年齢 |
性別 |
相談日 |
50代 |
女性 |
2017年9月6日 |
【相談者】2017年9月6日 K
質問
先日、テレビで
■歯には薄い膜が全体を覆っていて歯を保護していて、この膜は歯磨きで取れてしまうが、十分な唾液があると再生されるだが、寝ている間は唾液が出にくいので、膜の再生が起きにくく、虫歯になりやすい。だから、就寝1時間前にはしっかりと歯磨きをしておくとよい。
■痛みというのはその時の刺激で起きるものだが、かなり緊張していると小さな痛みでも強く感じてしまう。14時くらいになると体の調子が安定してくるので、歯医者に行くには良い時間帯である。
上記の二つの内容が放送されていましたが、本当なのでしょうか
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
歯の表面はペリクルという唾液由来のタンパク質で覆われています。ペリクルは酸や虫歯菌から歯を守る働きがあるため、テレビ番組でもそのように解説されていたのでしょう。
一方でペリクルは細菌が付着しやすいという面があり、歯みがきが必要になります。細菌の塊であるプラークは唾液の働きが弱くなる就寝中に増加するため、寝るまでにきれいに歯磨きしておくことが大変重要なのです。
また、痛みには日内変動があり、夕方から夜にかけて強くなる傾向があります。そのため昼過ぎに歯科を受診することは理に適っているといえるでしょう。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
男性 |
2017年8月30日 |
【相談者】2017年8月30日 M
質問
舌先を切断したことによる記憶力、思考力の低下に悩んでおります。文章を読めば一行前のものを忘れ、会話にも困る日々です。さらに、重度の不眠や感覚異常もあります。何か良い治療法がございましたら、どうぞご教示下さい。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
舌先を切断したことによりさまざまな症状が生じてお困りのようですが、回答する前に整理しておく必要が何点かあります。
まずは、完全に舌先がなくなってしまったのでしょうか。それとも深く傷ついてその後傷が治り、元の舌の形に戻ったのでしょうか。
舌先が広い範囲で喪失し、舌が変形している場合は発言に悪影響が生じて会話に困る「構音障害」に陥る場合があります。舌が元の形にも戻ったとしても、その部分の神経が傷つけば感覚や動きに異常が出現します。
治療を始めるに当たり、まずは現在の舌の状態を調べてもらう必要があります。舌の変形や感覚障害、運動障害の有無と程度を明らかにしたうえで、問題に応じて構音障害の治療方法を検討することになります。
舌がんで舌を大きく切除したような場合には再建手術が必要となりますが、舌先が切断された程度であれば再建手術をしても大幅な改善は期待できません。むしろ手術の影響で逆に症状が悪化する可能性もあります。
従って、構音障害に対してはリハビリを行うことにより、元の発言に近付けるよう努めることをお勧めします。構音障害のリハビリに詳しい歯科医師や言語療法士に相談されるとよいでしょう。
また、記憶力や思考力の低下については舌先の切断との関係性は認められていません。今回のような症状は珍しいものですが、脳の外傷や腫瘍、感染症、梗塞によっても生じます。その他内分泌疾患や精神疾患の可能性もあるため、一度詳しく調べる必要があります。
舌尖が気になって記憶力や思考力に悪影響が生じている場合は、「気にしないで生活できるようにすること」が解決法となり、認知行動療法などの心理療法で身に付けることが可能です。不眠や感覚異常についても同様です。まずは何らかの問題が潜んでいないかを調べるため、薬物療法や心理療法を受けられることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代 |
女性
|
2017年8月7日 |
質問
はじめまして。よろしくお願いいたします。左側の顔の腫れぼったいジーンとした感覚と左側全体の違和感について教えてください。
左上6番の約1年半に及ぶ根管治療が2か月前に終わりました。その時点で外側・下から押すと鈍痛がありました。現在もあります。ただ長期に渡る治療の弊害かもと言われ仮歯で2か月様子を見て自発痛もないので充填し銀の被せをして完了しました。
その後は調子もよく安心していたのですが1か月ほど経つと弱い自発痛がおきました。
ツーンというかシィーと吸い上げたくなるような下で押したくなるような感覚です(分かりずらくてすみません)
ほぼ同時に左下の5,6連結冠の歯肉にも痛みがでました。この歯は歯肉も薄くなり銀の部分も透けて見え、下の骨も溶けています。ズキンズキンではなく、ジーーーーーンズーーンといった熱いような痛みです。
その症状がでてから数日して左頬、目辺り、鼻の下、口の横。左側全体になるのでしょうか。がボンワリした腫れぼったく、時にピリピリした感覚があります。見た目は腫れていません。先日CTを撮ってもらったのですが、上顎洞炎はないとのこと。
こういった場合どのような事が考えられますでしょうか。CTで膿など判断できるのでしょうか。耳鼻科や神経内科の受診も考えた方がよいのでしょうか。また、膿が溜まって広がっていた場合、痛みや腫れは伴いますか?勝手に排膿されることはありますか?一度に色々症状がでており困惑し質問が分かりずらくなり申し訳ありません。
回答
左上6番の痛みがなぜ生じているのかを突き止める必要があります。根管治療に1年半前後もかかったということから、この歯の状態がよくないことが予想されます。
歯根が強く彎曲している場合は、根管内を開いて形成することが難しいため細菌感染による汚染を除去できず、痛みが残る可能性があります。また、歯根内部の根管が複雑に分岐したり合流したりしている場合も根管治療が大変難しくなります。歯根にヒビが入っていると根管治療をしても治りません。
左上6番の痛みが根管や根管周囲組織の問題ではない可能性もあります。その一つである神経障害性疼痛は、抜髄などで神経が損傷された後に生じる痛みで、どんなに歯の治療をしても治癒しません。
また、神経障害性疼痛が長期化すると中枢感作が生じて痛みが周囲組織に拡大するため、さらに治療は困難となり、下顎の歯が痛くなる場合もあります。神経障害性疼痛に対しては三環系抗うつ薬のトリプタノールや抗けいれん薬のリリカの内服が効果的です。
歯に問題がないにもかかわらず歯が痛む原因としては、他に食いしばりや歯ぎしりによる筋・筋膜痛、疼痛性障害、三叉神経痛の前駆症状、ヘルペスウイルスによる疼痛などがあります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代 |
女性 |
2017年8月5日 |
【相談者】2017年8月5日 M
質問
今年2月に含歯性嚢胞の摘出手術を受けました。術後、担当医からもかなりひどいと言われるほどのはれと痛みがありました。術後半年経過でCTにより骨の形成確認をし、順調に快復し問題ないといわれましたが、まだ若干治療患部口腔内の腫れと痛みがのこっており違和感があるのと、リンパに腫れがあり顎部分も腫れがあります。微熱などはありません。
担当医からは術後の後遺症で、リンパの腫れは今回の治療とは無関係と説明されていますが、他にそのような要因が起こる病気やケガはありません。このまま放置しても大丈夫なのか心配ですし、このまま我慢するしかないのでしょうか。アドバイスをお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
含歯性嚢胞は顎骨の内部にできる胞性歯嚢胞の一種で、嚢胞腔内部に歯冠が含まれることが特徴です。嚢胞の摘出後、順調に治る場合は嚢胞腔に骨が添加して顎骨に生じた空洞がなくなり完治します。術後半年が経過し、そのような状況が確認されたことは何よりですね。
さてリンパ節の腫れについてですが、術直後は相当な腫れと痛みが生じたようですね。同時にリンパ節も腫大しやすい時期ですが、通常は時間の経過とともにリンパ節の腫れがひき、元の正常な状態に戻るものです。
術後半年経ってもなおリンパ節が腫れているのは術後の治療によるものではなく、他に何らかの異常があると推察します。含歯性嚢胞はリンパ節の腫れの原因ではなさそうですね。
リンパ節が腫れる原因はさまざまですが、最も多いのは細菌感染による反応性のリンパ節炎です。口の中やのど、鼻、眼、顔面などに何らかの細菌感染があるのかもしれませんし、真菌やウイルス感染の可能性もあります。
それ以外ではリンパ上皮性嚢胞や亜急性壊死性リンパ節炎などがありますが、最も注意が必要なのは悪性リンパ腫やがんのリンパ節転移です。
【相談者】2017年8月1日 A
質問
7年前に脳梗塞を患い、口の中が引き攣って物をうまく噛むことができない状態が続いています。この症状を改善する方法はないのでしょうか?何か良い方法があれば教えてください。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
脳梗塞により脳の血管が詰まると脳の一部が壊死し、その部分の脳細胞は死んでしまいます。一度死んだ細胞は再生しないため、この部分の脳の機能が失われてしまい、運度神経や感覚神経の麻痺が生じるのです。
さて、口の中がひきつって食べ物をうまく噛めないということですが、この症状も脳梗塞による神経麻痺として説明できます。食べ物を噛む口の動きを司る運動神経が麻痺すれば噛めなくなり、口の中の感覚を司る神経が麻痺すれば、食べ物が口の中でどのような状態になっているかを感じ取れなくなるため、やはりうまく噛めません。
一度壊死した脳細胞が再生することはないとお伝えしましたが、時間が経てば壊死した脳神経の周囲の脳細胞が神経を延ばし、失われた機能をある程度は補ってくれるようになります。このような脳の仕組みを利用するのがリハビリの主目的です。
物を噛むには歯や歯肉、顎骨、顎関節を使いますが、顎を動かしているのは咬筋や側頭筋といった咀嚼筋です。一方、口の中の食べ物の位置を保つのは舌や頬、口唇の働きで、これらを動かすのは舌筋や顔面表情筋です。
物を噛みにくいという症状を改善するには、まずは歯や顎関節、咀嚼筋、舌筋、顔面表情筋のそれぞれにどのような問題が生じているのかを把握する必要があります。歯や顎関節に異常があれば治療する必要があり、筋肉の問題であればその動きや感覚を改善していく必要があります。
機能が失われた筋肉に対しては、アイスマッサージや針治療、赤外線照射など刺激を与える治療法が適しています。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
男性 |
2017年7月18日 |
【相談者】2017年7月18日 A
質問
今月3日に左術後性上顎洞嚢胞の開放手術を内視鏡で受けました。12歳のときに蓄膿症の手術(左右)を受けており、これが原因とのことです。
20歳のときに歯痛(左奥歯付近上下)が起き、歯科を受診しても原因不明とのことでした(「術後性上顎洞嚢胞」を知ったのは、独学でここ数年のことです)。歯痛はほぼ毎年起きていたのですが、一時的なものだったため、最初の頃はバファリン、その後はロキソニン等を飲んで過ごしていました(効いていたかというと?ですが、我慢していればそのうち痛みが収まるので、そうゆうものだと思っていました)。
ここ数年は耳鼻科で点滴をしてもらっていました(こちらも効いていたかというと?です )。今年も5月中旬に歯痛が起き、例年になく痛いので総合病院に行き、CT/MRIを撮り、手術となりました。
現在術後2週間で歯痛は無いのですが、モノを噛むと歯にひびく?ようなかんじ(上のみ)と、1週間毎の診察の際に、開放した嚢胞への交通路を通して嚢胞内の掃除をするのですが、歯痛が起きます(2~3時間すると収まる)。
主治医にはその都度痛いと言うのですが、それと今回の手術は関係ないと言われ、鼻のほうが落ち着いたら歯科でCTでも撮ってみようとのことでした。手術前には口腔外科も受診し、パノラマのレントゲンだけでしたが、今回の痛みは歯由来ではないと判断されているのですが。
主治医については、元々の主治医が手術前に辞めており、現在の主治 医は手術以降担当になったので、そもそも歯痛があって受診していることすらよく知らないようです。個人的には、嚢胞が一時的な炎症等を起こし、それが歯の神経を圧迫し、結果歯痛となって現れていたのではないかと考えています。
現在の嚢胞内の掃除をする際も、吸引機?の先が嚢胞内底を押すことによって、歯の神経を一時的に圧迫し、歯痛となっているのではないかと考えています。
セカンドオピニオンではないですが、何か気になるところがあれば教えて頂きたいです。お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
術後性上顎洞嚢胞は、蓄膿症(副鼻腔炎)の術後10~20年で上顎洞に生じることがある嚢胞です。この嚢胞に細菌が感染すると痛みや腫れが起こるため、まるで歯が痛んでいるように感じることがあります。
口腔外科では、歯の問題が痛みの原因ではないと判断されたようですね。痛みが嚢胞への感染によって生じた場合は、歯の治療は必要ないでしょう。
手術を受けた耳鼻咽喉科の見解では、手術はうまく完了し、痛みの原因となる問題は取り除けたようですね。それにもかかわらず歯痛が生じているため、歯科で現状を診てもらうようにと説明されたのでしょう。
耳鼻咽喉科の先生の指示通り、一度歯科の診察を受け、結果として歯に問題がない確定すれば、上顎洞の回復を待つことになります。その間の痛みが辛い場合は、痛みを軽減するため薬物療法や心理療法を受けることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
男性 |
2017年7月14日 |
【相談者】2017年7月14日 Y
質問
骨形成線維腫です。20代の頃、鼻の右側に生じ、右上の歯(犬歯の後ろの歯2本)が生えてきません。先月、鼻の付け根(左側)上顎に見つかりました。病院では様子をみることになりました。手術する場合、口腔外科が適しているとききました。
質問なんですが、口腔外科では骨形成線維腫(上顎)の手術はよく行われているのでしょうか?手術の方法を簡単でいいので教えてくれませんか?全身麻酔だと思いますので手術室などが完備された大学病院などが良いのでしょうか?骨形成線維腫と線維性骨腫は同じ病気でしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
骨形成線維腫は骨の内部にできる良性腫瘍です。線維腫とは線維性結合組織が増殖したものですが、骨形成線維腫には線維成分に加えて骨組織が混在しています。
顎骨の骨形成線維腫に対しては、通常は入院して全身麻酔下で手術を行うことになるため、設備の整った大学病院や総合病院の口腔外科が適しています。
また、骨形成線維腫は骨内線維腫の内部に骨組織があり、その境界が明瞭なので一塊で摘出することが可能です。一方、線維性骨異形成症は骨の内部に線維組織が増殖するもので、骨組織と繊維組織が入り混じった状態です。そのため境界は不明瞭で、一塊として摘出することができません。因みにご質問中の「線維性骨腫」という病気は存在しません。
年齢 |
性別 |
相談日 |
60代 |
女性 |
2017年5月6日 |
【相談者】2017年5月6日
質問
3年ほど前、急に口がしょっぱく感じ唾液が泡泡になりました。ではゼリー状の唾液が上顎にくっつきとても不快です。しかも、口渇とドロドロ出すぎを繰り返しています。
大学病院で唾液分泌量、血液検査をしました。結果は「あなたは唾液も出てるし正常です。睡眠薬は関係ありません」でした。自分では唾液の性状が変わったと思います。睡眠薬を飲んでいるので減薬しています。なにか手がありがあれば教えてください。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
口の乾きや唾液の異常からドライマウスが疑われます。ドライマウスになると味覚の変化がよく見られますが、大学病院の唾液検査で異常が見当たらなかったようですね。唾液検査の際にガムかガーゼを噛み、出てきた唾液を採取して分泌量を測定したのではないかと推察しますが、この方法を刺激時唾液分泌量の測定といいます。何も噛まないで自然に出てきた唾液の量を調べる安静時唾液量の測定もあります。ドライマウスの場合は刺激時唾液量は正常でも、安静時唾液量が異常である場合も珍しくありません。
安静時唾液量はストレスや緊張、食いしばりによって減少しますが、これらを改善できれば症状が軽快する可能性はあります。ドライマウスや味覚障害に対しては漢方薬が有効で、味覚障害に対しては亜鉛の補充を行うとよいでしょう。
感覚の異常から生じる口の渇きや味覚異常に対しては、抗うつ薬の内服が効果的です。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
男性 |
2017年5月3日 |
【相談者】2017年5月3日 K
質問
かなりの歯周病らしく、4年前に右上の一番奥を抜歯、2年前に左上の一番奥を抜歯、今年の2月に前歯の左2番を抜歯しました。両奥歯の2本は抜けたままで、前歯2番はブリッジをするつもりでしたが、先生いわくボンドで付けて暫く様子を見ると言う事です。(なんちゃてブリッジです)
多分歯周病の加減で、いきなり両方の歯に負担を掛けるのは良くないとの判断だと思います。現時点はその部分では噛まないようにしているので一度も外れたりはしていません。急を要するのは右上の現状の一番奥、通常の2番目の動揺が激しく、噛むと痛みが酷いので食事が不自由です。
そもそも奥歯の抜歯は近所の歯科医院で行い、その間の治療は2ヶ月に一度の歯石とり?だけで、このままだと順番に抜けていくのを待つだけではと思い、(そこの先生はもう少し早く来ていれば・・・とも言っていた気がします。)
去年の10月辺りに違う歯科を色々探して地元の手広くやっている大きな所へ行って見ましたが、色々な不信感から型代を支払った所で行くのを辞めました。話の順番が変わりますが、結局前歯の2番は会社の歯科で処置をしました。
会社には他に簡単な内科もあり、歯科の先生は週に2日、大学病院から来てくれています。先生の事は信頼しており、会社の福利厚生なので通常の治療費は不要で保険外の材料を使った際の費用も価安なのは良いのですが、設備の関係上、限られた治療になるそうです。
自分としてはもう少し積極的な治療が無いかと日々悩んでいます。どのようにすればよいのでしょうか。お忙しい所恐縮ですがよろしくお願いいたします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
歯が何本も抜けたり、歯が動揺して噛むと痛んだりするのは歯周病が原因と考えられます。現状から判断すると、かなり進行した歯周病かもしれません。
歯周病は歯に付着したプラーク(歯垢)中に繁殖する歯周病菌が炎症を起こし、進行すると周囲の骨が徐々に溶けてなくなる病気です。プラークや歯石を除去し、歯周病菌の繁殖を抑えることが治療の基本となります。歯磨きを丁寧に行い、プラークを確実に取り除きましょう。
まずは本当に歯周病であるのか否か、現在の状態を詳しく調べる必要があります。その上でどのように歯周病の進行を止めるか、歯がなくなってしまった部分をどのように補うのかを検討していくことになります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性
|
2017年3月29日 |
質問1
感染根幹治療を繰り返した歯に痛みがあり、CTを撮ってもらったところ非定型歯痛と診断され、抗鬱薬のパキシルとジェイゾロフトをそれぞれ試しましたが、副作用で全く飲めず、抗鬱薬を飲むのが怖いです。抗鬱薬以外で非定型歯痛を治す薬はありますか?
最近では、歯が痛むので本当は歯が悪いのでは?と思ってしまいます。CTでみていただいたのでやはり非定型歯痛なのでしょうか?痛くて困っています。お返事よろしくお願いします。
回答
歯の痛みには、歯自体に原因がある場合とそうでない場合があります。CTを含め詳しく調べられたようですが、問題が全く見当たらない場合は非定型歯痛という診断になります。
ただし、この診断が必ずしも正しいとは限りません。検査をして異常が見当たらなくても、後で問題が発覚する可能性もあるからです。歯の保存を諦めて抜歯すると、抜いた歯にヒビ割れなど痛みの原因となる問題が見つかることもありますが、歯を抜くことが正解とは限りません。非定型歯痛である場合は歯を抜いても痛みは消失せず、さらに痛みが強くなる場合もあるからです。
非定型歯痛の治療には抗うつ薬が有効です。SSRIの一種であるパキシルも鎮痛効果がありますが、三環系抗うつ薬やSNRIの方がより効果的とされています。また、抗けいれん薬や麻薬系鎮痛薬、アセトアミノフェン、漢方薬も非定型歯痛に対して用いられています。
質問2
先日、非定型歯痛の件で早速お返事いただきありがとうございます。非定型歯痛で抗鬱薬を飲む場合、どれ位の期間、飲む事になりますか?また症状が良くなり薬をやめる時に離脱症状が起きるとネットでみて怖くなりました。先生のご指導通りに服用すれば心配ないでしょうか?
また三環系より副作用が少ないといわれるサインバルタやトレドミンでも効果がありますか?また漢方薬はどうでしょうか。お返事よろしくお願いします。
回答
抗うつ薬は少量から始めて徐々に増量し、十分な効果が得られた時点でその量をキープします。抗うつ薬の内服により痛みが治ったとしても、服用を中止すれば痛みが再発するため、継続することが肝心です。
痛みの消失から一定期間内服を続けると、内服を中止しても痛みは再発しにくくなります。一定期間とは6ヶ月から1年間とされています。6ヶ月後に中止してみて痛みが再発しなければ治療終了となり、再発する場合はさらに6ヶ月間内服を続けます。
抗うつ薬の内服を急に中断すると吐き気やめまいなどの離脱症状が生じやすいため、計画的に減量することにより離脱症状が生じないようにします。
三環系抗うつ薬は慢性疼痛に対して効果的ですが、眠気や便秘などの副作用が出やすいという一面もあります。一方、サインバルタなどのSNRIは効き目が劣るものの副作用も少ないため、痛みがそれほど強くない場合はSNRIを使用します。
また、漢方薬は痛みを抑える働きとともに、抗うつ薬の副作用を和らげる効果もあります。なお、当クリニックでは漢方薬や抗うつ薬を処方しています。