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粘液のう胞の治療法

年齢 性別 相談日
30代 女性 2009年8月31日

【相談者】2009年8月31日 30代 女性 M

下唇の裏側にのう胞が出来ています。最初は1週間に一度腫れてきて一日で破裂するというのを3ケ月繰り返しています。最近は3日に一度になってきました。それが一箇所なのか、近い場所にもう一箇所出来て3日に一度になってしまったのかはわかりません。腫れてくると結構痛いです。

治療は唾液腺を切除してしまうしか方法はないのでしょうか?切除した部分が引きつったままになるとか、せっかく切除したのに、また再発を繰り返す人もいると聞きました。かといってこの不快な状態でずっと過ごすのも辛いです。

切除のほかに良い方法はありませんか?教えてください。宜しくお願い致します。同じ症状をもつ方は、たいていどういう処置をしてらっしゃるのでしょうか。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

粘液のう胞は、小唾液腺から排泄される唾液が組織間隙に洩れ出して溜まることにより、口腔粘膜のさまざまな場所に生じますが、最もよくできる場所が下唇です。噛んだり押したり傷つけたりすると破裂して小さくなりますが、唾液の洩れが続いていると再び膨らんできます。

根本的な治療法は、小唾液腺を含めてのう胞を摘出することです。口唇の小唾液腺(口唇腺)は直径2~3ミリの小さな組織で、容易に摘出することができます。中には傷口が引きつけるケースもありますがしばらくすると元の状態に戻り、小唾液腺をしっかり取れば再発する可能性もなくなります。

摘出以外の方法としてはレーザー照射や電気メスによる焼灼、あるいはそのまま放置して治癒を待つなどの選択肢がありますが、いずれも摘出術と比較すると効果は不確定です。

一方、口底部に生じる大きな粘液のう胞(がつ腫)に対しては開窓療法、組織硬化剤やOK-432の注入、または凍結外科療法を行う場合もあります。

繰り返し再発し痛みが伴っているという現状から、小唾液腺を含めてのう胞を摘出する方法がよいと考えられます。ちなみに粘液のう胞に対しては、摘出するかそのまま放置するのが一般的な治療態度といえます。

www.koku-naika.com/p453mucocele1.htm

【相談者】2009年9月2日 30代 女性 M]

ご親切なご回答どうもありがとうございました。摘出することにします。

いつ襲うか分からない瞬間的な痛み

年齢 性別 相談日
20代 女性 2009年8月31日

【相談者】2009年8月31日 20代 女性 J

虫歯 → 抜髄治療から耐え難い発作的な疼痛があります。治療している患部とその周辺からも突然痛みが来て、時々反対側の歯にも痛みが走ります。歯医者で非定型形歯痛の疑いがあると言われました。しかし、非定型形歯痛ではジンジンやジーンやズキズキなど瞬間的に突然襲う痛みではなく持続性の疼痛が特徴だと書いてあり不安になっています。

私の痛みはその患部から始まり周辺にも全く違う歯にも症状は現れ、いつ襲うか分からない瞬間的な痛みなのです。チクっと来たりチクチクしたり、ピリピリ来たりキンキンと来たり辛い痛みです。ですが、三叉神経痛の特徴である顔面を触っても痛みはなく不安になっています。突然来る痛みから痛みの間には痛みはなく、本当に今度いつ来るか分からない1~2秒ぐらいの痛みに精神的にも体力的にもまいっています。

神経内科と脳神経外科のどちらに行けばいいのかも分からず、薬を飲む事によって症状が無くなるどころか激しくなったらどうしようと踏み出せません。私の様な症状をどう思われますか? 誤った診断をされて変な薬を飲まされて症状が悪化したら生きていけません。今が限界の状態です。助けて下さい。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

突然生じる痛みで、かつ1~2秒で消失するということから神経痛が疑われます。顔面に生じる神経痛の大部分が三叉神経痛ですが、よく知られている原因は脳幹部分が脳動脈で圧迫されて瞬間的にけいれんするというものです。他には顎の骨の中の炎症や腫瘍、ウイルス感染など、さまざまな理由により神経が圧迫されて痛みが生じます。

また、三叉神経痛の特徴として顔面の特定の部分を触ると痛みが誘発されることがあり、「バレーの圧痛点」や「パトリックの発痛帯」といいます。中には痛みが強発されないケースもありますが、痛みが生じないからといって三叉神経痛でないとはいえません。

三叉神経痛の治療を受けるに際しては、まず原因を詳しく調べる必要があります。顎の骨の中の異常の有無を調べるのは口腔外科や耳鼻咽喉科で、脳幹部の神経、血管の走行や腫瘍などを調べるには脳神経外科か神経内科を受診するのがよいでしょう。

原因が見当たらないことがはっきりすると、それに応じた治療を開始することになります。薬による治療以外にも、神経ブロックや脳の手術(微少血管圧術)などがあります。また、薬がよく効く場合と効かない場合がありますが、痛みが強くなることはありません。

痛みに対する専門的治療は、ペインクリニック(麻酔科)が担当しています。限界の状態であるなら、早期に原因の探索や治療を進めてもらうことをお勧めします。

【相談者】2009年9月1日 20代 女性 J

担当医の歯医者は、疼痛性障害・非定型形歯痛で第一選択は抗うつ薬というのです。 突然どの歯に来るか分からず、突然襲って来る痛みでもほぼ持続性と言えて、三叉神経痛や非定型形三叉神経痛は考え難いと。 幾つかの神経内科や中央病院にも電話したのですが、そういう病気の事を知らないみたいで対処してくれませんでした。

サイトに載ってある疼痛性障害・非定型形歯痛のページと自分の症状を説明すれば心療内科や神経内科で治療し治す事は出来そうでしょうか?

症状を両方とも見てみたのですが、三叉神経痛と非定型形歯痛が合わさってる感じが自分ではするのです。 この症状が無ければ、三叉神経痛もしくは非定型形三叉神経痛じゃないと言えますか? 前にも書きましたが、顔を触ったり歯磨きしたりするような行動で痛みが出た事はありません。 食事をしていたり何かに集中している時は症状が出難く、出てもちょっと痛い感じです。

ですが、痛みはいつ来るか分からない瞬間的なチクチク、ピリピリするような痛みで1日に5~6回ぐらいです。 痛い部分がしばしば飛び火して起こります。

改善はしなくても可能性から非定型形歯痛と考えられた場合、抗うつ剤を飲む事によって症状が悪化したり拡大する事はまず無いでしょうか?それが一番不安で踏み出せない原因でもあります。 宜しくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

非定型歯痛の原因としてはストレス性と神経原性がありますが、いずれのケースに対しても抗うつ剤がよく効きます。また、抗うつ剤によって症状が悪化することはありません。

抗うつ剤の処方は心療内科や精神科が専門で、三叉神経痛の診断や治療は神経内科や脳神経外科が得意とするところです。ただし、いずれにしても現在治療を受けている歯科の担当医に紹介状を書いてもらい、専門医を推薦してもらうことをお勧めします。

www.koku-naika.com/p423orofacialpain10.htm

上唇のしこり

年齢 性別 相談日
10歳未満 女性 2009年8月28日

【相談者】2009年8月28日 10歳未満 女性 RA

はじめまして。5歳の娘の症状についてご相談します。

初めて気がついたのは8月の初めだったと思います。上唇の中心から少し右側にこりこりしたしこりのようなものができていました。娘に言われて初めて気がついたのですが、痛みなどが無く、大きくなる様子もないので様子をみていましたが、なくならないのが気になり、別件で小児科にかかった時に相談しました。

その後医大病院を紹介され診察の結果、「はっきりとは分からないが粘膜腫のようなもので、見た感じでは悪いものではなさそう。ただしこのまま残しておいて必ずなくなるとは言えないし、大きくなる前に切除するケースが多い。」と言われました。

大きさは6ミリ弱ぐらいですが、切除して唇の形が変わったり、傷が残ったりしないか気になります。このようなケースはやはり手術で取り除くパターンが多いのでしょうか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

大学病院では上唇の良性腫瘍、あるいはそれに類似する疾患(化膿性肉芽腫、粘液のう胞など)との見解で、悪性腫瘍(ガン)を疑わせる要素にも乏しく、すぐに切除して正体を調べるという必要もないようですね。

良性腫瘍であればどんどん大きくなることはなく、大きさが変化しないか、徐々に大きくなるかのいずれかで、通常は放置しておいて自然に小さくなることはありません。そのため、摘出して治してしまうのが基本的な考え方ですが、「手術が嫌だ」「こわい」ということであれば、そのまま様子を見ることも可能です。

ただし、その場合に留意すべき点が2つあります。1つは大きくなっていく場合に、どの時点で摘出するかという点です。そして、もう1つは小さくても見た目が悪かったり、食事や発音などの機能に障害が出る場合には、早めに摘出した方がよいという点です。ただ大きさが6mm弱ということから、機能的な問題が起こる可能性は低いといえます。

また、腫瘍があることによる見た目の問題や術後の変形、キズの問題については腫瘍が存在する位置によって異なります。つまり口唇の皮下、筋肉内、粘膜下のどの位置に腫瘍があるのかが問題です。皮下にある場合は唇が膨らんできて目立ち、皮膚を切開すると傷跡が見えます。一方、筋肉内や粘膜下に腫瘍がある場合は見た目の問題は生じにくいものです。

手術がためらわれるということなので、これらの点を念頭に置いて様子を見られてはいかがでしょうか。

持続的な臼歯の鈍痛

年齢 性別 相談日
30代 男性 2009年8月22日

【相談者】2009年8月22日 30代 男性 O

数年前より悩んでる症状があり、困ってる順に言いますと次のようなものです。

  1. 左上の奥歯にほぼ毎日鈍痛がある(食事中に限らない)。日によっては右上の奥歯などにもある。また痛みが普段より増しているときは1週間ほど風邪のようなだるさを伴うときがある。
  2. アゴの噛み合わせに違和感がある。特に食事のときなど困る。子供のときより虫歯が多かったため、奥歯はほぼ全体的に詰め物をしてる状態です。

①について2件ほど歯科で診てもらいましたが(レントゲン、詰め物を取るなど)わからないと言われました。副鼻腔炎の可能性もあるから耳鼻科にいってみたらと言われいったのですが、異常はありませんでした。

今朝の新聞に「虫歯がないのに歯が痛いという症状は三叉神経痛の可能性がある。口腔外科か耳鼻科、場合によっては脳神経外科の受診をおすすめする。」と書かれてありました。

私の症状からして、原因・処置法などについてお考えになることがあるでしょうか。②のことも考えますと口腔外科を受診してみたほうがよいでしょうか(相手にしてもらえるのか心配です)。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

現在の症状である左上奥歯の鈍痛に対して歯科医院で検査を受けたところ、明らかな歯の原因を認めず、また耳鼻科での診察で近接する上顎洞(副鼻腔)にも疼痛の原因を見出せなかったということですね。そこで、三叉神経痛の可能性をお考えのようですが、痛みの性質からは三叉神経痛ではないような印象を受けます。

三叉神経痛の典型的な痛みは発作的に起こる激痛であり、現在の断続的鈍痛とは大きく異なります。また、三叉神経痛の診断は脳神経外科での画像診断も有効で、テグレトールという薬物がよく効くことから、試験的にテグレトールを内服して症状が緩和するのであれば、三叉神経痛を疑うという場合もあります。

一方、三叉神経痛以外の疼痛の原因となれば、噛み合わせや習癖による咬合力負担過大を考えるケースもあります。この場合にはマウスピースによる咬合力負担軽減、あるいは緊張緩和を目的とした薬物療法も有効です。まずはお近くの医療機関で相談されるとよいでしょう。

www.koku-naika.com/p477clenching1.htm

口の中がネバネバして歯から茶色いカスが出る

年齢 性別 相談日
60代 女性 2009年8月10日

【相談者】2009年8月10日 60代 女性 IO

口の中がネバネバする。歯から茶色いカスが出る。歯からネバネバしたものが出ているような気がする。

と言った症状が数ヶ月続いています。歯科医で接着剤のようなものを使用した治療を受けた後から、上記のような症状が現れてたのですが、これは何でしょうか?歯科医で相談したところ何もないとのことでしたが、口腔外科で診察を受けた方がいいでしょうか?また、診察を受ける場合【茶色いカス】を持って行ったほうがいいでしょうか?お手数ですが、ご回答お願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

様々な可能性が考えられますが、可能性の高い例についてお話しましょう。「歯科医で接着剤のようなものを使用した治療」を受けたあとからということですが、歯周病で歯が動いているときに歯と歯を接着剤のようなプラスチックで固定して、歯を揺れにくくする治療を行う場合があります。歯周病は口の中のネバネバ感が強く出現し、同時に歯茎からの出血が歯に付着して茶色く見えることから、今回の症状に当てはまります。

またネバネバ感はドライマウスなど、唾液が出にくくなる病気の場合でも起こるものです。

結論としては、口腔外科を受診されるのがよいでしょう。茶色いカスを持って行くなら、乾燥したり古くなると何の参考にもならないため当日のものに限りますが、もちろん持って行かなくても大丈夫です。

舌のしびれ、痛み、味覚障害

年齢 性別 相談日
女性 2009年8月2日

【相談者】2009年8月2日 女性 NJ

舌(前・真ん中)にしびれを感じて3週間ぐらいになります。その内に治ると思っていましたが一向に良くならず、一部に痛みも出始めました。味覚障害もあります。舌の縁には味覚が残っているようです。

何科を受診すればいいのでしょうか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

舌の痛みやしびれ、味覚障害が生じているということから、脳内に異常がある可能性も考えられますが、おそらくはドライマウスによって舌痛症および味覚障害が生じていると推測します。

従って、まずは口腔外科か耳鼻咽喉科を受診した上、必要であれば脳神経外科や神経内科を紹介してもらうのがよいでしょう。

妊娠中の麻酔や神経を抜く治療

年齢 性別 相談日
20代 女性 2009年7月31日

【相談者】2009年7月31日 20代 女性 I

今妊娠12週です。銀歯がはがれて神経がとても痛んだので病院へ、それから1ヵ月たちました。昨日からまた痛みだし、顔がはれてしまいました。こんじすいをつけましたがまったくききません。麻酔をして、神経をぬくことは胎児に影響があるのでしょうか・・

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

妊娠中ということから薬や麻酔、歯の治療などが胎児に及ぼす影響について、ご心配されているのだと思います。結論からいうと、麻酔も神経を抜く治療も胎児に対しては特に影響がないと考えられます。また、妊娠12週ならもうすぐ安定期に入るため、歯科治療を受ける好機であるともいえます。

むしろ虫歯の痛みを我慢する方が母体や胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。また、顔が腫れるほど虫歯が進行していることから、すでに歯の神経が死んでいると予想され、麻酔をしなくても神経の治療を行える可能性が高いと考えられます。

左耳下部の違和感、痛み、腫れと喉の詰まり

年齢 性別 相談日
30代 女性 2009年7月28日

【相談者】2009年7月28日 30代 女性 N

3年前左耳の下に違和感があり、その後食事をする度痛みと腫れがあった為、近くの歯医者へ相談しました。すぐに口腔外科を紹介して頂き顎関節症の疑いとして診察を受けたのですが、痛み・腫れもひいていた為レントゲンを撮ったが異常なし。その後パンや蕎麦を食べると喉に詰まりやすく気にはなっていたのですが、痛みはなかったので病院へは行ってませんでした。

先週左耳下に違和感があり痛みとともに腫れた為、周囲の勧めで今度は耳鼻咽喉科へ行って来ました。喉に詰まりやすいと相談したのですが、そんなのしらないよ。今は腫れてるから食べずらいかもしれないけど普段は知らない。とりあえず唾液腺の炎症だね。とのこと。

見た目の怖さもありそのまま帰宅しました。薬はフロモックス・ムコスタ・レフトーゼを頂いてます。現在腫れはひいてきたのですが、痛みがとれず舌も荒れ、無理に食べると腫れるので食事を数回に分けて食べています。

やはり口腔外科へ行くべきでしょうか?食べ物が詰まる原因は何があるのでしょうか?アドバイスお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

食べ物が喉に詰まりやすいことについてはさまざまな原因が考えられますが、主なものは喉の腫瘍や炎症、形態異常、神経麻痺などです。しかし、これらの問題であれば耳鼻咽喉科で診断してもらえたはずですから、おそらく違っていたのでしょう。

それでは喉が詰まる原因は一体どこにあるのかという疑問に立ち返ると、耳下腺からの唾液分泌の低下によるドライマウスの可能性が高いと考えられます。

喉の詰まりや舌の荒れなどは、ドライマウスの代表的な症状です。

また、耳下腺の腺体や導管に腫瘍や感染、唾石、硬化性変化、萎縮など何らかの変化が起きているために、痛みや腫れが生じます。従って、耳下腺にどのような問題が生じているのかについて、詳しい検査を受けられることをお勧めします。

診察を受けるなら、耳鼻咽喉科か口腔外科がよいでしょう。

肉芽腫性口唇炎

年齢 性別 相談日
30代 男性 2009年7月22日

【相談者】2009年7月22日 30代 男性 YT

60歳になる義母の事で相談です。2年ほど前から自覚する誘因なく下口唇の腫脹が出現。再発を繰り返していました。今回近くの形成外科で生検施行したところ肉芽腫性口唇炎と診断されました。義歯などアレルギー疑いがあるとのことで金属パッチテストを行ったところ、数種類のアレルギーが疑われるとの事でした。

現在下顎の義歯を食事以外は取り外して経過を見ているようですが、あまり良くならないようです。他の医院の意見も伺ってみたいようですが、皮膚科に受診すればよいのか、口腔外科がよいのか迷っております。貴院にて症例経験があるようなら是非受診を考えております。アドバイスのほどお願いいたします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

肉芽腫性口唇炎は口唇がゴムのように硬く腫れる病気で、症状は数日から数週間続き、腫れがひいても再発を繰り返します。原因は歯周病や根尖病変などの細菌感染や金属アレルギー、サルコイドーシスなどが考えられます。

比較的まれな病気であるため私自身は数例しか診たことはありませんが、治療法としては感染源への治療、金属の除去、あるいは薬物療法などを検討することになるでしょう。

また、口腔周囲の感染原の除去は歯科と耳鼻咽喉科の領域ですが、金属の除去は主に歯科が担当します。一方、薬物療法はこれらの科に加えて皮膚科や形成外科も関与します。

歯根のう胞を放置しても大丈夫か

年齢 性別 相談日
30代 女性 2009年7月19日

【相談者】2009年7月19日 30代 女性 A

右上奥から4番目の歯の根元に歯根のう胞があります。4~5年程前からあり膿が出ては治まるということを繰り返しており、かかりつけの歯科医に相談しましたが、痛みがひどくなく私が苦にならなければそのまま様子を見てもよいと言われました。最近は膿は出なくなりましたが、歯茎は盛り上がったままです。押すと違和感はありますが強い痛みはありません。これはこのままにしておいていいのでしょうか? 

別の歯がずっと痛くて医師に訴えても虫歯ではないといわれ続けて2年。産後痛みに耐えられなくなり、もう一度訴えて診てもらうとひどい虫歯で神経を抜く処置をしました。それ以来のう胞も放置しておいていいのかと不安です。ご意見よろしくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

御心配お察しいたします。膿がでては治まるということを繰り返す歯を苦にならなければ、そのまま様子をみるようにいわれてこのままにしておいて不安なのですね。別の歯で痛んだ歯の対応において不信感もあるということ。歯科医師との信頼関係が崩れているのは、不幸なことです。私の回答で信頼関係を再構築するお手伝いになればと思います(もしくは、別の医院に移って、新しく構築なされるかですね)。

歯根のう胞などの根尖病変は、身体の抵抗力がおちたりして急性化して、圧力が高まり、痛みが出現することがあるのですが、膿が出て治まるということは、圧力が高まるまえに膿の出口が開いてしまうということで、痛みが出現しにくいのです。そのまま様子を見るということは、治療を開始しても治癒の見込みが少ない、かえって急性化する恐れがあるetcの理由で、手をつけられていないのでしょう。もしかすると根がわれている(歯根ハセツ)の疑いが強いのかもしれません。

放置しておいても大丈夫かという質問ですが、痛みの出現の可能性が低く、治療をするにも治癒する可能性が低いという状況だと思われますので、放置という選択が妥当なのかもしれません。

【相談者】2009年7月31日 30代 女性 A

丁寧にアドバイスしてくださりありがとうございました。やはり不安が大きかったので違う歯科医院に行きました。前の医院では「もう虫歯はありませんよ」と言われていたのに、数日後今の医院に行くとまだ治療が必要な虫歯が数箇所ありました。しかも神経の処置をしたところは中で化膿しており再処置が必要と言われました。

もう少し早く治療できていればこんなことにはならなかったのではないか…と悲しくなりました。でも思い切って医院を変わって良かったです。そこの先生は分かりやすく丁寧に説明をしてくれ、患者の意見も聞きながら治療をすすめてくれるので、信頼して治療が受けられそうです。歯根のう胞の部分の治療もしてくれるようです。本当にありがとうございました。