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年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性 |
2011年7月24日 |
【相談者】2011年7月24日 40代 女性 Y
質問
こんにちは、左下6・7番の無髄歯の歯根再治療についてお伺いします。一年以上前から、左下7番の奥歯の頬側側のポケットが10ミリ近くあり、歯がグラグラして、歯茎が腫れ激痛を伴う事が度々ありまして、抜歯やむなしとの事でした。評判の良い医院に転院した所、不正咬合によるものなので、根管治療で残存可能とのことで、今年5月から治療開始しました。
また同6番の歯根の下にも大きな炎症の影がかなり以前から有りました。こちらは慢性炎症安定状態でしたが、医師の判断でこちらも根管治療で治るとの事で、6月頃から併用して治療開始しました。所が6番の根管の詰め物を除去した所、急性症状が出て、大きく腫れ、その後、何度も洗浄等を行っていますが、一向に良くなる兆しがありません。また最近、頬側側にフィステルが出来て、膿と出血が続いております。現在6番は、根管に綿だけ詰めて、セメントをせず、週1回洗浄をして、抗生物質とロキソニンを服用し続け、様子を見てる状態です。このままで良くなるものでしょうか?また自宅でもイソジン等で毎日消毒したほうが良いでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
根尖病変があるという理由から、何も症状のない左下6番をエックス線上で治療したら、急性症状が生じたということですね。実際に時々起こることではありますが、残念ながら治療前にはこのような急性症状が生じるかどうかは予想できないものです。
根尖病変は細菌感染による炎症のために骨が溶けて生じますが、病変部分は酸素分圧が低い嫌気環境にあります。そのため細菌の活動性は低く、通常は強い炎症症状が生じることはほとんどありません。ところが、いざ治療の段になって歯冠修復物や根菅充填材を取り除くと、酸素が病変部に供給されるため、細菌が活発に増殖する場合があるのです。結果として急性炎症が生じ、組織内圧が高まって強い痛みが出るのです。
また、炎症が持続すると根尖病変の周囲の骨が破壊され、膿の出口であるフィステル(瘻孔)が生じて歯肉や顔面が腫れると同時に組織内圧は低下し、痛みは軽減します。現在はそのような状態なのでしょう。
さて、1ヶ月間根菅内からの排膿や出血が続いているということから、実際のところかなり難しい状態であると推測します。今後徐々に症状が改善して治る可能性もあるでしょうが、いつまでも治癒することなく抜歯しか選択肢はないという結論が出るかも知れません。
自宅でできる対応は特になく、イソジンうがい薬に治す効果は期待できません。気長に治るのを待つか、諦めて早めに抜歯するかについて担当の先生ともう一度、よく相談されることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
70歳以上 |
男性 |
2011年7月20日 |
【相談者】2011年7月20日 70歳以上 男性 TT
質問
のどのあたりがネバネバして、たんが溜まったように気持ち悪く、飲み込むことができなくて、食べ物ものどを通らなくなってしまいました。歯科大学附属病院で診てもらいましたが、異常はないということで、がまんを続けていますが、改善しないまま1年が経ち、食事をとれないため、体重が10キロもおちました。
なんらか原因を見つけて、治療したいのですが、どちらに相談すればよいか、わかりません。ぜひご教示お願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
「のどのあたりがネバネバする」という点から、ドライマウスが第一に疑われます。「たんが溜まったように気持ち悪い」ということですが、本当にたんが溜まっているのなら気管支炎や咽頭周囲炎、鼻炎、副鼻腔炎の可能性があります。また、「飲み込むことができない」のなら摂食嚥下障害や唾液嚥下障害が疑われます。
まずはこれらの異常が実際にあるのか否かとその程度、原因となる問題の有無などについて、ひとつひとつ詳しく調べる必要があります。万一何の異常も見つからないということであれば、「咽喉頭異常感症」や「口腔異常感症」が該当します。その場合は、抗うつ薬や漢方薬などの薬物療法が治療の中心となります。
その他、うつ病の身体症状としてこのような症状や体重減少が生じる可能性も考えられ、その場合は精神科や心療内科での治療が必要となります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
60代 |
女性 |
2011年7月20日 |
【相談者】2011年7月20日 60代 女性 TM
質問1
半年前、重い風邪をひいたあとから体調を崩し、口内にドロッとした泡のような唾液が異常に出るようになり、一日中うがいをしたり、ティッシュで拭き取ったりしています。夜中も口にたまってくるので、何回か目が覚めた時にうがいをしています。
その他、全身がだるく、食欲がない、肩こり、首の痛み、目の奥が痛い、頭がしめつけられるような痛みという症状が次から次へと続き、内科耳鼻科などであらゆる検査をしましたが、特に異常がありませんでした。困り果てていたところ、漢方に詳しい内科の先生にめぐりあい、原因はわからないものの症状に合わせて漢方薬を処方してもらっています。
今回、このサイトをみつけ口腔の異常という病気があることを知りました。この病気の専門医は近くにいませんので、私の症状、及び今後について何かアドバイスしていただけることがありましたら、どうかお願いいたします。(なお、検査の結果、ドライマウスではないとのことです。)
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
唾液が異常に出る「唾液分泌過多」という症状がありますが、その場合はさらさらの唾液がどんどん出てくるので症状が異なります。唾液が出過ぎるのではなく、出てきた唾液をうまく飲み込めない「唾液嚥下障害」が疑われます。
くいしばりが強く肩に力が入って首筋が凝っていると、唾液がうまく飲み込めないことがあります。その場合は、くいしばらないように注意して肩や首の筋肉をリラックスさせると、唾液が溜まらなくなります。
一方「全身がだるい」「食欲がない」といった症状から、うつ病の可能性も考えられます。うつ病の身体症状として口の中が気持ち悪くなり、我慢できなくなるケースもありますが、その場合は精神科や心療内科での治療が必要となります。
【相談者】2011年7月22日 60代 女性 TM
質問2
こんにちは。お忙しい中、早速ご返信いただき、本当にありがとうございました。
「唾液嚥下障害」ではないかとのことですが、まさに飲み込めないことが問題なのかもしれません。さらさらの唾液ならば飲み込めそうですが、粘液性のものなのでつい出してしまいます。
口の中がベトベトし、のどに詰まってしまって辛い時は、ハーブの入った飴をなめています。この時は、楽に飲み込めているのです。たぶんに精神的なものもあるように思います。ただ、あまりこの飴をなめていると、舌が荒れてしまいますので、なかなか思うようにいきません。
ストレスをためないようリラックスするとともに、心療内科などにかかることも考えてみたいと思います。
本当にありがとうございました。先生のますますのご活躍をお祈り申し上げております。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性 |
2011年7月19日 |
【相談者】2011年7月19日 40代 女性 G
質問
私のいとこの女性(55歳)が歯根嚢ほうで、手術を勧められたらしいのですが、顎の骨を削るとは、顔の外見に影響するくらい削るのでしょうか?嚢ほうは良性らしいのですが、3年ほど前に乳がんの手術をしており今もホルモン療法をしているので、心配しています。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
歯根嚢胞とは、虫歯菌が歯を蝕んだ刺激により歯の根周辺の骨の中に袋状の病巣ができる病気をいいます。歯の神経を取る治療、すなわち歯内療法を行えば治るケースが多いのですが、おそらく治療をしても治らない、あるいは歯内療法ができない状況なのでしょう。その場合は、手術を行ってのう胞自体を摘出することになります。
この手術は、外来で局所麻酔下にて行う比較的簡単な手術であり、外見に影響を及ぼすをこともありません。ホルモン療法中でも手術は可能ですが、手術前には歯科と婦人科の各担当医が情報を交換することが望ましいと思います。
www.koku-naika.com/p387apicotomy.htm
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
男性 |
2011年7月19日 |
【相談者】2011年7月19日 30代 男性 Z
質問1
4月初旬頃、左下口唇に粘液のう胞ができて5月27日に口腔外科を受診。担当医に「切除しましょう」と言われ、そのまま外科手術。手術時に麻酔をしたので、翌週に抜糸するまで痺れもこんなものかと思っていたのですが、抜糸をしてからもいっこうに痺れはひきません。
抜糸から2週間たった頃におかしいと思い、担当医に電話したら「神経を傷つけたつもりはないが、痺れがあるならそれを改善する薬を飲んだらいい。ただ当院では薬を出せないので大学病院を紹介する」ということで大学病院に行きました。
しかし病院では「痺れが完全に取れることはない」と言われ、とりあえずメチコバールを処方され服用しています。薬を飲んで3週間、いっこうに良くなる気配もなく、食事をするのも言葉を発するのにも不自由しています。
最初の歯科クリニックでは、手術における後遺症?についての説明も何もなく、今こんなことになってすごく憤っています。
そこでお聞きしたいことは次の2点です。一つは、いつかは麻痺が完全に消滅し元のような感じになるのかどうか。二つ目は、手術のリスク説明もなく手術をしたクリニックに対して賠償責任義務はないのかどうかです。よろしくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
粘液のう胞の手術に限らず、切開して患部を切り取る手術には、周辺の神経を損傷してしまうという危険性が伴います。わたしたちの体のほぼ全ての部分において、神経が網の目のように張り巡らされているため、メスを入れると必ず神経が切断されて麻痺が生じるのです。
残念ながら、通常は切断された神経が再生されることはありません。しかし、周辺の神経が伸びてくると、数ヶ月から数年の時間を要するものの感覚は回復していきます。もちろん術後2ヵ月に満たない現時点で目立った回復は期待できませんが、ビタミンB12製剤であるメチコバールを内服することにより回復の早まりを期待できます。
一方、術前に説明がなかったことが「説明義務違反」に該当するのか、またどの程度まで説明する必要があるのかという点については、法律の専門家に相談されることをお勧めします。
www.koku-naika.com/p453mucocele1.htm
【相談者】2011年8月2日 30代 男性 Z
質問2
お忙しいなか早速のお返事をいただきましてありがとうございます。依然としてしびれは取れませんが、服薬しながら気長に治療していきたいと思います。 なお、説明義務に関しては、知り合いの専門家にも相談しながら対応していきたいと思います。
この度はご丁寧な回答をいただき、誠にありがとうございました。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
女性 |
2011年7月2日 |
【相談者】2011年7月2日 20代 女性 SM
質問
はじめまして。このたび親知らずを抜いて5日目になります。執刀医となかなか上手く話せず(忙しい方みたいで)それでも心配なのでここで質問させてください。長くなってしまったので二回に分けます。
右の上下の親知らずを抜きました。下の方が歯茎に埋まっていてなおかつ横向きに生えているもので、肉を切り、あごの骨を削り、歯を分断して取り除きました。その時に顎に二度ほどビリビリと衝撃が走ったんです、神経をさわった?んだと思います。それ以降、右下の唇、顎、右側の前歯から右奥に向かって四本の歯、とその下に生えている歯ぐきがびりびりと麻痺したようになっています。
触っている感覚があるなら神経は切っていない、しびれが治らない可能性は説明したといわれ、何も言えませんでした。でも、これからずっとなんて凄く辛いです。顔を洗うたびにビリビリしたり、笑おうとしても意識して力をいれないと口角が上がりません。コップを口にあてると違和感、寝るときにシーツが当たるとビリビリ・・・ビタミン剤を貰ったのですが、特にどれくらいで治るかは言われませんでした。不安です。他に治療法はないものなのでしょうか?つづきます。
また、生活で気をつける事はありますか?ピリピリしている部分は動かしたほうがいいとかありますか?煙草やお酒は何も言われなかったのですがどうなのでしょうか?また三日目に異様に腫れと痛みが凄くて病院いったらなんかつめてる?と聞かれてガーゼが入ったままだったみたいなんですが。。。特に問題ないんでしょうか?(その時に抜いてもらいました)初歩的な質問ばかりでスイマセン。答えていただけたら幸いです。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
下顎の親知らずの根の先付近に下顎管という顎骨の中の管があり、その中に下歯槽神経や下顎槽静脈という血管が通っています。
親知らずを抜くときにピリピリと感じ、抜歯後に下唇などの感覚異常が生じたということは、おそらく神経が傷ついたのでしょう。ガーゼを入れてあったということから、血管も傷ついて出血が多かったため、ガーゼで抜歯窩を塞いで出血を止めたと推測します。
しかし、幸いなことに触っている感覚があるということは、神経が完全に切れてしまっているわけではないようです。部分的な神経損傷であれば、たとえ時間がかかってもいつかは治ることが期待できます。下歯槽神経麻痺は3か月以内に半数が治るといわれていますが、6か月を過ぎても症状が続くケースも三分の一程度はあると報告されています。
治療法にはビタミンB12やアデホスの内服、星状神経節ブロック、はり治療、温熱療法、マッサージなどがあります。煙草やお酒を特に制限する必要はありません。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代 |
女性 |
2011年6月27日 |
【相談者】2011年6月27日 30代 女性 FM
質問
56歳の母の事で質問させてください。6年ほど前からうつ病を患っており、3年前に舌痛症と診断されました。何軒か病院を訪ねましたが、今、うつ病の薬を飲んでいるため治療方法がないと言われ今に至ります。なんとか痛みを取ってあげたいのですが、うつ病と舌痛症を併発している場合は治療方法はないのでしょうか。宜しくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
舌痛症の治療薬には抗うつ剤も含まれますが、他に鎮痛剤や抗けいれん薬、亜鉛製剤、ビタミン剤、漢方薬、麻酔薬、抗真菌剤など、さまざまな種類があります。従って、うつ病で抗うつ剤を服用中であっても、舌痛症に対する治療手段はいくつもあります。
抗うつ薬を飲まれているということですが、現在多く使用されているSSRI(デプロメール、ルボックス、ジェイゾロフト、パキシル)は痛みを抑える働きが弱い薬剤です。最も鎮痛作用が強いのは三環系抗うつ薬で、四環系抗うつ薬、SNRI、NaSSAも痛みを抑える働きがあります。SSRIを服用されている場合は、他の抗うつ薬に変更することも併せて、一度ご相談されてはいかがでしょうか。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
女性 |
2011年6月25日 |
【相談者】2011年6月25日 20代 女性 Y
質問
はじめまして。わたしは1週間前程から顔の右半分がしびれています。(舌もです。)親知らずや、虫歯、歯軋りなどでこの様な症状が出る事はありますでしょうか?何となく歯も痛い気がします。(しかし、どこが痛いのかはっきり分かりません)
最近は寝るときに少し気になるほど痛みがあります。ほっぺたも少し赤い気がします。お手数ですが、お返事お待ちしております。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
顔の右半分がしびれているということですが、筋肉が動かないのでしょうか?それとも感覚が変化したり、なくなったりしている状態なのでしょうか?前者なら顔面神経麻痺、後者なら三叉神経麻痺の疑いがあります。
これらの神経麻痺の原因はさまざまで、ヘルペスウイルスや脳・骨の腫瘍、血管の異常、多発性硬化症などが挙げられます。ただし、歯や歯ぎしりが原因でこのような麻痺が出現することはありません。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
男性 |
2011年6月25日 |
【相談者】2011年6月25日 20代 男性 T
質問
こんにちは。不安なのでお訪ねさせてください。右奥の水平埋没知歯を抜歯したところ、一週間後に突然舌の前方部分がピリピリとしびれ始め違和感を感じています。私は小学生のころからパニック障害があり、メンタル面では一般の方より不安定な部分があります。一番問題なのは舌のピリピリに囚われて不安が増殖してしまい、パニック障害が再発してしまいそうなことです。
この場で効くのも不躾なのですが、この症状は治るものでしょうか?また、抗うつ薬と抗不安薬が有効だと聞きましたが、今かかっている精神科の医師に治療をゆだねてもいいですか?どうかよろしくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
舌のしびれの原因として考えられるのは、抜歯によって舌の神経に損傷が生じ、しびれが出たという可能性です。下顎の埋伏智歯のすぐ内側(舌側)には舌神経が走行しているため、麻酔注射や抜歯の際に傷つく場合があるのです。
舌神経が完全に切断されると片側の舌の感覚がなくなるものですが、ピリピリする程度であれば切断されてはいないでしょう。回復するには日にちを要するかもしれませんが、いずれは元の状態に戻るはずです。ビタミンB12の内服や星状神経節ブロックが、回復を助ける手段として有効です。
ただし舌のしびれは舌神経の損傷ではなく、「舌痛症」の症状かもしれません。食事中は症状が軽快し、何もしていない時ほど症状が強くなるのが舌痛症の特徴です。ドライマウスや食いしばりが関係しているケースもよく見られます。
舌痛症に対してはうがい薬やビタミン剤、抗真菌剤、抗けいれん薬、抗うつ剤、抗不安薬、漢方薬など、さまざまな薬が治療に用いられますが、抗うつ薬が効果的な場合が多いといえます。
舌のしびれが神経の損傷によるものなのか、それとも舌痛症が原因なのかについて、精神科の先生は判断できないかもしれません。従って、抜歯をうけた歯科で診察を受け、精神科での薬物療法の必要性について判断を仰がれることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
男性
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2011年6月25日 |
質問
こんにちは。不安なのでお訪ねさせてください。右奥の水平埋没知歯を抜歯したところ、一週間後に突然舌の前方部分がピリピリとしびれ始め違和感を感じています。私は小学生のころからパニック障害があり、メンタル面では一般の方より不安定な部分があります。一番問題なのは舌のピリピリに囚われて不安が増殖してしまい、パニック障害が再発してしまいそうなことです。
この場で効くのも不躾なのですが、この症状は治るものでしょうか?また、抗うつ薬と抗不安薬が有効だと聞きましたが、今かかっている精神科の医師に治療をゆだねてもいいですか?どうかよろしくお願いします。
回答
舌のしびれの原因として考えられるのは、抜歯によって舌の神経に損傷が生じ、しびれが出たという可能性です。下顎の埋伏智歯のすぐ内側(舌側)には舌神経が走行しているため、麻酔注射や抜歯の際に傷つく場合があるのです。
舌神経が完全に切断されると片側の舌の感覚がなくなるものですが、ピリピリする程度であれば切断されてはいないでしょう。回復するには日にちを要するかもしれませんが、いずれは元の状態に戻るはずです。ビタミンB12の内服や星状神経節ブロックが、回復を助ける手段として有効です。
ただし舌のしびれは舌神経の損傷ではなく、「舌痛症」の症状かもしれません。食事中は症状が軽快し、何もしていない時ほど症状が強くなるのが舌痛症の特徴です。ドライマウスや食いしばりが関係しているケースもよく見られます。
舌痛症に対してはうがい薬やビタミン剤、抗真菌剤、抗けいれん薬、抗うつ剤、抗不安薬、漢方薬など、さまざまな薬が治療に用いられますが、抗うつ薬が効果的な場合が多いといえます。
舌のしびれが神経の損傷によるものなのか、それとも舌痛症が原因なのかについて、精神科の先生は判断できないかもしれません。従って、抜歯をうけた歯科で診察を受け、精神科での薬物療法の必要性について判断を仰がれることをお勧めします。