年齢 |
性別 |
相談日 |
60代 |
男性 |
2014年7月31日 |
【相談者】2014年7月31日 t
質問1
4週間程前から上顎の奥の2穴の周辺に何か付いている(海苔が張り付いた様な)違和感や鈍痛あり耳鼻咽喉科を受診、副鼻腔と鼻から内視鏡で喉までチェックしたが異常なしで乾燥が原因の可能性と言われた。
その後歯科の定期健診の際に診察を受けたところ上顎の骨のレントゲンに異常はないので「うがい」を励行する様に言われ「アズノール」でうがいしているが一向に改善しません。口腔外科の診察を受けた方が良いでしょうか?原因(病気)として何か考えられるでしょうか。うっとうしい症状を早く改善したく相談させていただきました。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
口蓋粘膜か咽頭粘膜に違和感があるということから、「口腔異常感症」や「咽喉頭異常感症」が疑われます。また鈍痛があることから、口腔顔面痛や口腔灼熱症候群の可能性があります。
耳鼻咽喉科や歯科の診察で異常が見当たらない場合でも、細菌検査や血液検査、病理組織検査を行うことにより、何らかの異常を発見できるケースもあります。頭蓋内の病変や逆流性食道炎、神経疾患、精神病が関係している可能性もあるため、一度口腔外科の診察を受け、必要があれば他の診療科へ紹介してもらうことをお勧めします。
【相談者】2014年8月4日 t
質問2
的確なアドバイス深謝いたします。以前、咽頭に違和感があり耳鼻咽喉科で心因性の可能性大と言われ、時間経過と共に症状が軽減された経験があります。
今回、疑いを指摘頂いた「口腔異常感症」の症状の「ネバネバ」「ザラザラ」「異物感」や食事中は異常を感じないなど思い当る項目が多々あります。今後、アドバイスをベースにかかりつけの歯科医と相談しながら対処したいと思います。
幸い、かかりつけの歯科医からも必要に応じて病院(専門医)を紹介する旨、言われておりますので、治療環境は整っております。有難うございました。
【相談者】2014年7月25日 Y
今年6月に口の中にできものができ、歯医者さんに行ったところ口唇粘液嚢胞と診断されました。局所麻酔をかけて切除手術をしてもらい、抜糸をした翌日からもともと嚢胞があったところのすぐ隣に再発しました。そして、また局所麻酔をかけて切除手術をしてもらい、抜糸をして3日ほど経ったのですが、縫ってあったところの一番下あたりに粘液嚢胞らしきものができていて、現在(抜糸から6日目)鏡を見たら嚢胞が大きくなっていました。
2度目の手術が終わったときに『今回は深めにとった』と言われていたし、3度目なので、とてもショックです。2度目の手術が終わってから、1回目のときよりも痺れる感覚が長引いたりしていたので、3回目となるととても怖くて、気が引けてしまいます。
これは、また手術を受けるべきなのでしょうか。粘液嚢胞は再発の可能性が高いということは知っていましたが、約1ヶ月の間に3回嚢胞ができるともなるとなにをしても治らないのかな、とか放っておいてもいいかな、と思ってしまいます。
地域には大学病院がありますが、そこの歯科医師と諸事情により仲が良くないので大学病院には行きたくありません。わたしはどうしたら良いのでしょうか。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
粘液嚢胞は口唇の粘膜下にある口唇線という唾液腺が傷つき、傷ついた口唇線から唾液が周囲に漏れ出して風船のように膨らんだものです。
口唇腺が傷つく理由として多く見られるのは、誤って噛んでしまったり、唇を噛む癖があったり、夜間に歯ぎしりをして口唇を噛むようなケースです。これらの行為を続けていると、一度摘出した付近に新たなのう胞が生じる場合がありますが、再発ではありません。
一か月に3回も同じ部位に粘液嚢胞が出現したことから、前述したような状況とは別の問題があるのでしょう。原因を究明することなく粘液嚢胞を摘出しても、すぐに再発してしまうのです。
また唾液の漏出による再発を防ぐため、粘液嚢胞を摘出する際には傷ついた口唇線を同時に摘出する必要がありますが、2回再発したということは傷ついた口唇線を摘出できていない可能性があります。担当医の技術の問題かもしれないので、一度他院を受診されることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
女性 |
2014年7月2日 |
【相談者】2014年7月2日 T
先週の金曜日に 人生初の虫歯を抜歯しました。 翌日から抜歯した所の歯茎がズキズキと痛むのです。傷口は縫ってないはずです。また、唾を飲み込む時も歯茎が痛むので辛いです。
病院から頂いた薬は全て飲み終えています。現在は市販のロキソニンを服用しています。初めて怖くて… 原因や対処法など教えて下さい
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
先週金曜日に抜歯してその後5日間痛みが続いているということですね。歯を抜けばその部分は多少とも痛むものですが、抜歯の際に歯肉を切開したり、骨を削った場合はダメージが大きくなるため、なおさら痛みやすくなります。このような痛みに対しては、消炎鎮痛剤を規則正しく内服することで抑えることができます。
抜歯後の痛みの原因としては、細菌感染やドライソケットの可能性が考えられます。細菌感染であれば抜歯部分の洗浄や抗生物質の内服が必要となり、抜歯窩の骨空洞の部分に皮が張る上皮化が遅れている状態、すなわちドライソケットの場合には創面を保護して刺激が加わらないようにする必要があります。
どのような状態で痛みが生じているのかについて、治療を受けた先生によく診てもらった上、洗浄や投薬を行うことをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
10代 |
女性 |
2014年6月26日 |
【相談者】2014年6月26日 S
唇の裏の粘膜が剥けてしまいます。飲み物や自分の唾液だけでもヒリヒリして痛いのですが病院に行ったほうがいいですか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
唇の粘膜が剥離するのは内部に水分が溜まった水疱が生じ、表面の粘膜が薄く弱くなって?れてしまうためです。水疱が生じる理由にはウイルス感染と自己免疫疾患がありますが、ウイルス感染によるものはしばらくすると自然に治ってしまいます。
従って、症状が持続する場合は天疱瘡や類天疱瘡などの自己免疫疾患が疑われます。重症化すると全身に症状が現れて衰弱するケースもあるため、診察を受けられることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性 |
2014年6月25日 |
【相談者】2014年6月25日 SN
質問1
口の中の焼けるような痛みがあり内科.耳鼻科.口腔外科(近所の歯科医院さんが紹介状を書いてくれ大きい病院にも行きました)を受診しましたがどこにも治療してもらえず困っています。朝起きたときは、ほとんど症状は無いですが少しずつ口蓋に焼けるような痛みが出てきます。食事中は痛くないです。どこに行けば直してもらえるのでしょうか。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
幾つかの診療科を受診して診察を受けられた結果、口の中に何も異常が見つからなかったようですが、このような場合は「口腔灼熱症候群」が疑われます。
口腔灼熱症候群ははっきりとした原因が見当たらないケースが多く、中にはドライマウス、口腔カンジダ症、亜鉛欠乏症、神経損傷後の神経障害性疼痛、ストレスなどの心理的・社会的要因、うつ病や統合失調症が関与している場合もあります。これらの問題がある場合は、的確な対応により改善することが期待できます。
また、原因が見当たらない場合でも抗うつ薬などの薬物療法で改善する可能性がありますので、ペインクリニックや心療内科を受診してみてはいかがでしょうか。
【相談者】2014年6月26日 SN
質問2
昨日も質問させてもらいました。何度も申し訳ありません。口腔灼熱症候群ではないかとのご回答ありがとうございました。
昨日書き忘れていたのですが、舌の動きが悪く、サ行が言いにくく、ろれつが回っていない状態なのですが、これもその症状にはある事なのでしょうか。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
回答2
口腔灼熱症候群の症状として舌の動きが悪くなるということはありません。舌の動きは別の問題から生じていると推察します。
舌の動きが悪くなる症状としては、筋力の低下(サルコペニア)や舌の腫瘍、舌下神経麻痺、重症筋無力症、パーキンソン病、ギランバレー症候群、多発性硬化症などが挙げられ、舌下神経麻痺の原因としては外傷や手術による損傷、脳腫瘍、脳卒中、頭蓋底の骨の異常、脳幹部の感染症、頚部の外傷などがあります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
70代 |
女性 |
2014年6月18日 |
【相談者】2014年6月18日 TJ
質問1
骨異型性繊維腫、右上顎(内側外側)の減量手術を受け8か月になりますが、上顎の内側とのどがしみるように痛みます。現在リリガ25mg。を飲んでいますが息切れと痛みが続きます。レーザー治療を受けたら痛みが和らぐでしょうか。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
上顎の骨の中に骨形成線維腫や骨性異形成症など、何らかの線維一骨病変が生じたのでしょう。これらは骨組織の一部に線維組織が混在する病気です。
線維一骨病変を削除した際その部分を走行する神経が傷つきますが、通常は時間をかけて治っていくところが時折りうまく治癒せず、痛みが持続するケースが見られます。このような痛みを神経障害性疼痛といい、上顎の内側とのどのしみるような痛みはこれが疑われます。
神経障害性疼痛に対しては、抗けいれん薬であるリリカが有効です。腎臓の働きが正常であればリリカは1回300㎎、1日600㎎まで増量可能です。現在25㎎と最小量のリリカを内服されていますが、効果が不十分なら増量するとよいでしょう。
レーザーには痛みを和らげる効果があります。血行が良くなり、ツボが刺激されると痛みが軽減すると考えられています。
【相談者】2014年6月20日 TJ
質問2
早速お返事有難うございました。繊維腫の手術後、薬物療法 アズヌール、ワセリン、口の中の貼り薬等ズキズキするのみで、リリカを飲んでも息切れがして転んでしまいました。
レーザー治療で痛みが和らぐようですが、大学病院以外のどのような歯医者で治療していただけるのでしょうか。
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
痛みに対して有効なレーザーはソフトレーザーという種類ですが、大学や総合病院以外で準備している施設は少ないでしょう。
一方、歯の治療用のレーザーは高出力で虫歯を蒸散させたり、粘膜を切開するには適していますが、痛みの治療には適応しません。歯科診療所で設置されているレーザーの大部分はこのレーザーです。
ただし炭酸ガスレーザーを低出力のモードで使用すれば、鎮痛効果が得られます。炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)の設置について、ホームページに記載されている医院に問い合わせることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性 |
2014年6月10日 |
【相談者】2014年6月10日 G
質問1
2012年に左下唇の下の小さな唾液腺腫を取りました。その後麻痺が出現しました。しかしその冬感覚は戻ってきましたが、一部に感覚の異常な場所がありその部分に触れるのがつらく口腔外科に相談すると思うような回答が得られず。以前より自律神経失調症で通っていた心療内科に相談すると、リリカとトレドミンが処方され静養の為入院となりました。
そこで薬の副作用の口が動く、大きな不安に襲われる。などが起き精神科に紹介入院となりました。そこではデパケン、レメロン、ソラナックスが処方され口の動きは回復しましたが、大きなショックは残り「不安神経症」と診断を受けましたが、現在薬があまり効かなくなってきたのか左口唇の神経症状がつらく。レメロンが増量になりました。現在左唇が緊張したりすると左に寄る苦痛、神経違和感があまり改善しない状態にあります。
精神科と口腔外科は同じ病院でこの前口腔外科を受診しましたが、精神科に治療全部を任せとなりました。「口腔科」の医師はあと4年薬を飲めば治ると言いその根拠までは聞くことはできませんでした。症状が軽減せず困ってます。どうかよいご指導お願いします。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
口唇の唾液腺腫瘍を摘出する際に麻痺が生じ、現在まで違和感が続いているということですね。腫瘍を摘出する手術をすれば必ず周辺の神経が傷つき麻痺が生じます。日にちがたてば麻痺は徐々に治っていくものです。
しかしながら一定の割合で麻痺がうまく治らず、痛みや違和感が生じることがあります。このような症状は難治性であり、いつまでも改善しない場合もあります。神経損傷に伴う痛みや違和感に対しては抗けいれん薬や抗うつ薬が有効です。そのため、抗けいれん薬であるリリカや抗うつ薬であるトレドミンが処方されたのでしょう。
抗けいれん薬や抗うつ薬はさまざまな副作用を引き起こすことがあります。口が勝手に動き続けるオーラルジスキネジアや、不安感といった副作用もあり、そのため中止されたのでしょう。
現在服用されているデパケンは抗けいれん薬、レメロンは抗うつ薬、ソラナックスは抗不安薬です。これらの薬も神経損傷による違和感を改善する働きがあります。レメロンを増量するなど精神科の先生は改善できる薬の組み合わせを模索されているのだと思います。
あと4年で治るかどうかはわかりませんが、担当の先生が試行錯誤される中でよい治療法に辿り着く日を待つ必要があると思います。不安神経症に対しても違和感に対しても薬だけでなく心理療法が有効な場合があります。この点についても精神科の先生と相談されたらよいと思います。
【相談者】2014年6月13日 G
質問2
丁寧なお返事ありがとうございます。手術をしてからもう2年近くもたち、その間に薬の副作用など精神的にかなりダメージもあり、抑うつ的な状態になっています。子供も小さく、家事は実家の母におんぶにだっこ状態。精神科の薬は飲むものの、副作用が強くだるく、眠くしかたありません。また口腔症状も思うように改善されず、疲れ果てています。
鍼灸やマッサージにも通ってみました。どうにかこの状態から抜け出したいのですが、思うようにいきません。
質問ですが
- リリカはかなり効果的でしたがトレドミンとの併用で副作用出ました。その為精神科の医師は今後使用しないと事でした。今後パキシルなど試すかもと言われていましたが、先生が効果的であると思われる薬があったら教えていただきたいです。私としては副作用がなければリリカを使いたいです。
- 私はもともと自律神経失調症がありますが、健康な方が私のような症例になった場合薬なしで過ごす場合の方が多いのでしょうか?
- ネット上の知識ですがペインクリニックでブロックする治療はもう私には遅すぎるでしょうか?
- 心理療法に適応するのかと思いますがカウンセリングは受けています。何かあと良いとおもわれる治療があれば教えて頂きたいです。
長くなりすみません。口腔外科も協力的ではなく先が見えず困っています。何度も質問して申しわけなく思いますが先生のお力をお借りできたらと思います。どうぞよろしくお願いします。
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
- 神経損傷後に生じる違和感に対しては抗うつ剤や抗けいれん剤が用いられます。抗うつ剤としてセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)であるトレドミンやノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)であるレメロンが処方されていますね。他の抗うつ薬として三環系抗うつ薬や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)があります。これらを試してみる価値があります。
- 術後の違和感を我慢できる方が一定の割合でいると思います。我慢できない方が来院されるため、我慢できる方がどの程度いるかはわかりません。どちらが多いのかもわかりません。
- 神経損傷後の直後であれば星状神経ブロックにより下唇の血行がよくなることで快復が促進されます。しかし、既に2年間たっていることから、その効果は期待しにくいと思います。
- 心理療法の一種としてカウンセリング療法があります。その治療でうまくいかないのであれば他の治療法も検討されたらよいと思います。認知行動力療法や森田療法、漸進的筋弛緩法、自律訓練法、ブリーフセラピーなどの心理療法もあるので、担当の先生と相談してみてください。
【相談者】2014年6月16日 G
質問3
親身なご指導ありがとうございます。今後どうなるか分かりませんが良くなる事を祈りながら治療。また心理療法に臨んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代
|
男性 |
2014年6月5日 |
【相談者】2014年6月5日 50代 男性
初めまして、こんにちは。一週間程前から口腔内の乾燥が激しく夜も眠れず話すのも舌が回らなく本当に辛くてどうしたら良いか分かりません
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
唾液の出方が少なかったり、口呼吸により唾液の蒸発が進むと口の中が乾くドライマウスになります。ドライマウスの症状は口腔粘膜の乾燥だけではなく、舌の痛みや味覚の異常、口臭などがありますが、口の乾きで眠りにくい症状もそのひとつであるといえます。
ドライマウスの原因は薬の副作用や口呼吸、ストレス、シェーグレン症候群など多種多様であるため、乾燥の程度や原因について診察を受けられることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性
|
2014年6月5日 |
質問1
2012年に左下唇の下の小さな唾液腺腫を取りました。その後麻痺が出現しました。しかしその冬感覚は戻ってきましたが、一部に感覚の異常な場所がありその部分に触れるのがつらく口腔外科に相談すると思うような回答が得られず。以前より自律神経失調症で通っていた心療内科に相談すると、リリカとトレドミンが処方され静養の為入院となりました。
そこで薬の副作用の口が動く、大きな不安に襲われる。などが起き精神科に紹介入院となりました。そこではデパケン、レメロン、ソラナックスが処方され口の動きは回復しましたが、大きなショックは残り「不安神経症」と診断を受けましたが、現在薬があまり効かなくなってきたのか左口唇の神経症状がつらく。レメロンが増量になりました。現在左唇が緊張したりすると左に寄る苦痛、神経違和感があまり改善しない状態にあります。
精神科と口腔外科は同じ病院でこの前口腔外科を受診しましたが、精神科に治療全部を任せとなりました。「口腔科」の医師はあと4年薬を飲めば治ると言いその根拠までは聞くことはできませんでした。症状が軽減せず困ってます。どうかよいご指導お願いします。
回答1
口唇の唾液腺腫瘍を摘出する際に麻痺が生じ、現在まで違和感が続いているということですね。腫瘍を摘出する手術をすれば必ず周辺の神経が傷つき麻痺が生じます。日にちがたてば麻痺は徐々に治っていくものです。
しかしながら一定の割合で麻痺がうまく治らず、痛みや違和感が生じることがあります。このような症状は難治性であり、いつまでも改善しない場合もあります。神経損傷に伴う痛みや違和感に対しては抗けいれん薬や抗うつ薬が有効です。そのため、抗けいれん薬であるリリカや抗うつ薬であるトレドミンが処方されたのでしょう。
抗けいれん薬や抗うつ薬はさまざまな副作用を引き起こすことがあります。口が勝手に動き続けるオーラルジスキネジアや、不安感といった副作用もあり、そのため中止されたのでしょう。
現在服用されているデパケンは抗けいれん薬、レメロンは抗うつ薬、ソラナックスは抗不安薬です。これらの薬も神経損傷による違和感を改善する働きがあります。レメロンを増量するなど精神科の先生は改善できる薬の組み合わせを模索されているのだと思います。
あと4年で治るかどうかはわかりませんが、担当の先生が試行錯誤される中でよい治療法に辿り着く日を待つ必要があると思います。不安神経症に対しても違和感に対しても薬だけでなく心理療法が有効な場合があります。この点についても精神科の先生と相談されたらよいと思います。
質問2
丁寧なお返事ありがとうございます。手術をしてからもう2年近くもたち、その間に薬の副作用など精神的にかなりダメージもあり、抑うつ的な状態になっています。子供も小さく、家事は実家の母におんぶにだっこ状態。精神科の薬は飲むものの、副作用が強くだるく、眠くしかたありません。また口腔症状も思うように改善されず、疲れ果てています。鍼灸やマッサージにも通ってみました。どうにかこの状態から抜け出したいのですが、思うようにいきません。
質問ですが
① リリカはかなり効果的でしたがトレドミンとの併用で副作用出ました。その為精神科の医師は今後使用しないと事でした。今後パキシルなど試すかもと言われていましたが、先生が効果的であると思われる薬があったら教えていただきたいです。私としては副作用がなければリリカを使いたいです。
② 私はもともと自律神経失調症がありますが、健康な方が私のような症例になった場合薬なしで過ごす場合の方が多いのでしょうか?
③ ネット上の知識ですがペインクリニックでブロックする治療はもう私には遅すぎるでしょうか?
④ 心理療法に適応するのかと思いますがカウンセリングは受けています。何かあと良いとおもわれる治療があれば教えて頂きたいです。
長くなりすみません。口腔外科も協力的ではなく先が見えず困っています。何度も質問して申しわけなく思いますが先生のお力をお借りできたらと思います。どうぞよろしくお願いします。
回答2
口唇の唾液腺腫瘍を摘出する際に麻痺が生じ、現在まで違和感が続いているということですね。腫瘍を摘出する手術をすれば必ず周辺の神経が傷つき麻痺が生じます。日にちがたてば麻痺は徐々に治っていくものです。
①神経損傷後に生じる違和感に対しては抗うつ剤や抗けいれん剤が用いられます。抗うつ剤としてセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)であるトレドミンやノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)であるレメロンが処方されていますね。他の抗うつ薬として三環系抗うつ薬や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)があります。これらを試してみる価値があります。
②術後の違和感を我慢できる方が一定の割合でいると思います。我慢できない方が来院されるため、我慢できる方がどの程度いるかはわかりません。どちらが多いのかもわかりません。
③神経損傷後の直後であれば星状神経ブロックにより下唇の血行がよくなることで快復が促進されます。しかし、既に2年間たっていることから、その効果は期待しにくいと思います。
④心理療法の一種としてカウンセリング療法があります。その治療でうまくいかないのであれば他の治療法も検討されたらよいと思います。認知行動力療法や森田療法、漸進的筋弛緩法、自律訓練法、ブリーフセラピーなどの心理療法もあるので、担当の先生と相談してみてください。
質問3
親身なご指導ありがとうございます。今後どうなるか分かりませんが良くなる事を祈りながら治療。また心理療法に臨んでいきたいと思います。本当にありがとうございました
【相談者】2014年6月3日 Y
質問1
数年前の食事中、舌の中央付近をかなり酷く噛んでしまい、表面が抉れたような状態になり、しばらくタオルで抑えて止血しました。その後傷は塞がったのですが、噛んだ部分が盛り上がったような形になり、今でも年に2,3回ほどではありますが同じ部分を同じように噛んで酷く出血する事があります。
傷が塞がったあとは痛みや痺れ、味覚障害などの自覚症状はありませんが、盛り上がった跡は残ったままであり、同じ箇所への度重なる傷は舌癌の原因になるという事を聞き不安になっています。歯科医院などで一度調べてもらった方がよいのでしょうか
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
噛んだ部分の傷が深いと、しこりが残って盛り上がる「?痕化」を起こす場合があり、そうなると繰り返して噛んでしまいがちです。
ただし何度も噛むことがガンの原因となるわけではなく、ガンの発症には喫煙や飲酒、刺激物の摂取などとの関連が疑われています。従ってこれらの問題がある場合はまず原因を取り除くことが先決です。
繰り返し噛む場合には、?痕除去術が有効でしょう。一度、歯科や耳鼻咽喉科で相談されることをお勧めします。
【相談者】2014年6月9日 Y
質問2
お返事ありがとうございます。「?痕除去手術」というのはどの程度の手術になるのでしょうか。仕事柄休みを取るのが難しく、しばらく入院となるとなかなか難しいものがあります。また治療の相談をする場合は歯科・口腔外科以外に耳鼻咽喉科でも大丈夫なのでしょうか?
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
瘢痕の広さや深さにもよりますが、外来において局所麻酔下で実施できるのではないでしょうか。手術は耳鼻咽喉科でも可能です。