため、しばらく我慢することにより麻痺は改善されます。

鼻口蓋管嚢胞の手術については、口腔外科の手術の中では比較的容易な手術と言えるでしょう。

質問2

すごく丁寧に答えていただきありがとうございました。不安だったのですが、先生の意見を聞いて安心しました。本当にありがとうございます。

歯もあごも常に痛くてまともに食事も日常生活もできてません

年齢 性別 相談日

40代

男性

2022年11月23日

質問1

幼少期から顎変形症、開口障害、食べ物を噛めない症状があったが手術、矯正せずに過ごしてきました。4年前に奥歯が欠けたことで矯正のみで改善を試み4年弱装置をつけて先月フィックス保定装置をつけました。しかし、2~3年前から体調不良がはじまり1年前ころから、顎関節症の痛みが増強し、偏頭痛も強く緊張性頭痛もあり、毎日首肩こり、背中のこり、頭痛、お腹の動きが悪く痛みに苛まれ仕事もできなくなり、1日のほとんどをベッドで過ごしてます。痛み止めも効きません。一般医からは、痛みも含め消耗が強くて代謝異常、自律神経調節障害の状態と。症状としては、線維筋痛症や慢性疲労症候群の診断基準にほぼ該当します。動くことができないので受診も困難な状態です。現在も歯もあごも常に痛くて食事をすると痛みが増強し、まともに食事も日常生活もできてません。24時間365日痛すぎて辛いです。歯科医に伝えましたが、顎関節症の治療をすればいいから、結局痛みに対しては様子観察を強いられ、放置されてます。全身状態や痛みの大きさに対して理解は乏しい印象です。一般医は、痛みが代謝異常を起こしエネルギーが枯渇してると断してくれましたが、治療となると難しく漢方と痛み止めの処方となってます。

どこに行けば全身状態を正しく診断し回復するよう痛みをとりのぞく治療をしてもらえるのでしょうか。痛みがある上に痛みや負担の大きい矯正治療や顎関節症をしたら、身体が壊れてしまうと本能的に認識しています。

以前より歯並びもかみ合わせもよくなったものの、つねに痛みがあり、歯と歯が触れるだけても、激しく痛み、食事すると事態もこんなに苦痛を伴うなら、矯正しなければよかったと後悔してます。

回復するための対処、受診すべきところなどなにか解決する方法があったら教えてください

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

顎関節や歯痛に対する治療により、痛みが改善できるのではないかと推察します。一般的な歯科治療で改善する見込みがない場合は、口腔顔面痛や痛覚変調性疼痛といった状態かもしれません。

上記の場合はリハビリテーション、心理療法、薬物療法などを組み合わせて治療を進めていく必要があります。顎関節や歯の診察に加え、このような治療を受けられる医療機関を受診されることをお勧めします。全国各地に厚生労働省指定の疼痛に対応する病院があります。下記をご参照ください。

itami-net.or.jp/

質問2

早々にお返事ありがとうございます。慢性疼痛のセンターご紹介ありがとうございます。
参考にさせていただきます。ですがもはや受診することで体力消耗し、倒れるだろうという状態まで悪化してます。昨日も全身の痛みに加え生理痛が生じかなりの冷や汗とともに脱力感意識朦朧とし、倒れる寸前でした。

顎関節症の痛みが1年以上続いていて悪化傾向のなか、ワイヤー矯正を引っ張り続け3年9か月やりました。その間に痛みは激痛になり群発頭痛や全身に広がり、そして慢性疲労症候群、線維筋痛症といえる症状もでてます。つまり、この治療により長期侵襲に伴う生体反応でタンパク異化が行進し血糖、血圧、体温など調節障害がおきて日常生活が困難であるということなら説明がつくのです。痛みは顔面だけではありません。

生体侵襲は長期化すればするほど全身状態が悪くなりあらゆる臓器障害が生じるはずです。歯科領域も一般外科と同様の侵襲のある治療をしているはずですが、生体侵襲による全身状態悪化や侵襲由来の合併症への予防なく、歯科治療を優先するのでしょうか。

ワイヤー装置が根本的に原因でも、蓄積された痛みによる内科的疾患が発症してしまったいま、ワイヤーをはずせば全て解決するとはなりませんでした。ワイヤーの負担が取れれば大丈夫といわれ、期待していましたがいまのところ蓄積した痛みによる症状があるうえに、痛みを伴う治療(かみ合わせの変化で詰め物がとれたり、こまかなかみ合わせ調節など)を加えられ悪化してます。必要な治療なのはわかりますが、痛みをとることを優先せず侵襲をさらに加えるのは、全身状態としては悪化するのは当然とおもいます。このまま痛みを配慮してもらえず歯科治療をつづけたら、難病診断確定で社会復帰は望めないほど進行する予感が体の反応から感じるのです。

それでも顎関節症の治療をすればよくなるというならば、いまだ顎関節症の治療に着手してもらえないのは患者の立場としては理解困難です。矯正して食事もとれない日々が現在まで4年続いていて全身状態が悪くなったいま、矯正してよかったねと主治医(虫歯の歯医者に)いわれましたが、かみ合わせができても、痛くて噛めなくて毎日つらくて栄養も全身状態もわるいのにかみ合わせがよくなってよかったなんておもえません。歯医者さんが、歯という局所しか考えてないから全身状態が悪くなって社会的死(体調不良になったことで仕事ができなくなったこと)をむかえてるのに、よかったことと評価を押し付けられてよら辛い気持ちです。わたしとしては歯だけではなく、いまの全身状態を理解してほしかった。そのうえで痛みをとる治療を優先してほしかった。でも勇気をもって現状伝えたけど理解してもらえませんでした。

ただ、かみ合わせがよくなることだけに価値を持ってる様子でした。多額の治療費も支払っているのでこれからどう対応したらいいのか、何を伝えたらいいのか、どうやったら、全身状態と矯正治療による顎関節症の悪化の影響を関連させて身体を見てくれるところに受診できるのか。アドバイスをもらえますか?

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

歯列矯正治療が痛みや体調悪化の引き金になった点は理解できますが、 歯列矯正治療が原因で痛みや体調悪化が生じたとは考えられません。矯正治療によりそのような症状が生じることは極めてまれで、因果関係を求める合理性がありません。年余の歯列矯正治療の期間中、別の何らかの原因から痛みや体調悪化が生じたと推察します。

したがって、まずは原因究明が先決です。いくら調べても痛みや体調悪化の原因が見つからない場合は 症状を緩和するための治療を行うことになります。具体的には心理療法、薬物療法、リハビリテーション、ブロック注射、運動、栄養、睡眠の改善、生活環境瘀や人間関係の調整などが挙げられ、それぞれの分野の専門家が治療を行います。

下歯槽神経損傷による腫れと痛み

年齢 性別 相談日

40代

女性

2022年11月7日

質問1

2年半前に局麻で智歯抜歯の際、オトガイ神経を損傷され抜歯を中断しました。そこで抜歯後感染で骨髄炎になってしまい、後日、全麻で残りの歯の抜歯と骨髄炎の手術をしました。

しかし膿が取りきれておらず別歯科で再び骨髄炎と診断され再手術をしました。ここまでの間に服薬やレーザーなどの治療もしています。

その後、麻痺の痛みが収まらず別の歯科で更に3回目の骨髄炎と診断されました。腐骨が下歯槽神経を巻き込んで損傷してるのに前回の再手術でもきちんと取りきれててない、との事でした。

そして別歯科で顎骨から骨髄ごと除去する骨髄炎の手術と下歯槽神経の縫合手術をしました。手術後、下歯槽神経の縫合をした事により顔の圧迫感はマシになりましたが最初のオトガイ神経損傷部分の痛みはきつく、下唇の内側に神経が浮き出て腫れています。

この痛みを少しでもマシにしたいのですが浮き出てる神経はどうする事もできないでしょうか。大学病院や口腔外科、神経内科、麻酔科、計20軒近くの病院で診察しましたが「ややこしい案件なので関わりたくない」という様子でした。

オトガイ神経の腫れをどうにかする方法などありましたらご教授の程よろしくお願い致します。長文失礼しました。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

下顎智歯(親知らず)を抜歯する際に、 智歯に近接して下顎骨内を走行している下歯槽神経が傷ついてしまうことがあります。オトガイ神経は下歯槽神経の末端の枝の1つで、下顎骨内を走行していた歯槽神経が、下顎小臼歯部から外側(頬側)に出る部分から先をオトガイ神経といいます。オトガイ神経はその後下唇に分布します。

下歯槽神経が障害されると歯や歯肉、下唇にしびれや痛みが生じますが、特に下唇のしびれや痛みが顕著といえます。このような痛みを神経障害性疼痛といい、この痛みに対しては抗うつ薬や抗けいれん薬を第一選択薬として使用します。腫れを取るためには漢方薬(五苓散、桂枝加朮附湯)の服用が効果的かもしれません。

質問2

ご返信いただきありがとうございます。アロディニアと診断され、その漢方薬もそれ以外の漢方薬も何種類か試したのですが効果がありませんでした。鍼治療も効果なしでした。

骨髄炎によるvincent症状の麻痺は下歯槽神経の手術により軽快しましたがオトガイ損傷による麻痺は増幅しています。下歯槽神経とオトガイ神経はつながっているのに、手術は下歯槽神経のみに効果が有りオトガイ神経には効果が無かった、という事でしょうか。

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

vincent症状は骨髄炎により下歯槽神経が損傷し、下唇部の知覚鈍麻が生じる現象です。下歯槽神経に対する手術により、下歯槽神経の枝であるオトガイ神経の感覚が正常化したのでしょう。

「vincent症状の麻痺」と「オトガイ損傷による麻痺」は同じ症状を指すはずですが、異なる症状として感じられていることに疑問をおぼえます。下歯槽神経とオトガイ神経はつながっているため、下歯槽神経の手術によりオトガイ神経の症状も改善していると考えられます。

前回も書きましたが、親知らずの抜歯により離れているオトガイ神経が傷ついた理由については医学的見地から説明が不可能です。

質問3

なぜ抜歯から離れているオトガイを損傷したかについては下歯槽神経を損傷したから末端のオトガイまで損傷してるのだと思いますが、なぜ下歯槽神経は改善したのにオトガイは改善しないのかについて、下歯槽神経の縫合手術で一旦損傷部分を切除して人工神経に置き換えてますがそれは関係ありますでしょうか。

【回答3】口腔外科総合研究所 樋口均也

「 下歯槽神経を損傷したから末端のオトガイまで損傷している 」とのお考えは、その通りでしょう。傷ついたのは下歯槽神経であり、その影響がオトガイ部にまで波及し、強い症状が現れやすいのがオトガイ部です。

「 下歯槽神経の縫合手術で一旦損傷部分を切除して人工神経に置き換えて 」いて、「顔の圧迫感」や「vincent症状の麻痺」は軽減したということなので、オトガイ部の症状が改善しても不自然ではありません。手術の効果が限定的で、オトガイ部も含めて下歯槽神経全体に損傷からの回復が十分な状態に至っていないと推察します。

謝辞 2022年11月9日
お忙しいところ長い質問にお付き合い頂きありがとうございました。感謝申し上げます。

口の中がヒリヒリし、常時ぬるぬるします

年齢 性別 相談日

60代

女性

2022年11月6日

質問1

4、5年前から時々口の中がヒリヒリするようになりました。口に何か入っていると感じないです。その状態が半年くらい前からひどくなり、最近は口が常時ぬるぬるしていて眠ることも出来ない状態です。

歯磨きやうがい薬でうがいをしてもすぐに戻ってしまいます。食事の味は普通にわかります。口の症状以外にも慢性腰痛や自律神経の乱れがあり、心療内科にかかっています。抗うつ薬のミルタザピン15㎎を処方されていますが、口のことを相談してもこれ以上増やさない方がいいと言われました。

しかしながら、口のせいで精神的におかしくなりそうです。何とかならないでしょうか。宜しくお願いいたします。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

「口の中がヒリヒリする」「口が常時ぬるぬるしている」という問題に対して、まずは口の中で何が生じているのかを確認する必要があります。

口の中のヒリヒリ感にはいくつかの原因があります。粘膜が荒れている、カンジダ菌の繁殖、細菌感染、亜鉛や鉄の不足、歯や入れ歯などの影響による粘膜の傷、歯ぎしりや食いしばりによる粘膜の傷、感覚の異常などが考えられます。従って、どのような問題があるのかを調べ、その問題に対応する必要があります。

口の中がヌルヌルするのは粘稠な唾液が出ている、唾液の出が少ない、唾液の蒸発量が多い、感覚の異常などの問題が生じている可能性があり、ドライマウス、緊張、ストレス、口呼吸が関連している可能性もあります。こちらについてもどのような問題があるのかを調べ、その問題に対応する必要があります。

質問2

先日は早速ご丁寧なお返事をいただき有り難うございました。先生の仰るように、一度ちゃんと調べてもらわないといけないと思いますが、かかりつけの歯科は口腔外科はありません。一般の歯科でも唾液検査などはしてもらえるのでしょうか。口腔外科のある歯科または総合病院に行かないといけないのでしょうか。

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

ドライマウス研究会のホームページの「医療従事者リスト」をご参照ください。

drymouth-society.jp/list.html

このリストに掲載されている歯科医院であれば、唾液の検査を受けることが可能です。

左下の親知らずの抜歯後に生じたしこり

年齢 性別 相談日

20代

女性

2022年10月9日

質問

9ヶ月前に静脈内鎮静法にて左下の親知らずを抜歯しました。抜歯後、腫れは数日で治ったのですが、頬に硬いしこりがのこりました。歯科医にも相談しましたが、経過観察と言われました。9ヶ月経った今もしこりは治っていません。エラよりも少し前側にしこりはあります。最近は頬に盛り上がりができてきて、アザのような色もしています。顔なので目立ってしまうので、このまま治らないのではないかと考えるととても不安です。どうしたらよいでしょうか。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

左下親知らずの抜歯後に生じたしこりの原因について、いくつかの可能性が考えられます。

抜歯時の粘膜切開によって抜歯後に細菌感染が生じると切開した部分が腫れて硬化し、しこりのようになる場合があります。抜歯時の歯の分割においても、歯のかけらが外側の部分に残って埋まってしまうとしこり化する可能性があります。また、切開後の傷口が元通りに治りきらず、線維化して瘢痕組織が生じる可能性があります。

今回は頬の皮膚がアザのような色調を帯びていることから、古くなった血種(血豆)が残存している可能性が最も高いと推察します。

上記のいずれに該当する場合でも、口腔粘膜を切開してしこりの部分を取り除く必要があります。

舌苔があっても口臭をなくすことはできるのでしょうか

年齢 性別 相談日

20代

男性

2022年10月31日

質問

舌苔があっても口臭をなくすことはできるのでしょうか?口臭治療で全く改善されない方もいますか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

舌苔は舌の表面の白い(ときには黄色い)付着物です。飲食物、細菌、唾液、血液、剝離上皮が混じり合ってできたもので、中で繁殖する細菌が口臭に関与します。従って、分厚い病的な舌苔が舌表面に付着している場合は、 口臭を改善するための何らかの対処が必要となります。

当院の口臭外来では、このような病的な舌苔への対応を行っています。厚過ぎる舌苔は病的と言えますが、本来薄い舌苔が付着している状態が健康で、舌苔がない状態が病的なのです。上記の観点から、分厚い病的な舌苔を健康な薄い舌苔に変えることが治療の目的です。

さて、最初の質問の舌苔があっても口臭をなくすことは可能か、という問いに対しては「薄い健康な舌苔があっても口臭をなくすことはできる」という回答となります。また、「口臭治療で全く改善されない方」はゼロではありませんが、多くの方は治療により改善されていきます。