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口腔外科無料相談室



放射線治療後に生じた親知らず周囲の炎症

年齢 性別 相談日
70代 男性 2011年5月21日

【相談者】2011年5月21日  70代 男性 TK

質問

下咽頭癌右頸部リンパ節転移で右根治的頸部郭清術という手術をして頂き、そして、その後抗がん剤2クールと放射線グレイ数はすみません分かりませんが、35回のうち32回しか体力の都合で受けられませんでした。

そして、今年3月に退院を致しましたが歯が痛いと言うので、かかりつけの歯科へ行きましたら歯茎も浮いていて歯科だけの領域ではないようなので口腔外科へ行って下さいと言われたので、癌の分かる近くの総合病院に行きました。そして、レントゲンを撮っていただき、口腔内を見ていただいたら、親知らずがあり、それが悪さをしている様なのですが顎の骨が溶けかかっている様ですし、骨の病気にもなっているかも知れないので抜歯をするにも出来ない状態のようで先日血液検査をして頂き少し経過を見ることになっています。

放射線終了が2月15日位でしたのでもうそろそろ3ヶ月になりますが、未だに食事もご飯にお茶をかけて食べていたり、咽て洗面所へ駆け込む始末です。一体どうなっているのか心配です。もし、骨の病気ならどの今後どうなるのか?こんな状態で再発をしたらどうなるのか?心配です。どうぞ宜しくお願い致します。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

下咽頭癌に対する放射線治療を受けられた際、下顎骨も照射影に入っていたのでしょう。32回の治療で64Gy(グレイ)か96Gyの大量の放射線が骨に当たっているとすれば、放射線骨壊死を起こす確率が高いと予想されます。

さて親知らずによる痛みは、親知らずが一部埋まっているために歯磨きで汚れを落とすことが難しく、歯肉が炎症を起こしやすい状態になっているのでしょう。通常は痛みの原因となっている親知らずを抜くことになりますが、放射線骨壊死を起こしていたりその疑いがある下顎骨の場合、歯を抜くとその後いつまでたっても治らなくなります。通常、歯を抜くと生じた穴に新しい粘膜ができて(上皮化)塞がるものですが、その新しい粘膜ができずにいつまでも骨がむき出しの状態が続くのです。さらに、むき出しになった骨面に飲食物が触れると痛みが生じるため、今よりもさらに食事が困難になってしまいます。

上記の理由により、本来抜くべき親知らずが抜けない状態のまま、放置されているのだと思います。この場合は、次善の策として親知らず周辺をできるだけ清潔に保ち、細菌感染を起こさないように注意することが肝心です。放射線口内炎が続き食事さえ困難な状態の中、親知らずの周辺をきれいにするのは大変なので、口腔外科で親知らずの清掃方法や使用器具についてよく相談されることをお勧めします。

放射線骨壊死が起こると、長い年月にわたり骨に痛みや炎症が生じやすく、悪い歯であっても自然に抜け落ちるまで温存しておくほかありません。従って、歯を悪くしないように歯磨きやフッ素製剤の使用を心がけていただくことが大切です。

頬の裏にしこりのようなものができました

年齢 性別 相談日
20代 男性 2011年5月17日

【相談者】2011年5月17日  20代 男性 H

質問

2ヶ月ぐらい前に右の頬の裏にしこりのようなものができました。口内炎かなと思い薬をつけてたのですが、しこりの大きさは変わりませんでした。今は痛みがなく、耳鼻咽喉科の先生の話だとほっとけばなおる言われましたが、いっこうに小さくならないので心配で相談しました。1センチ弱でやわらかいです。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

頬粘膜に生じたしこりの原因として、まず考えられるのが腫瘍性の病気で、唾液腺腫瘍(唾液腺ガンを含む)や脂肪腫、神経線維腫、類皮のう胞、リンパ上皮性のう胞などが挙げられます。しかし耳鼻咽喉科の診察では、上記のような病気は疑われなかったようですね。放置しておいて治るのは、リンパ節腫脹や血腫、肉芽腫などの炎症性の病気です。

大きさが変わらないとすれば、腫瘍性か炎症性か、どちらのタイプの病気であるかを判断するのは難しいですね。従って、超音波断層撮影(エコー)やCT撮影など、さらなる検査を行う必要があるでしょう。その上で、摘出して病理組織検査を行えば、最も確実な診断を下すことができます。

もう一度同じ耳鼻咽喉科で診察を受けるか、あるいは他の口腔外科や耳鼻咽喉科を受診されることをお勧めします。

下顎骨骨折後に生じたカウザルギー

年齢 性別 相談日
30代 男性 2011年5月11日

【相談者】2011年5月11日  30代 男性 d

質問

初めてご質問させて頂きます。私は、医療の知識はありません。2010年5月29日に右下顎骨折のため固定する手術を行いました。手術後、もうすぐ1年を迎えるところですが術後より右下唇から右側喉元にかけて表面の皮膚が冷たい又はむず痒いと感じる症状が続いております。

現在も通院中でして担当して下さっております先生に伺ったところ「カウザルギー」の症状がありますがその内完治するでしょう。と言われております。そこで、「カウザルギー」なる症状について2件、お聞かせ願いたいのですが1件目:自然治癒で改善されていくものなのでしょうか。もし自然治癒で改善されるのであれば、通院を取り止めようと検討しております。2件目:よく右下唇周辺がむず痒くなるため落ち着くまで何度も手で擦るように触る事が1年近く続いているのですが触り続けていても支障はございませんか。

以上、ご多忙のところ恐縮ですがご教示頂きたく宜しくお願い申し上げます。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

カウザルギーとは何らかの原因によって神経が傷つき、痛みやしびれが続く状態をいいます。下顎骨骨折の際にその中を走行する下歯槽神経が傷つき、結果としてカウザルギーが生じたのでしょう。世界疼痛学会では、1995年以後カウザルギーに代わり「複合性局所疼痛症候群Ⅱ型」という用語を使用しています。

カウザルギーは治癒が困難で症状が何年も続くとされていますが、中には自然に治るケースもあるため、治療を受けずに様子を見るという方法も一つの選択肢となります。ただし、薬物療法や星状神経ブロックを行うと改善する場合もあるため、ペインクリニックを紹介してもらい、しばらく治療を受けられるのも一案です。

また、右下唇周辺を擦るように触る行為は症状の悪化を引き起こす可能性はあるものの、血行の促進により回復への一助となる可能性も秘めています。

下唇に小さく白いぶつぶつが昨日から増え始めてしまいました

年齢 性別 相談日
20代 女性 2011年5月11日

【相談者】2011年5月11日  20代 女性 IM

質問1

二週間前から喉に痛みがあり、耳鼻咽喉科にて、抗生剤を貰いました。一週間たっても治らなかったので、別の耳鼻咽喉科へ行き、オラセフ錠250㎎とトランサミンカプセル250㎎ロキソニン錠60㎎を貰いました。また3日4日たって治らなかったら来てくださいと言われたので、一昨日同じ医院に行きました。喉頭炎を起こしているとのことでした。薬を変えて今度はクラリシッド錠250㎎とトランサミンカプセル250㎎を飲みはじめました。喉はまだ治ってません。

そして相談は、特に下唇に小さく白いぶつぶつが昨日から増え始めてしまいました。これは何なのでしょうか?写真を送りますので、もし原因やよい薬などありましたら回答お願いします。下唇

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

写真だけでは判断しづらいのですが、ウィルス性の水疱ができているように見受けられます。 口唇にできるものはヘルペスウイルスが原因となっている場合が多く、治療としては内服薬や軟膏を使用します。

【相談者】2011年5月14日  20代 女性 IM

質問2

お返事ありがとうございます。 昨日耳鼻咽喉科の先生に診てもらったのですが、はっきりと分からないそうです。白いぶつぶつは痛みはありませんが、一度消えてもまた出来てきます。

抗生物質は止めてみようという事になり、トランサミン錠のみになりました。あと家にあったケナログを塗っています。もしヘルペスウイルスの場合でも今飲んでいる薬で大丈夫でしょうか?

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

直接肉眼で見て診察されている先生が「はっきりと分からない」ものに関して、メールでお答えすることに無理があるとは思いますが、分かる範囲で回答します。トランサミンは血液を溶かすプラスミンの働きを抑制し、出血を防止するための薬なので、ヘルペスウイルスに直接的な効果を発揮することはありません。ヘルペス感染に対してはバルトレックスやゾビラックスの内服、あるいはアラセナA軟膏の塗布が有効です。

ご飯を食べる時に顎の下の辺が痛くなる

年齢 性別 相談日
40代 女性 2011年5月9日

【相談者】2011年5月9日  40代 女性 MC

質問

こんにちは。今日は前から前か気になっている事があり、相談のページがあるのを知り、書き込んでみます。半年くらい前からご飯を食べる時、最初の一口目を口の中に入れただけでじゅわっと唾液が出る感じがして時々、顎の下の辺も痛くなる(笑い過ぎてなるような痛み)ます。濃い食べ物だけではなく、白米でもなります。毎回ご飯を食べる時あるので心配です。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

下顎の下の方には顎下腺や舌下腺と呼ばれる唾液腺があり、ここから口の中に唾液が出て来ます。しかし、何らかの理由により唾液の流れが悪くなって唾液が溜まると、痛む場合があります。

原因は幾つも挙げられますが、もっとも多いケースが唾液腺や唾液が通る管(導管)に細菌が入り、感染を起こす「感染性唾液腺炎」です。この場合は炎症を起こして唾液の流れが悪くなり、導管唾石という石ができて管が詰まることもあります。また、唾液腺に腫瘍やのう胞などが生じると唾液腺や導管が圧迫され、唾液の出が悪くなる場合があります。

いずれにしても、一度耳鼻咽喉科か口腔外科を受診されることをお勧めします。

舌の痛みがあり、好きなもの好きな味で食べられません

年齢 性別 相談日
70代 女性 2011年5月7日

【相談者】2011年5月7日  70代 女性 H

質問

昨年10月ごろから、舌の先があかく痛みがありました。耳鼻咽喉科に通院し治療を受けていますが、一向に良くなりません。今は痛みが強くなり、舌も荒れていてひび割れているような感じです。

精神的にもかなり追い込まれています。毎日、時計のように時間やその日のスケジュールをきちんとする性格でお掃除大好きです。食べ歩きも好きなほうでしたが、最近は気が進ません。食べ物は、辛いもの(例えば、キムチ・明太子・お漬物など)が大好きで、醤油や味噌、ドレッシングなどの調味料は、食事時手放せなかったのですが、最近は舌の痛みがあり、好きなもの好きな味で食べられません。相当我慢していて、痛みがあり、熟睡できないのもつらいのです。

食事後はすぐにうがいをして、アズノール軟膏を塗っています。塩分のあるものを食べた後や夜になると特に痛みます。痛みが強いときは、痛み止めを服用しています。ビタミンB12、亜鉛も医師の薦めで服用しています。とにかくどうしたら良くなるか。教えて頂きたいです。よろしくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

舌の粘膜が荒れているようですね。アズノール軟膏やビタミン剤、亜鉛などは症状の改善が期待できる薬ですが、効果は見られませんか。それとも、ある程度は良くなっているものの治りきらないという状態なのでしょうか。

舌の粘膜の荒れを起こす原因としてはビタミン不足や亜鉛不足、全身の栄養状態の悪化、貧血、消化器粘膜全般の荒れ、薬の副作用、肝機能の低下など全身的な問題が考えられます。また口の中に原因を限定すると、くいしばりや歯磨き粉による害、ドライマウス、カンジダ症などが挙げられます。従って、これらの原因を探りながら治療を進めていく必要があると思います。

口腔内の粘膜にざらつきを感じる

年齢 性別 相談日
60代 男性 2011年4月28日

【相談者】2011年4月28日  60代 男性 HT

質問1

数か月前(1月下旬頃)から口腔内の粘膜にざらつきを感じる様になりました。特に入浴時、湿度の高い時、水を飲んだ時等に口腔内全体に広がり不快感が強いです。普段は口腔の奥のほうの周囲にざらつきがあります。口臭も強くなったように感じます。4月になってから特に強くなりました。

歯科、耳鼻咽喉科、口腔外科等で診てもらっても特に所見は無いとのことですし、口腔の乾燥も特にありません。また、味覚も何となく味気ない感じがし食事があまり美味しくありませんし、少しパサパサ感もあります。今までアレルギー性鼻炎は有りましたが、花粉症にしてもこんな症状は有りませんでした。

薬はいろいろ服用しています。主な薬剤は、ワーファリン、サンリズム、ブロプレス、アロチーム、ゾピクールです。薬剤の副作用とも思ったりするのですが、これらの薬はざらつき感が出る前から服用しています。

ともかく訳が分からずとても不安です。3月末で退職しましたので精神的なものが原因かとも思ったりもしていますが・・・。宜しくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

口腔粘膜の異常はドライマウスの一症状として現れるケースが多いのですが、どうやらドライマウスではなさそうですね。粘膜のざらつきが見られるものとして、他にカタル性口内炎や剥離性口内炎、白板症、多形成浸出性紅斑症候群などを挙げることができます。しかし、これらは全て肉眼で確認できる粘膜の変化を伴うため、これまでの「特に所見は無い」との診断から、可能性は少ないと考えます。

ざらつきがあるにもかかわらず明らかな異常が見当たらない場合には、「口腔異常感症」という病名が付けられます。原因としてうつや統合失調症は少数で、多くは脳内の感覚の異常によって起こり、治療は抗うつ薬や抗精神病薬などを服用する薬物療法が中心となります。

一方、口臭や味覚の低下は、ドライマウスや薬の副作用によって引き起こされるケースが多く見られます。従って唾液量の測定などを含め、ドライマウスの詳しい検査を一度受けられることをお勧めします。

www.koku-naika.com/p241psychosomaticdentistry4.htm

【相談者】2011年5月6日  60代 男性 HT

質問2

丁寧に回答いただき有難うございます。1週間ほど前より、ゾピクール(睡眠導入剤)の服用をやめ(服用しなくても入眠に支障は出ていませ。)、又亜鉛のサプリの摂取、ドグマチール(抗うつ薬)を朝夕2回の服用をし始めた所、味覚の回復とざらつきの減少等があり症状が徐々に好転してきました。

何が功を奏したかは解りませんが、ともかく不快感は減少しています。精神的にもかなり楽になりました。このまま少し様子を見ようかと思っています。又相談させていただく事も有るかもしれませんが・・・・・。有難うございました。

ドライマウスと味覚障害

年齢 性別 相談日
70代 男性 2011年4月4日

【相談者】2011年4月4日  70代 男性 HM

質問1

78歳の男性。2月下旬頃から、夜間に口中がパリパリに乾燥し、苦味を感じるようになりました。3月初旬から、晩酌のお酒の味がしなくなり現在禁酒中です。ノドの病気かも知れないと思い、耳鼻咽喉科クリニックで各種検査をしましたが、全く異常なしとのこと。昨夜、カンビールを飲みテストして見ました。2時間ほど強い苦味が残り、その後は弱い苦味になり、今も微弱の苦味が残っています。舌苔取り用のリンクで掃除もしましたが、微弱の苦味は一向に消えません。ようやくにして、舌の病気を疑うようになりました。Webで検索。貴相談室が見付かりました。よき治療方法をお教え下さい。よろしくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

口の中が乾燥するドライマウスと味覚障害が生じているようですね。味覚障害はドライマウスが原因となる場合と、ドライマウスに関係なく生じる場合があり、いずれも原因となる問題を調べて改善する必要があります。

ドライマウスには大きく分けて約10の原因が挙げられますが、そのうち頻繁に見られるのが薬の副作用で起こるケースです。従って、副作用の多い薬を服用されている場合は、担当の先生と一度ご相談ください。薬を減らす、あるいは変更することによってドライマウスが改善するケースも多く見られます。

現在78歳という年齢から推察すると、筋力の衰えにより唾液の出が悪くなっている可能性があります。対策として、口の内外の筋力を向上させるトレーニングを試してみてはいかがでしょうか。また、年齢的に頻尿や尿失禁の問題が起こっているのかもしれませんが、水分摂取を控えると当然、口が乾きやすくなります。頻尿治療薬は、ドライマウスを引き起こす代表的な薬物です。

一方、味覚障害はドライマウスの改善によって自然に解消する場合があります。また、亜鉛不足が原因で生じるケースも多くありますが、その場合は亜鉛を摂取する必要があります。その他、口の乾きや味覚の異常がストレスや不安、うつから生じる場合もあり、その場合は抗うつ薬や抗不安薬などによる薬物療法が有効です。

www.koku-naika.com/p248drymouth1.htm

【相談者】2011年4月20日  70代 男性 HM

質問2

樋口先生へ

ドライマウスと味覚障害のアドバイスありがとうございました。6年前から夜間頻尿治療薬(ハルナール)を連用していますが、ドライマウス、味覚障害症状は起きていません。

ただ、昨年12月ごろから便秘症状が強くなり、かかりつけの胃腸病院受診の結果、1月からマグラックス錠(酸化マグネシウム)を飲用しています。当初、毎食後3錠の処方がありましたが、下痢が強いため主治医に連絡し、毎食後2錠、さらに1錠に減らし、現在では就寝時1錠にしています。この薬の副作用として主治医から「下痢」を告げられていますが、独自に調べてみると「口渇」が見つかりました。当分の間、「就寝時の連用をストップし様子を見ることにします」。

症状の好転がない場合、大学病院のドライマウス外来受診も視野に入れております。ありがとうございました。

メラノーマの予後

年齢 性別 相談日
20代 女性 2011年3月16日

【相談者】2011年3月16日  20代 女性 T

質問

口腔内に出来るメラノーマについて質問です。口の中にメラノーマが出来てしまったら助かる可能性は低いとネットで見かけたのですが、本当ですか?例えば毎日自分で小さな鏡を使って口の中をチェックし、それらしきものを発見したらすぐに病院に行けば大丈夫なのですか?出来てしまった時点でアウトなのか。早期に治療すれば命に関わることはないのかが知りたいです。今現在そのような症状があるわけではありませんが、ネットの情報で少し不安になったので質問致しました。ご回答よろしくお願い致します。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

悪性黒色腫(マリグナント・メラノ―マ)は皮膚や粘膜のメラニン細胞がガン化し、黒い腫瘤を作る病気ですが、発生頻度が低いので毎日口の中をチェックする必要性はありません。

発生しやすいのは口蓋粘膜(上の歯の内側の粘膜すなわち口の天井部分)で、この部分の色調の変化は見つけにくいものですが、内臓に生じるガンよりは見つけやすいため、助かる可能性も高いといえます。

また、たとえ不幸にしてメラノ―マに罹患しても、腫瘍が小さいうちに切除してしまえば、再発や転移の心配はほとんどありません。つまり、早期発見によって治癒する病気なのです。

舌小帯短縮症

年齢 性別 相談日
40代 女性 2011年3月12日

【相談者】2011年3月12日  40代 女性 U

質問

16歳の息子ですがかつぜつがあまり良くありません。舌が短く先がひきつっているような感じがします。ハート舌というのでしょうか この年齢で治るでしょうか。もし手術するのならどんな手術でしょうか よろしくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

舌が短くなったりハート型になったりするのは舌の形や大きさに異常があるためではないと思います。舌の下面(裏面)から口底部にかけて「舌小帯」という薄い筋状の構造があります。この舌小帯が短いと舌の動きが悪くなりひきつったようになります。

この状態を「舌小帯短縮症」といい、息子さんもこれに相当すると思われます。一番問題となるのは「ラ行」の発音が不明瞭となることです。治療法は舌小帯を切開して延ばす手術をすることです。局所麻酔でしかも短時間で可能な手術であり、機能も形態も正常化します。