質問
3ヶ月ほど前から 咳が止まらず 治療を受けていました。この一週間ほど前ぐらいから 口の中が痛くなり 喉も痛いので 耳鼻科に行きました。口が痛いと 言いましたが 原因はわからないということで アズレンをもらってうがいをしています。口腔外科に行った方がいいのでしょうかよろしくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
口の中の痛みにはさまざな原因があります。粘膜に明らかな病変がある場合は耳鼻咽喉科でも診てもらえますが、歯や歯肉、顎骨、筋肉の異常の場合は難しいでしょう。口腔外科であれば、口の中に発生する痛みのほとんどを診察したり治療したりすることが可能です。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性 |
2019年8月5日 |
質問
初めまして。6年ほど前から顔面の右側(右上の歯12345辺り)に強い痛みを感じる事があります。特に痛みが強い時は歯磨きをする事やご飯を食べる事、顔を洗う事等する時痛みで涙が出る様になりました。風が吹いても痛いので1日中右目から涙が止まりませんでした。
何件も病院を廻り、三叉神経痛の疑いがあるので、手術しましょうと言われ手術までしましたが、痛みは治らず今もご飯を泣きながら食べている状態です。もう脳神経の手術はしているので三叉神経痛ではない様に思うのですが、今まで先生はこうゆう状態の方を診察された事はございますか!?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
顔面や顎、歯に強い痛みを持つ多くの患者さんを診察してきましたが、中には少し触れるだけで激痛が走る方や涙が止まらない方も含まれています。
軽く触れるだけで激痛が生じるという特徴は、三叉神経痛の痛みと似ています。三叉神経痛の手術を受けたようですが、手術をしても治らない場合があります。
涙が止まらないという症状に関しては、群発頭痛を含む三叉神経・自律神経頭痛が疑われます。治療法は酸素吸入や薬物療法となります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性 |
2019年7月27日 |
質問1
もう8年くらい前に白板症と診断を受けていますが、銀歯をセラミックに変えたら劇的によくなりました。しかし、その近くに小さい白い出来物ができ、癖で噛んでしまうため、別の口腔外科で取ってもらいました。
その先生へはセカンド・オピニオンとしていったのですが、出来物をかんでしまうといったら、すぐとるようにいってくれたので、この先生にしようと決めました。先生に最初かかったときは、白板症というより、その付近の粘膜も少しとり、白板症含め生検にだしてます。
総合病院なので1週間くらいといっていたのですが、でなくて先生も病理に確認したら、はっきりしないから大学病院へ違う方法で調べるように検体をおくったそうです。時間もちょっとかかるかな?でも見た感じは心配なさらずに待っててくださいと言われました。こういう患者さんもたくさんいますからと。大学病院へ送られた場合も含めてどれくらいで結果はでますか?今度の週にでないと3週間ちょっと心配です。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
8年前に白板症と診断されたことから、口腔粘膜の一部に白い病変が見られたと推察します。白板症自体は変化が見られない病気ですが、少数ながらがん化するケースもあります。
さて、銀歯をセラミックに換えたら劇的によくなったようですが、白板症でこのような変化が現れるかは疑問です。状況から、「苔癬様病変」という歯科金属アレルギーにより粘膜が白くなる病気が疑われます。
今回発生した病変の正体は、病理組織検査の結果が出ないと判明しません。通常であれば1週間程度でわかるH-E染色が用いられますが、今回は結果が確定しなかったのでしょう。その場合はモノクロナル抗体を用いた免疫染色などで詳しく調べるため、1ヶ月程度の時間を要する場合もあります。今は検査結果を待つしかないでしょう。
謝辞 2019年8月1日
先日はご意見ありがとうございました。今日の朝、口腔外科の先生から連絡をいただき、なんらかの刺激による変異と伝えられました。
10年ほど前には細胞診で白板症と診断されていたので気にはなっていたのですが、劇的によくなったり悪くなったりと、イマイチわからなかったので、またきちんとした判断がでたのと、こちらからの返信いただいたことで、少し安心して結果を待つことができていたので助かりました。
しばらくフォローしていただくことができるようなので、きちんと定期的に通って経過を観察していきたいと思います。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性 |
2019年6月14日 |
質問
初めまして。酷い開咬と顎変形症があって絶対に外科手術と矯正が必要な状態なのですが、私には難病という身体的事情もあり、総合病院の口腔外科で手術の相談をした所、100%を目指すのが一番なのだけれども8割くらいでご飯が食べられるようにしたいと思っているという説明を受けました。
手術の決断をしないといけないのですが、この説明をどういう風に受け止めて手術に挑めばいいのか分からず、先生ご自身だとしたらどうのような判断をなさいますか?相談出来るところも分からず、困っている状況です。よろしくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
「酷い開咬と顎変形症」ということから見た目が悪く、食物を摂りにくい状態ではないかと推察します。このような場合には外科手術と矯正治療を組み合わせた治療が必要で、具体的には1年程度の矯正治療の後に手術を行うことになります。手術は入院して全身麻酔下で上下の顎の骨をそれぞれ一度切り離し、顎の歪みを治して嚙み合わせを整えた位置でつなぎとめます。術後は矯正治療を再開し、きちんと嚙み合うように最終調整を行います。
さて、難病により手術に制限がある場合は、手術時間を短縮したり出血量を少なくしたりする必要があるでしょう。ここからは想像ですが、上顎の骨切りは行わず、下顎の骨切りのみを計画されたのではないでしょうか。その場合は、上下の顎骨切りと比べて仕上がり具合が多少劣って概ね8割程度といえます。
顔線がきれいに整い、歯並びや噛み合わせも十分な状態を10割として、8割ぐらいまで治るならば治療を受ける価値がありそうです。噛み合わせが多少悪くても食事には何の支障もなく、十分に機能する例はよく見られます。8割の出来で良しとするか8割は不十分と考えるかについては、ご自身の価値観に委ねるしかありません。
謝辞 2019年6月14日
お忙しい中、ご返答ありがとうございます。先生からいただいたアドバイスを参考に今後の事を決めていこうと思います。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代 |
女性 |
2019年6月7日 |
質問
検診の為近くの初めて行く歯科医院へ行きました。そこで上顎の骨隆起の一部に白い粘膜があると指摘され、口腔外科を紹介されました。すぐ口腔外科へ行きしばらくは経過観察と言われましたが白い部分に変化は無くこのまま経過観察していて、もし癌だった場合転移が心配だと担当医に言われました。
そこで組織検査をする事にしましたが。骨隆起の所なので組織を切除後縫えないし相当痛みがある。治るのも1ヶ月半くらいかかりますと…骨隆起も一緒に切除すれば縫えると言う事なのでそのようにお願いするつもりですが、切除後はかなり痛みますか?本当に完治に1~2ヶ月かかるのでしょうか?またもし検査後に癌となった場合はどんな治療になるのでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
上顎の粘膜に白い部分があることから白板症が生じていると推察しますが、白い粘膜の一部が赤くなり痛みがある場合は扁平苔癬の可能性があります。いずれもガン化する恐れがある病気です。
ガンの可能性が疑われる場合は白い粘膜を切り取って染色標本を作製し、顕微鏡でのぞいて詳しく調べる組織検査を行います。粘膜の切除後は周囲の粘膜を引き寄せて縫合し傷口を塞ぎますが、骨隆起上の粘膜の場合は骨としっかりくっついて動かないため粘膜を引き寄せることができず、穴が開いたままになってしまいます。こうした事態を避けるため骨隆起も一緒に削除すると、周囲の粘膜を引き寄せて傷口を塞ぐことができます
切除後の痛みについては、傷口が正しく閉じられている場合はあまり痛まないでしょう。粘膜も2週間以内にきれいに治るはずです。
検査でガンが判明した場合は追加の治療が必要となります。白い部分の周囲の粘膜とその下の骨を切り取る拡大切除術の他、頸部リンパ節や肺への転移の有無を調べるための検査を行うことになります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代 |
男性
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2019年6月7日 |
質問
初めまして。下顎骨にできたのう胞らしきものについて質問させていただきます。別の治療の際に見つかり口腔外科を受診。全く健康な歯の基部にのう胞ができている点で珍しい事例だと言われました。
治療方針は、健康な歯の神経を抜いて、その穴から内容物を少しずつ排除してのう胞らしきものの縮小を計り、その後に外科手術で全体を摘出するというものでした。今のサイズのまま切開手術をするのは、下顎神経を傷つける恐れがあるために避けたいという説明でした。
しかし、抜いた神経の穴からのう胞らしきものへのアクセスを計ったのですが、その手前に固い何かがあってのう胞らしきものまでは到達できませんでした。日を改めて再度ドリルで掘り進みましたが、のう胞らしきものまでは到達できず再び中止となりました。
結果、今のサイズのまま全身麻酔下で〝のう胞らしき組織・その上部の固い組織・歯根の一部″を摘出することに。そこで先日、全身麻酔に適応するかの検査を受けたのですが心電図に少し異常があり、心エコー検査を受けることとなりました。神経を傷つけるかもしれない、全身麻酔のリスクもあるなど不安でいっぱいです。何か他に良い治療法は無いものでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
下顎の内部に円形や楕円形の空洞が生じ、顎骨のう胞が疑わしい状況なのでしょう。よくあるケースが親知らずを巻き込んだ含歯性のう胞ですが、歯を含まない原始性のう胞の可能性があります。他に脈瘤性のう胞、単純性のう胞、角化嚢胞性歯原性腫瘍やエナメル上皮腫という良性腫瘍の可能性も考えられます。
のう胞でも良性腫瘍でも病変を全て摘出することが基本的な治療方針となります。しかし、ある程度の大きさの病変は下顎骨を走行する下歯槽神経に近接しているため、摘出時にどうしても神経を傷つけてしまって術後に麻痺が残る可能性があります。
神経の損傷を回避するために開窓術をお勧めします。これは下歯槽神経に近接した病変はそのままにして、上部の病変のみを摘出しておく方法です。術後は切開部を縫合せず空洞が露出した状態にし、内部にガーゼを詰めて定期的に交換します。数週間~数か月で空洞が小さくなり、病変が下歯槽神経から離れた後、残っている病変を摘出します。
また、摘出術は全身麻酔が必要なので心電図の異常が問題となりますが、開窓術は局所麻酔でも可能で手術時間も短縮できます。全身麻酔と局所麻酔のいずれが体への負担が少ないかは状況によって異なりますが、手術時間が短い方が有利であることは間違いないでしょう。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代 |
女性 |
2019年6月6日
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質問
初めまして。口の中にたまに出来るデキモノについて質問させていただきます。ほっぺの内側や下唇の内側に全く痛みのない5mmほどのイボのようなものが出る事があります。 数時間すると自然に消えてしまいます。先ほども下唇にありましたが、舌で触っている間に何も無くなっています。
痛みのないのであまり気にしていなかったのですが、数年前からたまに同じ事がありました。心配するような事でないと良いのですが、アドバイスをいただければ助かります。 よろしくお願いいたします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
幾つかの可能性について検討してみましょう。
可能性頬粘膜の表面に生じる多数の細かい膨らみを「フォーダイス顆粒」といいますが、これは脂肪の固まりなので、すぐに消失してしまうものではないため該当しません。
下唇の粘膜下にある多数の「口唇腺」という小唾液腫は、触ると小さな粒々が中にあって下唇粘膜は凸凹しています。しかし、常に存在していてすぐに消えるものではありません。
また、頬粘膜や下唇粘膜を噛んでしまうなど、何らかの理由により傷つくと内出血して血豆(血腫)ができることがありますが、こちらもすぐに消えることは無いので当てはまりません。
さらに、下唇の粘膜下に存在する口唇腺が傷つくと粘膜下に唾液が漏れ出し、下唇粘膜が半球状に膨らむ「粘液のう胞」が生じますが、やはりすぐに消えるものではありません。
以上4つの可能性を挙げましたが、いずれもピタリとは当てはまりません。傷ついた口唇腺からの唾液の漏れ出しが軽微である場合には、舌で押すだけでしばらくすると消失することもあるのかもしれません。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
女性 |
2019年4月19日
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質問
お忙しいところすみません。私は1ヶ月以上前に舌の裏にできた粘液嚢胞を摘出する手術を受けたのですが、舌がひきつるような、くっ付いているような?感覚と舌先の痺れが一向に治らず、とても不安です。
病院ではまれに痺れが出る人もいるけれど2,3ヶ月でほとんどの人が治っていると聞きました。しかし1ヶ月以上が過ぎた今も痺れが少しもよくなっていません。一生このままだと思うととても不安です。1ヶ月以上たっても全く良くなる傾向がない中、この先治ることがあるのでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
舌先の下面の粘膜下には前舌腺(Blandin-Nuhn腺)という小唾液腺が多数存在します。この唾液腺や唾液が流れ出す導管が何らかの理由により傷つくと唾液が粘膜下の組織に流れ出し、唾液が溜まって粘膜が膨れ上がり風船状となる粘液嚢胞が生じます。舌下面にできる粘液嚢胞を Blandin-Nuhn嚢胞ともいいます。
粘液嚢胞は表面が傷ついて唾液が漏れ出し壊れることがよくありますが、唾液が漏れ続けているとすぐ再発します。従って、粘膜を切開して粘液嚢胞と傷ついた前舌腺を摘出する必要があります。
1ヶ月前にこの手術を受けられ、舌尖部の知覚麻痺が生じたようですね。粘膜には細かい神経が網の目のように張り巡らされているため、粘膜を切開すると必ずその部分の神経が切断されて知覚麻痺が生じます。これを避けることはできません。
知覚麻痺は半年、1年と時が経つにつれて徐々に回復していくので心配は無用です。
謝辞 2019年4月21日
先日は、舌の粘液嚢胞手術の痺れについてご返答頂きありがとうございました。一生このままだと思っていたので、治る見込みがあるとのことに安心しました。病院からは麻酔が舌に残って痺れが出ていると言われていたのですが、神経が傷ついて生じていたのですね。麻痺が消えるまで、不安はありますが、様子を見てみようと思います。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
男性 |
2019年4月14日 |
質問
5年前に外科矯正手術を行い噛み合わせは良くなったのですが、手術以降、食事中に頬のあたりを噛んでしまうことがかなり多くなり困っています。口腔内からたるんだ組織を切除することは可能でしょうか?よろしくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
受け口(下顎前突)や出っ歯(上顎前突)が著しく、通常の矯正治療で改善しきれない場合には、顎骨を切断して顎を移動させる外科矯正術を行います。このような手術を受けられたのでしょう。
さて、頬粘膜を噛みやすくなった理由については2通り考えられます。顎の位置を移動させたことにより噛みあわせが変化して噛みやすくなった可能性の他、頬粘膜がたるんで噛みやすくなった可能性です。
噛み合わせの変化により噛みやすくなった場合は、矯正治療で噛み合わせを整える必要がありますが、「噛み合わせは良くなった」ということなので、頬粘膜のたるみの可能性が高そうです。その場合は、たるんだ組織を切除することになります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性 |
2019年3月8日
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質問
来月で2歳半になる娘の事で相談させて頂きます。数ヶ月前に、定期的にフッ素を塗ってもらっている歯科で下唇の裏に粘液嚢胞があると診断されました。本人は全く気にする様子はありませんが、歯科医には局所麻酔をかけて取ることを勧めらています。定期検診だけでも大泣きで抑えるのがやっとなのと、局所麻酔とは言え2歳の子に麻酔をしてまで取るべきなのか決めかねております。
上記を踏まえ、やはり歯科医のおっしゃる通り取った方がいいのかアドバイス頂ければ幸いです。また、今月末親族の結婚式参列の為、渡米するのではじめて飛行機に乗るのですが、気圧の関係で粘液嚢胞が変化等があるのか合わせてお教え頂ければ助かります。お返事お待ちしております。どうぞよろしくお願い致します。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
下唇の粘液嚢胞は粘膜に多数存在する「口唇腺」という小さな唾液腺から唾液が漏れ出すことで生じます。口唇腺本体や口唇腺から産出された唾液は、口の中に出てくる通り道である導管から粘膜下に漏れ出します。唾液が漏れ出すのは唇を誤って噛むなど、口唇腺や導管が傷ついた結果ですが、唾液が溜まることにより下唇の粘膜が半球状に膨らみます。
粘液嚢胞の表面は薄い膜なので噛んだ拍子に破れて唾液が流れ出し、潰れてなくなることがよくあります。しかし唾液の流れは続いているため、しばらくするとまた元のように嚢胞ができてしまいます。
従って、粘液嚢胞をつぶすことが根本的な治療ではありません。嚢胞とともに壊れた口唇腺や導管に唾液を供給する口唇腺を取り除く必要があります。この手術は比較的簡単で成人の患者さんであれば10分程度で終了しますが、2歳のお子さんには難しいでしょう。
身動きしないようにおさえつけたり、全身麻酔下で手術をするという選択肢もあります。しかし命にかかわるような問題ではなく、本人が気にならなければ手術する必要はありません。
飛行機に乗ると気圧が低下して粘液嚢胞も多少は膨らむはずですが、それが問題となることはないでしょう。もし、つぶれたとしても何らかの問題につながることはありません。
謝辞 2019年3月11日
おはようございます。大変、丁寧で詳しいご説明とお返事をありがとうございました。短時間の手術とはいえ、娘がじっとしていられるとは到底思えませんので、やはり手術は見送ろうと思います。専門のお医者様にお返事頂け、とても参考になると同時に安心致しました。お忙しい中、お時間を頂き本当にありがとうございました。