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口腔外科無料相談室



術後性上顎嚢胞の手術

年齢 性別 相談日
2013年11月3日

【相談者】2013年11月3日  I

質問1

術後性上顎嚢胞の手術は耳鼻咽喉科または口腔外科で手術が可能ですが口からの手術で耳鼻咽喉科から口腔外科にまわすのは責任転嫁のような気がします口腔外科と耳鼻咽喉科では手術のやり方が違うのでしょうか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

術後性上顎嚢胞は上顎洞炎(いわゆる蓄膿症)の手術の後、10~20年が経過して生じる可能性のある病気です。従来法では口の粘膜を切開し、上顎洞内にある嚢胞を摘出する手術で対応していました。また、耳鼻咽喉科でも口腔外科でも手術方法に特に違いはありません。

しかし近年は鼻内視鏡の技術が発達したことから、鼻から内視鏡を入れて嚢胞に穴を開ける開窓術を行うことが多くなり、耳鼻咽喉科で行われています。

さて、耳鼻咽喉科から口腔外科に回されたということですが、口腔外科に従来法の手術が得意な先生がいるのではないでしょうか。

あるいは、最初に手術したのが口腔外科だったことや、嚢胞摘出の際に抜歯や歯根端切除術を同時に行う必要があって回されたのかもしれません。

上記のように何らかの理由があるはずですから、もう一度説明を求められることをお勧めします。

【相談者】2013年11月7日  I

質問2

ご回答ありがとうございました。歯の根っこの治療が必要でしたが歯の根っこの治療は口腔外科では行っておりません。

:大学病院では歯内治療科または開業医の歯科医院で行っております
:前回の手術と同じ耳鼻咽喉科でやって貰おうと思ったのですが鼻からしか手術をしませんという事でした

一泊二日で全身麻酔で行う耳鼻咽喉科がありますのでそこで行います。

:日本の病院は入院日数が長いです

病棟の看護師長はベットの稼動率を上げる事を考えていますが私は協力するつもりはありません。

1年前に左上6番の虫歯治療をした後から同部位の慢性的な痛みに悩んでいます

年齢 性別 相談日
30代

男性

2013年11月1日

質問1

お世話になります。1年前の夏に左上6番の虫歯治療をした後から同部位の慢性的な痛みに悩んでいます。半年くらい前からは関連するのか、会話時に左舌が左上6番に擦れる感じもあります。

虫歯治療時に露髄したため、覆髄して仮歯で様子を見ていました。痛みが続くため今年1月にもう一度レントゲンをとってもらいましたが、問題ないとのことでした。今年4月に金歯を被せた後、噛み合わせの違和感が強くなり、研磨などしてもらいましたが改善しません。

不思議なことに食事中は落ち着いており、例えばガムを噛みながら話すと歯の痛みや舌の違和感はあまり気になりません。非歯原性疼痛なのでしょうか?

回答1

虫歯治療の際に露髄したということなので、虫歯が歯の神経にまで達していた可能性が高いと思われます。歯の神経に虫歯菌が感染すると歯髄炎が生じ痛みます。その炎症が今も続いているのであれば、慢性的な痛みが持続しているのも当然だと言えます。

いったん歯髄炎が生じても、侵入してきた細菌の数が少なければ、生体が持つ抵抗力で細菌が死滅する場合もあります。その場合は歯髄炎が治まり痛みがなくなります。現在、歯髄炎が持続しているのか、はたまた歯髄炎が消失したのか、文面の情報からは判断することができません。食事中やガムを噛んでいるときに痛まないことを考えると、歯髄炎が治っている可能性も高いと思います。

歯髄炎が治っているとすると、この痛みは非歯原性歯痛ということになります。非歯原性歯痛の原因はいくつもあります。もっとも多いのは歯ぎしりや食いしばりから来る筋・筋膜痛です。この場合は歯の近くにある咬筋や側頭筋が痛んでいることになります。

露髄した際に神経が傷つき神経障害性疼痛が生じている可能性も考えられます。副鼻腔炎や虚血性心疾患、脳腫瘍、 脳梗塞、偏頭痛、群発頭痛で痛んでいる場合もあります。ストレスなどの心理社会的要因で痛む疼痛性障害もあります。いくら調べても原因がわからない場合には特発性疼痛といいます。

質問2

早速のお返事をありがとうございました。大変参考になりました。痛みを感じる部位のメインは左上6番なのですが、短時間だけ右上6番や上の前歯全体が痛むことがあります。現在は会話時に左上6番が左下6番と当たると痛み、舌も擦れる感じが出て困っています。食べ物を噛みながら喋ると苦痛がないのですが…。

歯科クリニックで話しても不思議がられ、気のせいだと一喝されましたが、半年たってもあまり変わりません。

気になるのは半年前に左上6番に金歯を入れたときに違和感があり、その後の受診でドクターからも「噛み合わせが変わった」と言われたことです。そこで複数歯の噛み合わせを調整され、さらにおかしくなり、自分の口の中ではなくなったように感じました。

無意識に痛みを避けるようにして噛み合わせが変わり、顎の周囲の筋肉が硬直して、このような複雑な症状を呈することはあるのでしょうか??

回答2

口の中のいずれかの場所に痛みがあると、それをかばって噛み合わせが変化することがあります。その結果、他の部分にも影響が及び痛みが生じる事があります。

右上や前歯に痛みが生じたのはこのような理由かもしれません。それぞれの部分に別の問題が潜んでいる可能性も考えられます。

いずれの部分の歯にも問題がない場合もあります。全体的に歯肉に炎症がある場合はあちこちが痛みます。歯ぎしりやくいしばりがあれば筋・筋膜痛が生じ、あたかも歯が痛んでいるように感じられます。ストレスなどの心理、社会的要因があればいろいろな場所に痛みが生じます。

右上の奥の歯が痛いというか頬骨からボーッとした感じ

年齢 性別 相談日
30代 女性m 2013年10月30日

【相談者】2013年10月30日  女性m

質問1

はじめまして。右上の奥の歯が痛いというか頬骨からボーッとした感じで、歯が膿んでるのかと思い歯科に行くと、食いしばりと言われました。ネットで調べてみたのですが、歯茎が膨れているのは、食いしばりの隆起だと書いていました。

歯軋りや食いしばりは以前からあり、耳前の頬骨辺りを押すと痛みがあります。食事で噛みしめる時に痛みはなく、歯だけ噛み合わせると歯が浮いてる感じがします。時々忘れる位何も症状がない時もあります。

別の歯なんですが、銀歯を被せた歯の側面の前よりの銀歯と歯茎との境目に穴のような段差があり黒く、神経を抜いているので痛みはないのだと思うのですが、虫歯の可能性が高いでしょうか?銀歯が剥げるとかあるのでしょうか?長々と質問すみません。回答宜しくお願い致します。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

耳の前部分が痛むことから、顎関節か咬筋が痛んでいると推察します。歯ぎしりや食いしばりが主な原因なので、これらから顎関節や筋肉を守る必要があります。

歯ぎしりが原因の場合は、ナイトガード(スプリント)と言う装置を作製して就寝中に使用し、食いしばりが原因である場合は食いしばらないように注意しましょう。

【相談者】2013年11月2日  女性m

質問2

私の耳の前が痛いのは、やはり顎関節症ですかねぇ。昨日ぐらいから押すとかなり痛みがあります。頬骨を伝って耳の前に繋がっている骨なんですが、それも顎になるのでしょうか?

他院で聞いたところ、歯根の膿・上顎洞炎(蓄膿症)・顎関節症のどれかじゃないかと返信ありまして、調べてみると上顎洞炎に近いのかなとも思うのですが、鼻の症状はなく歯性が原因であれば抜歯とか書いてあって、病院に行くのが怖くなってしまいました。

神経のない歯根に膿が溜まった場合、神経がないので痛みはないのでしょうか?何度も質問すみません。お時間ございましたら、回答お願い致します。

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

頬骨を伝って耳の前にある側頭骨の下顎窩部分と下顎骨の下顎頭部分により、顎関節が構成されています。痛みの箇所が顎関節の部分と推定できるため、顎関節症の可能性が高いといえるでしょう。

ただし、上顎洞や上顎大臼歯の根尖部分もこの付近にあるので、上顎洞炎や根尖性歯周炎の可能性も考えられます。神経がない歯根でも周囲の骨や歯根膜には網の目のように神経が張り巡らされているため、痛みは脳へと伝わります。そのため根尖に膿が溜まる炎症があれば、当然痛みはあるでしょう。

【相談者】2013年11月5日  女性m

質問3

顎関節症の可能性が高いんですね。寝て起きると歯が痛だるい時があったり、頭の付け根も凝ってるような感じがします。

2年前に右下奥の虫歯治療した時に、今気になっている歯が、横を向いて寝ると噛み合わせがズレているような感じでボーっとなったり頭痛がしたり、しばらく続いて治ったことを思い出しました。炎症の前触れだったのかなと思ったりしてるのですが、今回症状再発したのは、歯科で口の掃除をしてもらって数日してからです。それから4ヶ月経っていますが、その間、マシになったりひどくなったりです。

根尖性歯周炎というのは、どのようにして治療するのでしょうか?噛みしめて痛みがなくても、上顎洞炎や根尖性歯周炎の可能性があるのでしょうか?普段は、何もしていなくても、歯に物が詰まった詰まった感じがしたり、ボーっとした感じがします。普通の歯科より、口腔外科に行った方がいいのでしょうか?

【回答3】口腔外科総合研究所 樋口均也

頭の付け根が凝るのも顎関節症を疑わせる症状です。歯をかばって噛み合わせが変化し、顎関節にかかる負担が強くなって痛みが生じることがあります。また、長く口を開け続けることも顎関節への負担となるので、数日後から痛みが続いているのかもしれません。

根尖性歯周炎は歯の根の中や根の先の周囲に細菌感染が生じることによって起こり、虫歯が一番進行した状態ともいえます。治療法は歯の根の治療、即ち歯内療法(感染根管治療)です。

以前に神経を抜いて歯内療法を受けられたようですが、再度根管内を拡大・清掃して細菌感染した状態を清潔な状態に変える必要があります。口腔外科ではなく歯内療法が得意な先生を探し、治療を受けることをお勧めします。

根尖性歯周炎は噛みしめて痛むケースが多く見られますが、噛み方によっては痛みが生じない場合もあります。垂直方向や水平方向にコンコンと歯を叩いてみたり、根尖部を押してみると痛みが確認できるかもしれません。

また上顎洞炎の場合も噛みしめて痛むとは限らないため、エックス線検査や内視鏡検査などを行った上で上顎洞炎の有無を診断することになります。

【相談者】2013年11月7日  女性m

質問4

回答ありがとうございます。頭が凝るのも顎関節症からきてるのかもしれないのですね。

数日前から風邪をひいて薬を飲んでいたのですが、頬骨の痛みが薬の筋肉緩和のせいかおととい位からなっていたのですが、今日違和感が出始めました。上顎洞炎だとしても、耳鼻科ではなく歯科の方で一度診察してもらった方がいいのでしょうか?

就寝中の食いしばりがひどいのか、寝起き後全体的に歯が痛いような気がして、痛みがある反対の歯の銀歯の側面の歯肉近くの表面が削れてるようになっています。食いしばりや歯ぎしりなどでも、銀歯がそのようになったりするのでしょうか?

去年から仕事を退職して生活が不規則でして、仕事に行ってる間は何もありませんでした。活習慣って体にもだいぶ影響してくるのでしょうか?年齢も36歳になってくると、若い頃のようにはいきませんよね。

【回答4】口腔外科総合研究所 樋口均也

上顎の臼歯部の虫歯による感染が根尖部に及び、引き起こされた上顎洞炎を「歯性上顎洞炎」といいますが、このような問題はなかったようですね。耳鼻咽喉科を受診されていない場合は、上顎洞や耳に問題がないかどうかを調べてみることをお勧めします。

歯ぎしりや食いしばりがあると、歯の側面の歯と歯肉との境界部が欠けてきてへこむことがあり、この状態を「楔状欠損」といいます。日中食いしばらないように注意し、夜間の歯ぎしりに対してはスプリント(ナイトガード)を装着すると、歯や顎に対する悪影響を緩和することができます。

【相談者】2013年11月8日  女性m

質問5

歯科では、頬骨がボーっとするので歯茎が膨らんでいるのか膿が溜まっているのか聞いたところ、見た目は気にならないと言われ、レントゲンは撮っていません。レントゲンなしで、歯科的な面で大丈夫とはいえないですよね?

銀歯の剥がれも気になるので、一度いつも行っている歯科で尋ねてみようかと思っています。銀歯は、虫歯ではなく食いしばりのせいであれば、そのままにしていても大丈夫でしょうか?剥がれていると虫歯になりやすいですか?

【回答5】口腔外科総合研究所 樋口均也

歯に問題があるかどうかは、エックス線検査の結果も考え併せて総合的に判断する必要があるため、エックス線写真は撮ることになります。

銀歯の一部が剥がれて歯との間隔が開くと、その部分に食べカスや歯垢が付着しやすくなり、虫歯になるリスクが高くなります。従って放置はせず、治療されることをお勧めします。

【相談者】2013年11月19日  女性m

質問6

歯科に先週行ってきたのですが、剥がれていた銀歯を衛生士さんに診てもらったところ、銀歯は虫歯にはならず、銀歯の境目から虫歯になると言われ、境目を押してチェックしてもらったのですが、特に痛みはなく、レントゲンも撮りましたが、虫歯になっていれば黒くなるとのことで、レントゲン上はなかったようでした。

剥がれた下部分からは黒い物が見えているのですが、土台なのか被せなのか分かりません。つついたのですが、硬かったです。

衛生士さんにこのまま触らずで大丈夫ですと言われ、先生には尋ねなかったのですが、口の掃除後、先生に口全体確認してもらいましたが、特に何も言われませんでした。衛生士さん曰く、何か固い物があたったか衝撃があったのかもと言われましたが覚えはありません。

ひぐち先生がおっしゃっているように、虫歯になるリスクが高くなるので再治療した方がいいと思うのですが、銀歯を外して再治療は歯に負担がかかりそうであまりしたくないのですが、嫌であれば、定期健診でその都度確認してもらうしかないですよね?

もう1本顎関節症かもと言っていた歯ですが、レントゲンを撮りましたが、隆起しているものが写っていてそこにもしかしたら膿があるかもしれないと言われました。CT撮れば分かるらしいのですが、撮って膿があり再治療したとしても治療により炎症が起こって炎症が引くのに時間がかかるかもしれないとのことで、今すごい痛みでなければ様子見て、続くようであればマイクロで根幹治療になるかもと言われました。

膿は免疫力が落ちると出来たりするようですが、少しの膿であれば放置しておいてなくなることってあるのでしょうか?

【回答6】口腔外科総合研究所 樋口均也

銀歯が剥がれている場合は歯科衛生士から指摘されるはずなので、剥がれているように見えるだけではないでしょうか。銀歯との境界部分の歯が黒くなっているようが、この部分に虫歯ができていたら、それに関しても指摘されるはずです。

虫歯になった部分の周辺は黒っぽく変色することがあります。変色しているだけで虫歯が進行していない場合は、削り取る必要はありません。

また、銀歯の成分が歯に沈着して黒っぽくなった場合も特に治療の必要はありません。黒い部分は歯の根(歯根)に相当する部分と考えられますが、歯の根は歯の頭(歯冠)と比べて黒っぽく見えるため、歯根が見えているだけかもしれません。

銀歯を外すことにも歯内療法を行うことにも、一定のリスクが伴います。治療することによって状態が悪くなったり、抜歯を余儀なくされるケースもあるため、再治療の必要性が高くなければそのままにしておくという選択が最善といえる場合もあります。

「隆起しているもの」がエックス線写真に写っているということですが、これが何物かは分かりかねます。根の先の周囲の骨が溶けて丸く黒く写る「根尖病変」の場合は、歯内療法によって徐々に小さくなり、消失することがあります。また小さな根尖病変は、以前の大きな根尖病変が治りかけているのかもしれません。

【相談者】2013年11月8日  女性m

質問7

回答ありがとうございます。銀歯は段差があるので剥がれています・・・。言葉では場所が分かりづらいので、絵を描いたのを添付したので一度拝見頂ければと思います。

銀歯を被せた時、剥がれてる場所ではない所がギザギザになっていたので、研磨してもらったのを思い出したのですが、もしかしたら技工士さんがあまり上手でなかったのかなと。

それで、歯軋りで割れたのか歯科での掃除の時に器具が当たったのかそれ位しか思い当たらないです。根尖病変は、自然治癒するものなのでしょうか?

【回答7】口腔外科総合研究所 樋口均也

金属冠には十分な強度があるため、相当強い力を加えても変形したり割れたりすることはなく、歯軋りによって割れることもありません。

剥がれているように見えるだけで、元々このような形だったのではないでしょうか。虫歯の拡がり具合で金属冠の形が左右されるため、このようにギザギザした形の辺縁形態であっても不思議ではありません。

根尖病変が自然治癒するケースはほとんどありませんが、以前受けた歯内療法により時間をかけて根尖病変が縮小したり、消失したりする可能性はあるでしょう。

鼻の穴辺りを押さえると痛みが出る

年齢 性別 相談日
60代 女性M 2013年10月30日

【相談者】2013年10月30日  女性M

質問1

はじめまして。前歯の虫歯治療後ブリッジにしたのですが、鼻の穴辺りを押さえると痛みが出るので歯科に相談したところ、耳鼻科へと言われ診察しましたが、歯の根っこだと言われました。

歯科で伝えたところ、根幹治療では問題ないので、切開しないと分からないとのことでした。膿はレントゲンでは写らないと言われたのですが、本当ですか?切開が怖いので、セカンドオピニオン受けた方がいいのかと考えています。長々と質問すみません。回答宜しくお願い致します。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

前歯の根の先端部分、ちょうど鼻の横辺りに炎症があると押さえたら痛みます。歯の根の先に炎症が生じるのは、虫歯菌がこの部分に繁殖して感染巣を作るからです。

このような感染巣には膿が溜まりますが、歯科で説明された通り、膿はエックス線写真には写りません。ただし、炎症が持続すると根尖部の骨が溶けて根尖病変が生じ、エックス線写真上に黒く丸い影が写ります。

エックス線写真では根尖病変が確認されなかったのでしょうか。炎症が生じて間もない期間はすぐに骨が溶けてなくなる訳ではないので、病変が確認できません。フェネストレーションという根尖が骨の外側に飛び出しているケースでは、指で根尖をおさえると痛みますが、炎症ではないため特に治療の必要はありません。また、鼻の粘膜に傷や細菌感染があると痛みます。

根尖に細菌感染が生じている場合はブリッジを外して根の治療(歯内療法)を行い、歯内療法で痛みが治まらない場合やブリッジが外せない場合には、粘膜を切開して根尖部を切除する歯根端切除術を行います。

切開が恐いということですが、何らかの理由で歯内療法が行えず、切開して歯根端切除術を行う必要があるのでしょうか?それとも、ブリッジを外したくないということでしょうか?この点に関しては、他の医療機関でセカンドオピニオンを求められてもよいでしょう。

【相談者】2013年11月2日  女性M

質問2

こんにちわ。返信ありがとうございます。エックス写真では何も確認されなかったので、ブリッジは外さず切開でということらしいです。

仮歯の時、痛みには気付いておらず、本歯を付けてから痛みに気付きました。虫歯がひどかったらしいので、神経はないですが、粘膜がだいぶ痛んでいて回復に時間がかかっているのかなと勝手に思ったりもしているのですが、3ヶ月もかかるのかなぁと。

虫歯に歯肉が巻きついて、歯肉を少し焼いたそうで、そういうのは関係ないでしょうか?

切開して何もなければ閉じてというのが嫌なので、どうしたらいいものか悩んでいます。

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

エックス線写真では根尖病変や歯根破折などの所見が見当たらなかったようですが、エックス線写真で異常がなくても、歯の根の中に細菌で汚染された部分があり、炎症が続いている可能性はあります。また、角度によっては歯根に亀裂が入っていることが確認できない場合もあります。

歯の根、即ち根管内が汚染している場合は、いったんブリッジを外して根の治療(歯内療法)を行うことが必要です。

ブリッジを外さずに歯肉を切開し、根の先を切断するという治療法もありますが、まずは歯内療法を行うのが一般的な順序です。切開を嫌う場合は、なおさら歯内治療を先行するべきです。ブリッジを外して歯内療法をすることができない何らかの理由があるのか、なぜ切開する必要があるのか、担当の先生とよく相談されることをお勧めします。

【相談者】2013年11月5日  女性M

質問3

先生からすると、レントゲンでは何もなく、歯根治療したばかりなので、再度治療する必要がないということだと思います。ブリッジを外して、再度歯根治療するとなると、詰め物を削って神経に詰めているお薬を抜いてと、結構大変なのでしょうか?

切開はやはり怖いので、大学病院の口腔外科などで再度診てもらった方がいいでしょうか?

【回答3】口腔外科総合研究所 樋口均也

再度歯内療法をするとなると、確かにブリッジやその内部の土台部分(ポストコア)を外す必要があります。とりわけポストコアを外す際には歯の根が薄くなったり、ヒビ割れたりするリスクもあります。

一度歯内療法を行ったにもかかわらず、押さえると痛みが残っていることから、再治療ではなく切開を提案されたのでしょう。切開すれば歯の根に亀裂が入っているか否かがわかり、亀裂が入っている場合にはその部分を補修するという方法もあります。また、根尖部に問題がある場合は歯根端切除術によって治るかも知れません。

今後の選択肢は再度歯内療法を受ける、切開する、そのまま放置するの3つです。切開したくない場合は、歯内療法を行うかどうかでしょう。口腔外科ではなく、歯内療法が得意な先生に診てもらうことをお勧めします。

【相談者】2013年11月7日  女性M

質問4

回答ありがとうございます。土台を外すのは結構負担かかるんですねぇ。置いておいても大丈夫なのか心配です。治療が嫌なら放置しかないからでしょうか?

歯内療法が得意な先生とのことですが、難しいですよねぇ。先生のような親身で丁寧な対応して頂ける先生が近くにいらっしゃるといいのですが・・・。

【回答4】口腔外科総合研究所 樋口均也

虫歯が進行して歯の神経にまで達すると神経を抜き、その後は根に土台(ポストコア)を差し込んで上に被せ物(クラウンやブリッジ)を作ります。

ポストコアは根の奥深くまで差し込むと、治療後に外れてしまうトラブルを防ぐことができます。根の中にまで虫歯が進行している場合はその部分まで切除するため、根の中に生じる空洞が大きくなり、必然的に差し込む部分が太くて大きなポストコアを作製して装着することになります。

このように、根の中に入っている部分が長く太いポストコアは外すのが大変なので、外す際にポストコアと接する部分の歯質も一緒に削り取れてなくなり、ドーナツ状の根の厚みが薄くなって弱ります。また根にひびが入ったり、割れてしまうこともあります。

再度歯内療法を行う場合も切開して歯根端切除術を行う場合も、良い面と悪い面とがあります。また、治療を行っても必ずしも良くなるとは限らず、むしろ悪化するケースもあるため、治療しないという選択肢もあり得ます。よく相談されることをお勧めします。

もう2月から9ヶ月間も歯の痛みに苦しんでいます

年齢 性別 相談日
40代 女性 2013年10月30日

【相談者】2013年10月30日  MA

質問1

今年の2月から歯の痛みで困っております。経緯を書きましたので、ご相談よろしくお願いいたします。

H25.2.12前歯右横右上側切歯(25年前に差し歯になっている)が痛み、歯科受診。根に膿があるため切開して膿を出すか、抜歯するか選択するように言われましたが、どちらとも決めかねて迷いに迷い、切開手術を決断しました。

H25.5.8精神的に手術に耐えられる自信がなかったので、総合病院の口腔外科を紹介してもらい、脈内鎮静法で右上側切歯根嚢胞を歯根端切除術してもらいました。決めかねて迷っていた日々と、病院の予約日や手術日がなかなか取れなかった事で、2月に痛み出してから4ヶ月間、かなりの痛みに耐えて待ちに待った5月8日の手術でした。

手術を待つ間の4ヶ月も、かなりの歯痛、頭痛に苦しみ、病院を紹介してくれた歯科で2度ほど応急処置で膿を出してもらい、化膿止めや痛み止めも結構長く飲んで痛みを凌いでいました。

5月8日の切開手術でやっと楽になれると思っていましたが、術後も状態が悪く、かなりの量の化膿止めと痛み止めを飲みましたが、2ヶ月経ってもあまり痛みが治まらない状態でした。膿を取る前の痛みと、取った後の痛みの種類は違いますが、とにかくものすごく痛みました。

H25.7.10痛みが治まらず、抜歯すればすっきり痛みも無くなると言うことで、同じ総合病院の口腔外科で抜歯してもらう。今度こそ楽になれると思いましたが、抜歯後も1ヶ月はかなり痛みが強く辛かったです。

9月頃には、いくらか痛みが軽減されてきたものの、まだ歩行や車の振動も歯に響きます。9月には一旦良くなりつつあるように思えたのもつかの間、10月に入りまた痛み、数日は良かったり、ぶり返したりの繰り返しです。鼻の下から右側顔や頭に痛みが広がり、気持ち悪くなります。もう2月から9ヶ月間も歯の痛みに苦しんでいます。

こう長く痛みが長く続くと、一体この痛みは治るのか、一生治らないのかとても不安になります。レントゲンを撮ってもらっても問題ないと言われ、原因不明の痛みに疲れてしまいました。何か良い治療がありますでしょうか、アドバイスを頂けます様よろしくお願い致します。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

最初の痛みの原因である側切歯には、2月の時点で膿が溜まっていたとのことですが、切開手術か抜歯かという選択肢になったことから考えると、大きな病気であったと推察します。さらに、手術まで4か月間も待ったことで、症状の出現から治療までの期間が長すぎたといえます。しっかりと治療をしても痛みや違和感などの不調がとれず、なかなかすっきりしないのはこのためです。

原因の歯を7月に抜歯したにもかかわらず、なお痛みが治まらないのは、神経自体が異常を来たしている可能性が考えられます。

鼻の下から頭にかけての広範囲に及ぶ痛みも、これが原因かもしれません。顔面の神経は複雑に広がり、歯の周りの神経も内側では顎や耳の近くを通って、外側では頬や目の周り、頭まで拡がっているからです。

神経の異常は関連している神経が通る領域全体で起こるため、顔の皮膚を通る神経が異常を起こすと顔が痛いと感じます。ただし、痛みを感じる部分をいくら検査しても異常は見つかりません。これは精神的な問題ではなく、神経に原因があるのです

治療法は過敏になった神経を抑えることで、飲み薬や注射など方法はいくつかありますが、痛み止めとは異なります。総合病院の麻酔科で一度ご相談されることをお勧めします

【相談者】2013年10月31日  MA

質問2

早々に、ご親切丁寧なお返事を有難うございます。長い痛みの原因が、よく理解できて納得いくような気がします。おかげさまで、大分気持ちが楽になりました。今かかっている総合病院の先生に、このことを相談してみようと思います。

「麻酔科の薬」というのが、ちょっと怖い感じがしてしまいますが、例えばその総合病院には漢方科もありますので、漢方などでは神経の治療はできる事もあるのでしょうか。

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

神経障害性疼痛が疑われ、このような痛みに対して漢方薬で痛みが軽快する場合もあります。現在受診中の総合病院で相談されることをお勧めします。

【相談者】2013年10月31日  MA

質問3

解りました。治療中の総合病院で相談してみます。お忙しい所、ご返信いただきましてありがとうございました。長い間悩んでいましたので、本当に嬉しかったです。感謝申し上げます。また、何かあったときはご相談させてください。

常に口の中が気持ち悪く、口臭もとても気になります

年齢 性別 相談日
40代 女性 2013年10月27日

【相談者】2013年10月27日  TY

質問1

2年前位から、常に口の中が気持ち悪く、口臭もとても気になります。仕事中はガムをかみ続けてます。初めは、いがらっぽい感じだけでしたが、今では、朝起きると口はネバネバ、喉がつまった感じで、説明が難しいのですが、口の中が気持ち悪く一日中その状態がずっと続いてます。でも食欲がないとか、味覚がおかしいとかの症状は全然ありません。病気なのでしょうか?

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

唾液の出が悪くなったり口呼吸により唾液が蒸発しがちになると、口の中が乾燥するドライマウスになります。

口の中が乾くとネバネバしたり、いがらっぽくなったり、口臭が生じたり、のどがつまった感覚が出現します。一度、唾液の出る量や乾燥状態について検査を受けることをお勧めします。また、のどに腫瘍や炎症がないかについて、耳鼻咽喉科の診察も必要でしょう。

唾液の出が悪くなる原因には薬の副作用や水分不足、ストレスなどの心理的・社会的要因、加齢による筋力低下、シェーグレン症候群、唾液腺炎、唾液線維腫、顔面や頸部への放射線照射など、多種多様なものがあり、原因に応じた治療が必要となります。

ドライマウスの中には、口が乾いているように感じても実際には唾液の出方に異常はなく、口の中が潤っている場合もあります。このようなケースでも、口の乾きを自覚していればドライマウスとなりますが、「口腔異常感症」である場合もあります。この場合には、抗うつ薬などの服用が効果的です。

【相談者】2013年11月2日  TY

質問2

こんばんは。おそくなりましたが、ご回答ありがとうございます。のどのつまりを生じた時に、耳鼻科には以前行って、異常はなく、ホルモンのバランスによるもの(女性に多い)と診断され漢方薬を処方して頂きましたが、効果なく、今に至ります。

どこで診てもらえばいいのかも分からず、毎日、口の中の違和感と口臭を気にしながら過ごしております。

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

のどの症状以外に、口臭などの口の中の症状がある場合は、再度耳鼻咽喉科を受診してみてはいかがでしょうか。また、口臭外来やドライマウス外来を受診されるのも一案です。

下の前歯の歯茎に黒い三、四ミリくらいのシミみたいなものがある

年齢 性別 相談日
30代 女性 2013年10月16日

【相談者】2013年10月16日  A

質問

初めまして、宜しくお願い致します。姪四歳の事です。先日うちに遊びに来た姪の歯磨きを手伝っていた時に下の前歯の歯茎(生え際?らへん)に黒い三、四ミリくらいの丸ではないシミみたいなものがある事に気づきました。青海苔でも挟まっているのかな?と思いました。

後日どうしても気になり、姪の母親(義姉)にメールで聞いたところ、歯医者に見せてもなんだか分からないと言われたとの事、取る事も可能だが麻酔が必要だ、上皮だからそのうち取れるかな。と言われたそうです。その黒い物は二年位前からあったそうで最初は着色汚れ的に落ちていたそうなのですがだんだん落ちなくなって今に至るそうです。

義姉はすごく楽観的に考えていて、歯医者さんでも分からないんだから気にしない。と言う感じなので、もしかして悪い病気なのでは?という私の思いは口出しがどうも出来ません、、、。 着色汚れみたいに落ちていたのが今は落ちなくなって黒いシミになっている。大丈夫なのでしょうか?とても心配です。どうぞ宜しくお願い致します。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

歯肉の黒いシミが最初は取り除けていたが、その後取り除けなくなったということですね。取り除ける黒いシミは食べカスや汚れと考えられますが、歯ブラシなどでこすることによって歯肉の黒くなった部分が剥がれ落ち、何度も剥がれているうちに歯肉が厚く丈夫になった可能性もあります。

歯肉が黒くなる理由としては、メラニン色素沈着症の可能性が考えられます。色黒やシミ、ソバカスと同様、口腔粘膜にも黒い部分が生じる場合がありますが、それ自体は体質のようなもので、黒い部分があったとしても問題はありません。そのまま放置しておいても大丈夫です。

また、他に歯肉が黒くなる理由として内出血による血腫(血豆)や金属片が入り込む入れ墨などもありますが、今までの経過からは該当しません。

悪性黒色腫には注意が必要ですが、4歳の小児にこの病気が生じることはまれです。従って、今後は大きさや形に変化がないか観察を続け、もし大きくなった場合は切除して調べることをお勧めします。

2年前の抜歯を契機として上顎の鈍痛が持続するようになった

年齢 性別 相談日
40代 女性S 2013年10月3日

【相談者】2013年10月3日  女性S

質問

複雑な症状で、これまで7名の専門家に診てもらい、やっとスプリント治療で治るという医者と出会い常時装着するスプリントをつけて4ヶ月になりますが、一向に改善の兆しがありません。今後どうしたらよいのか悩んでおります。ご意見を伺えますと幸いです。(長い文章で申し訳ありません)症状の原因)

  1. 2年前に英国に来て、歯科治療を受けました(もともと歯が弱く、たくさんの治療経験があります)48番と17番の抜歯を同時にしました。ここから悲劇が始まりました。これまで何十年もの間、この歯でしか食べ物をかんでいなかったことに、その歯を抜いてから気づきました。右奥でしか噛んだことがなく、おそらく、かみ合わせたときもその歯しか上下かみ合っていなかったのでは?と今となって思います。
  2. 抜歯した時は、「17番周辺に大きく炎症があるので、できる限りかきとりました」と医師から言われました。抜歯自体はスムーズ。
  3. 抜歯翌日→抜歯した部分に違和感があり、その隣の16番も重く過敏になったのを感じる。舌があたる部分も変わったため、しゃべるときにどのように舌を動かしたらよいのか分からない感覚が始まる。しかも、それまで使ったことのない左で食べ物を噛まなければならず、ほとんど、どう顎を動かしたらよいのかわからない状態。
  4. 抜歯翌日→抜歯した歯科にもう一度診てもらうと、ちょっと炎症があるようなのでと抗生剤を5日分出され、塩水で何度もうがいするように言われる。5日後にまた診て貰うと、表面はきれいに治っているといわれる。
  5. しかし、抜歯した17番の骨の部分が重く過敏で、隣の16番(特に17番と接していた部分がとても過敏で鈍痛があり、歯を磨くときに響く感じ)が続く。
  6. 1週間後また歯科に診てもらう。16番のレントゲンをとるが異常はなく、痛みの原因は不明。
  7. 前歯(6本が差し歯)の何本かに鈍痛を感じるようになる。また歯科でレントゲンを取るが、異常はなく、差し歯をたたいたり、揺らしてみたりするが、強度も問題ない。とのこと。歯茎も健康。
  8. 17番から前歯全体(歯の裏の付け根全体も)までが重く、常に鈍痛があり、ひどいときは燃えるような感覚。話すたびにプレッシャーがかかり、前歯全体に響く。前歯全体に重石をぶら下げているような感じで、頭を動かすと前歯全部がその方向に引っ張られている感じ。
  9. かみ合わせも大きく変わったため、無理に左側を使おうとするが、前歯しかかみ合っていないため(奥歯は左右とも噛んでも隙間があるため食べ物を噛み切れない)食べ物を食べるのが困難。食べているときの痛みは特にないがとにかく噛めない。前歯だけががちがちあたる。
  10. その状態が1年。一番ひどかったのは抜歯後6ヶ月くらい。その後、痛みは少しずつだが楽になった気がするが、一向に奥歯でかむことはできない。
  11. 1年を経過した辺りから、右顎周辺の筋肉、口の中の一番奥の筋肉が筋肉痛のように痛み、常にストレッチをしたくなるような状態が始まる。

2年たった今の主な症状は。。。。

  • 抜歯した17番の骨の辺りと16番に鈍痛。重い。抜歯した部分に食べ物が当たるととても過敏。(鋭い痛みではない)歯茎の辺りを押すと鈍痛。そこから前歯全体にかけて、歯茎全体(口蓋、特に歯の付け根が重い。舌で触ってみるととてもタイトな感じ、締め付けられる感覚。
    しゃべるたびに前歯の裏の付け根全体に響く。ただ、何かを食べているとき(飴やガムを奥歯で噛んでいるような状態だと前歯のプレッシャが減るので、いつも何かを噛んでると楽。
  • 歯が痛い。という感覚ではなく、上あご全体が常に重く、響く。小鼻の右横を押すと骨に鈍痛を感じる。
  • 横になるとプレッシャがかからず、かなり楽。起き上がったとたんにじわじわと前歯全体が重くなってゆくのが分かる。
  • しゃべるときに顎や舌をどのように動かしてよいか分からず、特定の音(サ行、タ行)を出すときは前歯ががちがち上下ぶつかる。顎の筋肉がコントロールを失っていると感じる。
  • かみ合わせたときに前歯しかかみ合わないため、スプリントをして奥歯を高くしないと何も食べることができない。食べるときに積極的な痛みはない。
  • 5週間前にスプリント調整後、特に右顎関節の痛みが強くなり、口をあけるときに激痛。口の内部の一番奥の筋肉がとてもこっていると感じる。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

2年前の抜歯を契機に上顎の鈍痛が持続するというお話から、抜歯した部分の骨に細菌感染による骨炎や骨髄炎、上顎洞炎が起こっている可能性があります。

但し、7名の専門家による診察を受けてもこれらの問題が指摘されなかったのであれば、上記は該当しないのでしょう。その場合は「非定型歯痛」、「口腔顔面痛」が考えられ、1年経過以降に生じた痛みは「筋・筋膜痛」であると推察します。

この痛みは抜歯時の神経損傷による「神経障害性疼痛」、あるいはストレスなどの心理的・社会的な要因に端を発する「疼痛性障害」が疑われます。万一それらの原因が見当たらない場合は「本態性疼痛」となります。

これら3種類の痛みに対しては薬物療法が治療の中心となり、抗うつ薬や抗けいれん薬、麻薬性鎮痛薬、アセトアミノフェンなどが有効です。

英国立医療技術評価機構(NICE)の神経障害性疼痛に対するガイドラインは国際的に有名であることからも、イギリスにおける非定型歯痛の治療レベルは高いと推察します。

歯科や口腔外科で薬物療法が受けられない場合は、ペインクリニックや心療内科、精神科で慢性疼痛に対応している医療機関を探されてはいかがでしょうか。

口腔内のメラノーマの治癒率

年齢 性別 相談日
50代 男性 2013年10月1日

【相談者】2013年10月1日  G

質問1

口腔内のメラノーマは予後不良と言われておいますが、仮に6~7ミリ程度のメラノーマが発見されても、皮膚にできるメラノーマと違い予後不良となるのでしょうか?治癒率はどのくらいなのでしょうか?

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

メラノーマ即ち悪性黒色腫は、皮膚や粘膜のメラノサイトという色素産生細胞がガン化した悪性腫瘍です。皮膚の悪性黒色腫であれば、6~7mmの大きさといえばかなり進行した病変となります。この大きさの口腔内の悪性黒色腫が皮膚のそれと比べて予後不良(治らないことが多い)かどうかについては、簡単に言及できません。

国際対がん連合(UICC)が皮膚の悪性黒色腫の進行度をTNM分類やステージ分類で区分する方法を定めています。ところが、口腔粘膜に関してはTNM分類もステージ分類も定めていません。そのため、皮膚と口腔粘膜の悪性黒色腫の予後を比較するデータが存在しないのです。UICCが粘膜の悪性黒色腫のTNM分類を定めているのは、結膜、虹移、毛様体、脈絡膜の3ケ所のいずれも眼の粘膜だけなのです。

口腔粘膜の悪性黒色腫のTNM分数が定められていない理由は、比較的稀な病気だからでしょう。過去の報告をみても、多くて20~30例の治療結果をまとめたものしかありません。この程度の症例数では進行度の程度に分けて予後を追跡するには少な過ぎて、実態を把握することが難しいのです。

ManolidとDonaldが1997年に報告したレビュー論文があります。過去の報告例を多数集計して分析した論文で、この研究では口腔・咽頭の悪性黒色腫445例と鼻・副鼻腔の悪性黒色腫328例の併せて773例を集めています。

集計の結果、粘膜に病変が限局しているのは全体の75.3%、リンパ節転移があるものは18.1%、遠隔転移のあるものは6.6%という分布を示していました。肝心の予後ですが、5年生存率が17.1%、10年生存率が4.8%で、皮膚の悪性黒色腫よりやはり悪い印象です。治癒率については生存率より低い数字となるはずですが、そのようなデータは恐らく存在しないでしょう。

【相談者】2013年10月3日  G

質問2

有難う御座いました。ご回答頂きました内容で、再度質問させて下さい。内容は粘膜に病変が限局しているのは全体の75.3%とあるのに5年生存率が17.1%とかなり低くくなっています。皮膚の場合、生存率は80%程度と記載されていますが、やはり口腔内のメラノーマは早期に発見しても、予後が相当悪いものととなる訳でしょうか!

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

皮膚に病変が限局しリンパ節転移などがない場合は、生存率がかなり高いようです。やはり、口腔内の悪性黒色腫は皮膚と比べて予後が悪いようです。

口腔外科と耳鼻咽喉科の境界線はどこですか

年齢 性別 相談日
40代 女性S 2013年9月23日

【相談者】2013年9月23日  女性S

質問

口腔外科と耳鼻咽喉科の境界線はどこですか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

口腔外科と耳鼻咽喉科の共通点は、どちらも口の中の病気を診察し、治療を行うことです。また、顔面や頸部の皮膚や皮下組織(唾液腺、リンパ節、筋肉、血管)についても両方の科で取り扱っています。

一方、耳鼻咽喉科で取り扱う耳や鼻、副鼻腔、のど、甲状腺、気管、食道は口腔外科では扱っておらず、逆に歯の病気(虫歯、歯周病)、顎関節については耳鼻咽喉科で取り扱うことはほとんどありません。

同じ口の中を診察すると仮定した場合、口腔外科では歯や顎骨との関連から問題を捉え、耳鼻咽喉科では感覚や感染症、アレルギーとの関連から考える傾向があります。そのため、両診療科の治療内容、および治療結果が類似したものになる場合もあれば、違いが生じる場合もあるのです。