年齢 |
性別 |
相談日 |
70代 |
女性 |
2011年5月7日 |
【相談者】2011年5月7日 70代 女性 H
質問
昨年10月ごろから、舌の先があかく痛みがありました。耳鼻咽喉科に通院し治療を受けていますが、一向に良くなりません。今は痛みが強くなり、舌も荒れていてひび割れているような感じです。
精神的にもかなり追い込まれています。毎日、時計のように時間やその日のスケジュールをきちんとする性格でお掃除大好きです。食べ歩きも好きなほうでしたが、最近は気が進ません。食べ物は、辛いもの(例えば、キムチ・明太子・お漬物など)が大好きで、醤油や味噌、ドレッシングなどの調味料は、食事時手放せなかったのですが、最近は舌の痛みがあり、好きなもの好きな味で食べられません。相当我慢していて、痛みがあり、熟睡できないのもつらいのです。
食事後はすぐにうがいをして、アズノール軟膏を塗っています。塩分のあるものを食べた後や夜になると特に痛みます。痛みが強いときは、痛み止めを服用しています。ビタミンB12、亜鉛も医師の薦めで服用しています。とにかくどうしたら良くなるか。教えて頂きたいです。よろしくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
舌の粘膜が荒れているようですね。アズノール軟膏やビタミン剤、亜鉛などは症状の改善が期待できる薬ですが、効果は見られませんか。それとも、ある程度は良くなっているものの治りきらないという状態なのでしょうか。
舌の粘膜の荒れを起こす原因としてはビタミン不足や亜鉛不足、全身の栄養状態の悪化、貧血、消化器粘膜全般の荒れ、薬の副作用、肝機能の低下など全身的な問題が考えられます。また口の中に原因を限定すると、くいしばりや歯磨き粉による害、ドライマウス、カンジダ症などが挙げられます。従って、これらの原因を探りながら治療を進めていく必要があると思います。
年齢 |
性別 |
相談日 |
60代 |
男性 |
2011年4月28日 |
【相談者】2011年4月28日 60代 男性 HT
質問1
数か月前(1月下旬頃)から口腔内の粘膜にざらつきを感じる様になりました。特に入浴時、湿度の高い時、水を飲んだ時等に口腔内全体に広がり不快感が強いです。普段は口腔の奥のほうの周囲にざらつきがあります。口臭も強くなったように感じます。4月になってから特に強くなりました。
歯科、耳鼻咽喉科、口腔外科等で診てもらっても特に所見は無いとのことですし、口腔の乾燥も特にありません。また、味覚も何となく味気ない感じがし食事があまり美味しくありませんし、少しパサパサ感もあります。今までアレルギー性鼻炎は有りましたが、花粉症にしてもこんな症状は有りませんでした。
薬はいろいろ服用しています。主な薬剤は、ワーファリン、サンリズム、ブロプレス、アロチーム、ゾピクールです。薬剤の副作用とも思ったりするのですが、これらの薬はざらつき感が出る前から服用しています。
ともかく訳が分からずとても不安です。3月末で退職しましたので精神的なものが原因かとも思ったりもしていますが・・・。宜しくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
口腔粘膜の異常はドライマウスの一症状として現れるケースが多いのですが、どうやらドライマウスではなさそうですね。粘膜のざらつきが見られるものとして、他にカタル性口内炎や剥離性口内炎、白板症、多形成浸出性紅斑症候群などを挙げることができます。しかし、これらは全て肉眼で確認できる粘膜の変化を伴うため、これまでの「特に所見は無い」との診断から、可能性は少ないと考えます。
ざらつきがあるにもかかわらず明らかな異常が見当たらない場合には、「口腔異常感症」という病名が付けられます。原因としてうつや統合失調症は少数で、多くは脳内の感覚の異常によって起こり、治療は抗うつ薬や抗精神病薬などを服用する薬物療法が中心となります。
一方、口臭や味覚の低下は、ドライマウスや薬の副作用によって引き起こされるケースが多く見られます。従って唾液量の測定などを含め、ドライマウスの詳しい検査を一度受けられることをお勧めします。
www.koku-naika.com/p241psychosomaticdentistry4.htm
【相談者】2011年5月6日 60代 男性 HT
質問2
丁寧に回答いただき有難うございます。1週間ほど前より、ゾピクール(睡眠導入剤)の服用をやめ(服用しなくても入眠に支障は出ていませ。)、又亜鉛のサプリの摂取、ドグマチール(抗うつ薬)を朝夕2回の服用をし始めた所、味覚の回復とざらつきの減少等があり症状が徐々に好転してきました。
何が功を奏したかは解りませんが、ともかく不快感は減少しています。精神的にもかなり楽になりました。このまま少し様子を見ようかと思っています。又相談させていただく事も有るかもしれませんが・・・・・。有難うございました。
年齢 |
性別 |
相談日 |
70代 |
男性 |
2011年4月4日 |
【相談者】2011年4月4日 70代 男性 HM
質問1
78歳の男性。2月下旬頃から、夜間に口中がパリパリに乾燥し、苦味を感じるようになりました。3月初旬から、晩酌のお酒の味がしなくなり現在禁酒中です。ノドの病気かも知れないと思い、耳鼻咽喉科クリニックで各種検査をしましたが、全く異常なしとのこと。昨夜、カンビールを飲みテストして見ました。2時間ほど強い苦味が残り、その後は弱い苦味になり、今も微弱の苦味が残っています。舌苔取り用のリンクで掃除もしましたが、微弱の苦味は一向に消えません。ようやくにして、舌の病気を疑うようになりました。Webで検索。貴相談室が見付かりました。よき治療方法をお教え下さい。よろしくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
口の中が乾燥するドライマウスと味覚障害が生じているようですね。味覚障害はドライマウスが原因となる場合と、ドライマウスに関係なく生じる場合があり、いずれも原因となる問題を調べて改善する必要があります。
ドライマウスには大きく分けて約10の原因が挙げられますが、そのうち頻繁に見られるのが薬の副作用で起こるケースです。従って、副作用の多い薬を服用されている場合は、担当の先生と一度ご相談ください。薬を減らす、あるいは変更することによってドライマウスが改善するケースも多く見られます。
現在78歳という年齢から推察すると、筋力の衰えにより唾液の出が悪くなっている可能性があります。対策として、口の内外の筋力を向上させるトレーニングを試してみてはいかがでしょうか。また、年齢的に頻尿や尿失禁の問題が起こっているのかもしれませんが、水分摂取を控えると当然、口が乾きやすくなります。頻尿治療薬は、ドライマウスを引き起こす代表的な薬物です。
一方、味覚障害はドライマウスの改善によって自然に解消する場合があります。また、亜鉛不足が原因で生じるケースも多くありますが、その場合は亜鉛を摂取する必要があります。その他、口の乾きや味覚の異常がストレスや不安、うつから生じる場合もあり、その場合は抗うつ薬や抗不安薬などによる薬物療法が有効です。
www.koku-naika.com/p248drymouth1.htm
【相談者】2011年4月20日 70代 男性 HM
質問2
樋口先生へ
ドライマウスと味覚障害のアドバイスありがとうございました。6年前から夜間頻尿治療薬(ハルナール)を連用していますが、ドライマウス、味覚障害症状は起きていません。
ただ、昨年12月ごろから便秘症状が強くなり、かかりつけの胃腸病院受診の結果、1月からマグラックス錠(酸化マグネシウム)を飲用しています。当初、毎食後3錠の処方がありましたが、下痢が強いため主治医に連絡し、毎食後2錠、さらに1錠に減らし、現在では就寝時1錠にしています。この薬の副作用として主治医から「下痢」を告げられていますが、独自に調べてみると「口渇」が見つかりました。当分の間、「就寝時の連用をストップし様子を見ることにします」。
症状の好転がない場合、大学病院のドライマウス外来受診も視野に入れております。ありがとうございました。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
女性 |
2011年3月16日 |
【相談者】2011年3月16日 20代 女性 T
質問
口腔内に出来るメラノーマについて質問です。口の中にメラノーマが出来てしまったら助かる可能性は低いとネットで見かけたのですが、本当ですか?例えば毎日自分で小さな鏡を使って口の中をチェックし、それらしきものを発見したらすぐに病院に行けば大丈夫なのですか?出来てしまった時点でアウトなのか。早期に治療すれば命に関わることはないのかが知りたいです。今現在そのような症状があるわけではありませんが、ネットの情報で少し不安になったので質問致しました。ご回答よろしくお願い致します。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
悪性黒色腫(マリグナント・メラノ―マ)は皮膚や粘膜のメラニン細胞がガン化し、黒い腫瘤を作る病気ですが、発生頻度が低いので毎日口の中をチェックする必要性はありません。
発生しやすいのは口蓋粘膜(上の歯の内側の粘膜すなわち口の天井部分)で、この部分の色調の変化は見つけにくいものですが、内臓に生じるガンよりは見つけやすいため、助かる可能性も高いといえます。
また、たとえ不幸にしてメラノ―マに罹患しても、腫瘍が小さいうちに切除してしまえば、再発や転移の心配はほとんどありません。つまり、早期発見によって治癒する病気なのです。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性 |
2011年3月12日 |
【相談者】2011年3月12日 40代 女性 U
質問
16歳の息子ですがかつぜつがあまり良くありません。舌が短く先がひきつっているような感じがします。ハート舌というのでしょうか この年齢で治るでしょうか。もし手術するのならどんな手術でしょうか よろしくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
舌が短くなったりハート型になったりするのは舌の形や大きさに異常があるためではないと思います。舌の下面(裏面)から口底部にかけて「舌小帯」という薄い筋状の構造があります。この舌小帯が短いと舌の動きが悪くなりひきつったようになります。
この状態を「舌小帯短縮症」といい、息子さんもこれに相当すると思われます。一番問題となるのは「ラ行」の発音が不明瞭となることです。治療法は舌小帯を切開して延ばす手術をすることです。局所麻酔でしかも短時間で可能な手術であり、機能も形態も正常化します。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
女性 |
2011年3月5日 |
【相談者】2011年3月5日 20代 女性 IM
質問1
半年前から下唇に5ミリ程度の小さい粘液のう胞が出来てしまいました。大学病院に行ったところ、再発、下唇麻痺の可能性があると言われました。のう胞はまだ小さいのですが、気になって仕方がありません。麻痺の可能性は、どの位ありますか?
出来れば関東で、症例を数こなしている所でかかりたいと思っています。そのような歯科医院がありましたら紹介していただけませんか?宜しくお願いいたします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
粘液のう胞は、唇の粘膜下にある口唇腺という唾液腺が傷つくことによって生じます。周囲に漏れ出した唾液が溜まって風船状に膨らんだ結果、のう胞ができるのです。治療法は粘膜を切開し、のう胞と傷ついた口唇腺を摘出するというものです。
再発および下唇麻痺の可能性について説明を受けられ、手術への不安が募っているようですが、実際に再発するケースはほとんどないため、あまり心配する必要はありません。粘膜を切開すれば周囲の感覚(知覚)が鈍くなる場合もありますが、限られた範囲のことであり、時間がかかったとしてもいずれは元に戻ります。
粘液のう胞の摘出手術は比較的簡単なので、幾度か手術経験のある先生なら問題ないでしょう。医院のホームページ上に手術についての記載があれば、電話かメールで問い合わせることをお勧めします。日本口腔外科学会が認定する専門医や認定医、指定医、また日本臨床口腔外科医会に所属する先生であれば安心です。
【相談者】2011年3月11日 20代 女性 IM
質問2
ネットで千葉の市川の方で日本口腔外科学会専門医の資格ある先生がのっていて、相談のページがあったのでそれから決めようと思います。 樋口先生、ありがとうございましたm(_ _)m
【相談者】2011年3月11日 20代 女性 IM
粘液のう胞の手術を2週間前にしてもらいました。抜糸は一週間前にしてもらいました。 傷は見た感じはきれいですが、少し赤く、しこりのように感じてしまいます。縫ってもらったので多少は仕方ないですが、このしこりの感じはもう少しよくなるのでしょいか? 食べ物など、自分で出来る事があったら教えて下さい。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
のう胞と小唾液腺の摘出手術を受けられたのでしょうね。おそらく、下唇の粘膜に粘液のう胞があったのでしょう。口の中の傷は治りやすいといわれますが、術後の数週間は傷の範囲が硬くなってしこりができるものです。しかし徐々にしこりは柔らかくなり、いずれは消失するのでそれまでお待ちください。
ただ一つ注意すべき点は、粘液のう胞の再発です。のう胞だけを取り除き小唾液腺を残すと、再発する可能性がありますが、その場合は再度摘出する必要があります。また食物などに関して、ご自身で心掛けるべき事項は特にありません。
【相談者】2011年3月16日 20代 女性 IM
質問3
ありがとうございます。今のままなのかなと思っていたので、少し安心しました。先生が教えて下さった、口腔外科専門医の先生にやっていただいたので、今のところ再発していません。ありがとうございました。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性 |
2011年2月25日 |
【相談者】2011年2月25日 40代 女性 A
質問1
左耳の外耳道癌ならびに悪性腫瘍の耳下腺、リンパ節転移のため、昨年12月9日に手術を行い、外耳中耳耳下腺リンパ節、顔面神経、顎のちょうつがい部分の摘出を行いました。
その際にかみ合わせがずれ、マウスピースで矯正していますがまだ左右にずれています。また噛む力が極端に弱く、しかも右側でしか噛めません。左側でかむのは諦めろと医師からは言われています。
左側の顔面神経を全切除しているため、口の半分が開かないのはしょうがないと思っていますが、正常に噛む機能を回復する方法はありませんでしょうか。ちょうつがい部分を人工のものを入れるなどの方法があればうれしいのですが。以上、ご回答いただけるようお願いいたします。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
外耳道癌の手術により顎関節や咀嚼筋、皮膚、口腔粘膜を切除されたのですね。これらそれぞれの組織が口の動きに関与しているため、手術によって機能が相当失われたことでしょう。残念ながら、完全に回復することは困難です。
ご質問の人工顎関節ですが、耳下腺癌の術後の開口障害に関しては入院などの治療費も含めて全てが保険適用外であるため、費用が高額となります。
一般的には、地道に機能訓練を続けることになります。また、同時に皮膚や口腔粘膜の欠損を回復させる手術を行うと咀嚼機能の向上に役立つでしょう。
【相談者】2011年2月28日 40代 女性 A
質問2
樋口先生、ご回答ありがとうございました。もう少しだけお聞きしてもよろしいでしょうか。人工顎関節ですが、顔面神経を切除してしまった状態で動かすことは可能なのでしょうか。また高額ということなのですが、どのくらいの金額を見込めばよろしいでしょうか。
私が住む地域で人工顎関節手術に実績のある施設をご存知でしたら、お知らせいただけないでしょうか。一縷の希望を見る思いです。以上、お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
人工顎関節については厚生労働省が承認している製品がないため、健康保険が適応されません。外国製のものとしてはTMJ Joint Replacement System が米国やヨーロッパで使用を認められ、米国では年間約1000症例で使用されています。
この人工顎関節はわが国では未認可であり、今後も認可が下りる見込みはありません。対象となる症例が少ないこともあり適応申請しても採算が見込めないため、医療機器業者が申請の動きを起こさないのです。また、日本人の体格に合うか否かも不明です。厚生労働省が認可していない機材を医療機器業者が販売することは法的に禁止されているため、日本の医療機関が入手することも困難です。さらに、製品に欠陥があった場合などに個々の医療機関が全責任を負わねばならない状況を考慮すると、人工顎関節の手術を引き受ける施設を探すのはとても難しいでしょう。
また、治療費については100万円以上はかかると推測しますが、自由診療は医療機関によって金額がまちまちなので明確にはお答えできません。前述の通り、人工顎関節自体が保険適応外であるため、入院や手術に関する全ての治療費が自己負担となり、相当な出費を覚悟する必要があります。健康保険の範囲内での治療は、高額療養費制度によって一定金額以上の自己負担を免れることができますが、自由診療の場合には負担に上限がありません。
かつて大阪大学歯学部口腔外科に在籍していた当時、人工顎関節の開発と臨床応用に少し関係しましたが、研究は現在中止されています。他の大学で研究が行われている可能性はありますが、詳細は不明です。
外耳道は側頭骨の下面および下顎骨の下顎突起後方に位置しています。顎関節は側頭骨の下顎窩と下顎突起の下顎頭で構成されています。外耳道癌を切除する際に周辺の側頭骨と下顎骨も併せて切除されたのだと思います。このうち下顎突起のみをチタン製の人工顎関節インプラントとそれを下顎に固定するプレートは日本でも使用が認められており保険適応です。
側頭骨の欠損状態にもよりますが、下顎骨だけでも再建すれば顔面の非対称や噛み合わせのズレは改善可能だと思います。口が開くようになるには側頭筋や咬筋、皮膚、口腔粘膜の再建や機能訓練も必要となります。顔面の筋肉の動きを司る顔面神経が切除されていますが、他の神経が支配する下顎周囲の筋肉の働きにより開口運動は可能です。
治療については歯学部のある大学の付属病院の口腔外科で相談されるのがよいかと思います。下顎の形態的再建だけでなく噛み合わせや咀嚼機能の回復も望まれます。口腔外科以外に補綴科などの協力も必要と思われます。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性 |
2011年2月16日 |
【相談者】2011年2月16日 40代 女性 HY
質問1
何科の病院に行けばよいかわからずご相談いたします。最近頻繁に唇の裏側の粘膜(上下とも)の皮が剥けます。白くなって自然に剥け、ひりひりとした痛みもありま す。ビタミン剤を飲んでみましたが改善されません。これはどこか悪いのでしょうか?病院へ行く場合、口腔外科のある病院じゃないとわからないでしょうか?
また下の側面に歯痕があるのですが、舌癌が心配です。このまま放っておいてよいものでしょうか?よろしくお願いいたします。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
お話のように唇の粘膜が剥げる病気を「剥離性口唇炎」といい、空気が乾燥するこの時期に生じやすい病気です。ストレスやホルモンとの関係が疑われるものの、はっきりとした原因は現在までわかっていません。
治療法はまずビタミンを摂取すること、そして乾燥を防ぐことです。気になるからといって繰り返し舐めていると、悪化するので注意が必要です。
また、舌の側面の歯痕について舌ガンへの移行を心配されていますが、そのような心配は無用です。舌ガンの危険因子の第一は喫煙ですが、飲酒やスパイスの過度な摂取もガンとの関連が疑われています。
ただし、舌痕とは舌の側面に歯型がついてギザギザした状態をいい、しこりや潰瘍を伴う場合は舌痕ではなく舌ガンの可能性があるため要注意です。
【相談者】2011年2月19日 40代 女性 HY
質問2
早速のご回答ありがとうございました。的確なご診断をいただき、とてもよくわかりました。歯痕ですが、単なる歯の痕だけではなくしこりとまではいかないのですが、少しだけ白く固くなっている部分があります。喫煙・飲酒はまったくありませんが、これは1度受診をした方がよいでしょうか?またその場合は口腔外科に行った方はよいですか?よろしくお願いいたします。
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
硬くなっている部分について、ガンの可能性がないとは言い切れません。やはりメールでは判断できないため、口腔外科を受診されることをお勧めします。
【相談者】2011年2月21日 40代 女性 HY
質問3
ご回答ありがとうございました。子供の時に歯科矯正したのですが、大人になって元に戻ってしまいどうしても気になる部分があって、よく舌で押してしまうのです。その為舌に浅いですが傷ができる事がよくあって、舌癌を心配していました。浅い傷でも舌癌の原因になる可能性はやはりあるのですよね?舌癌の診断は一般の歯科でもできるのでしょうか?度々で申し訳ありません。
【回答3】口腔外科総合研究所 樋口均也
浅い傷が舌ガンになる可能性はほとんどありません。進行した舌ガンの場合は特徴があるため歯科医なら誰でも診断できると思いますが、初期の舌ガンは見慣れていないとわかりにくく、経験のある口腔外科医にかかる方がよいと思います。
【相談者】2011年2月22日 40代 女性 HY
質問4
度々のご回答ありがとうございました。大変恐縮なのですが、もう一つだけ質問させてください。
子供の頃に矯正で治した歯(上の前歯から2本目の歯)が何度治しても元に戻ってしまいます。具体的には捻転して内側に入ってきてしまうのです。矯正時に永久歯を2本抜いているので隙間があり、どうしても元に戻ってしまうようです。歯にかぶせ物をして大きくし隙間を無くせば入らないと言われ、数年前にそれもしたのですがやはりだんだんと動いているのがわかります。その為にとても気になり、ついいつも舌で押してしまいます。
こういった歯の場合どうすればよいでしょうか?また矯正をしてもその歯だけは元に戻ってしまうと思うのです。戻る為に軽い痛みがあるのと舌癌の心配があるので悩んでいます。 よろしくお願いいたします。
【回答4】口腔外科総合研究所 樋口均也
矯正治療できれいに歯並びが直ったのに、装置を外すと後戻りしてしまうことがあります。唇や舌、頬の筋力のバランス、上下の歯の接触の具合などで後戻りが起こると考えられます。これらの点を改善するか、隣の歯と何らかの方法で連結することが必要だと思います。
舌で歯を押し続けたとしても舌ガンになることはないと考えられています。心配しなくても大丈夫です。
年齢 |
性別 |
相談日 |
70代 |
女性 |
2011年2月15日 |
【相談者】2011年2月15日 70代 女性 P
質問
脳腫瘍で放射線治療とステロイドを服用しています。治療を始めて5日目程から歯茎が痛み、舌の裏全体に血豆の様なものが多数出来ています。担当医に相談したのですがはっきりとした返答はもらえず 同病院内耳鼻科の受診日まで長いので不安です。何かしら情報を頂けると 少しは不安も和らぐと思うので お願い致します。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
歯肉や舌に現れた症状は、ステロイドによる副作用との関連が疑われます。ステロイドは頭蓋内圧を下げるために投与されるのでしょうが、免疫力を下げることになるため、細菌感染を起こしやすくなるのです。歯周病もまた、歯周病関連細菌群による感染症であるため、ステロイドによって歯周病が悪化した結果、歯周部に痛みが出たのでしょう。
歯周病はきちんと治療を受けることにより、症状をなくすことが可能な病気です。歯科を受診して適切な診療を受けましょう。
同様に、舌の裏の血豆もステロイドの影響が疑われます。ステロイドは血管壁を弱くさせたり、毛細血管を拡張させたりする働きがあるため、血豆(血腫)が多発するのでしょう。
年齢 |
性別 |
相談日 |
60代 |
女性 |
2011年2月12日 |
【相談者】2011年2月12日 60代 女性 C
質問
数日前にきがついたのですが、上顎の真ん中より少し左の方がじりじり痛いのでみたら腫れていてその真ん中がすこしふくらみがあります。怖いからそのあとみてませんが今もいたいです。あついものを食べてやけどをした感じではないです。なんでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
上顎の粘膜の部分(口蓋粘膜)にふくらみと痛みがあるようですね。やけどや傷ではないとすれば、虫歯の進行によって症状が現れた可能性があります。虫歯が歯の神経を侵すと、虫歯菌が歯の奥にある顎骨までを蝕み、膿が溜まって粘膜が腫れてくることがあります。このような場合は、歯の根の中の治療が必要です。
また、虫歯以外にも線維腫や唾液腺腫瘍によって粘膜がふくらみ、その部分に細菌感染が生じて炎症を起こし、痛む場合があります。たとえば唾液腺の悪性腫瘍である腺様のう胞ガンの場合には、ガンが神経を侵して痛みが出ることがあります。また、粘膜のふくらみは口蓋隆起という骨の出っ張りであるだけで、異常とはいえない可能性もあります。この場合は、痛みの原因は口内炎とは別に存在することが疑われます。