年齢 |
性別 |
相談日 |
10代 |
男性N |
2013年2月28日 |
【相談者】2013年2月28日 男性N
質問1
二年ほど前からフルーツなどを食べると口が痒くなります。花粉症もあるので口腔アレルギー症候群ではないかと思いアレルギー検査をしていただこうと、病院を探しているところです。血液検査、プリックテストなど、あるようですがどの種類の検査がお勧めでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
口腔アレルギー症候群とは、フルーツなどを食べた後に口の中がかゆくなったり、ヒリヒリしたりするアレルギー疾患です。花粉症の原因となる花粉がフルーツと共通した抗原性を持っているため、花粉症に引き続いて口腔アレルギー症候群が発症する例が多く見られます。
口腔アレルギー症候群を診断する際には、血液検査やプリックテストが行われます。血液検査は、特異的IgE抗体を測定するイムノキャップ法やヒスタミン遊離試験を行います。また、プリックテストとはフルーツの抗原液を皮膚にたらし、針で刺して15分後の皮膚反応を見る検査です。まず針でフルーツを刺し、次に皮膚を刺すプリック-プリックテストも行われます。
血液検査とプリックテストを比較すると、プリックテストの方が口腔アレルギー症候群を発見する割合が高い、即ち陽性率が高いと報告されていますが、両方の検査を受けて総合的に診断してもらうことをお勧めします。
【相談者】2013年3月5日 男性N
質問2
お忙しい中、お返事いただきありがとうございました。H.P拝見いたしました。先生のような方が、茨木で開業されているのは、トラブルをかかえる患者としては大変心強く感じました。
口腔外科にかかるときには、是非先生にお願いしたいと思います。ありがとうございました。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性k |
2013年2月24日 |
【相談者】2013年2月24日 女性k
質問1
1週間くらい前から口角炎および右下奥歯付近の歯茎の痛みが続いています。口腔内写真がないので申し訳ないのですが、右下奥歯の内側が痛いのですが、鏡でもよく見えないため、自分でもきちんと目視できる状態ではありません。ただはっきりしていることは、舌で部位をなめるとぼこっと出ている感じがあり、押すと痛いです。(押さなくても痛みはありますが)
また、口角炎は今は軟膏を塗っておりますが、過去にも何度か煩った時には食生活及び睡眠などに気をつけていれば数日で治っていたのですが今回はずっと治りません。原因が不明のため、どこを受診していいものかもわからず困っております。発熱はありません。何からはじめればいいのでしょうか。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
右側臼歯部舌側の膨らみの痛みについては幾つかの可能性が考えられます。まずは歯に虫歯や歯周病などの問題があり、化膿して腫れているケースです。また、歯周病により歯肉が腫れたり、虫歯が根の尖まで進行し顎の中で炎症が生じて粘膜が腫れる場合もあります。
舌側の膨らみは単なる骨隆起の可能性の他、粘膜が傷ついたり口内炎ができて痛んでいるのかもしれません。
さらに表面が傷ついたり、腫瘍やガンが発生して化膿しているケースや、下顎の骨の中に腫瘍やのう胞が生じている可能性も考えられます。
口角炎に対してはステロイド剤の軟膏を塗っているのでしょうか。それでも回復が遅い場合は、カビの一種であるカンジダ菌の感染が疑われ、治療には抗真菌剤が効果的です。
【相談者】2013年2月27日 女性k
質問2
ご丁寧なお返事をいただきましてありがとうございました。やはり色々と問題があるようなので、時間を見て早めに専門機関に受診したいと思います。
本来であれば、ぜひ先生のもとにお願いしたいと思いますが、住まいがらすぐに行けるわけではないので、一日も早く不安を取り除くためにも早めに治療したいと思います。色々な可能性を教えていただきまして、ありがとうございました。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代 |
男性YT |
2013年2月24日 |
【相談者】2013年2月24日 男性YT
質問1
はじめまして、お世話になります。今から4年ほど前から体の不調に悩んでいます。最初は強い肩こりかな?と、いう感覚から始まり、そのうち頭痛、耳鳴りと変化していき、我慢できなくなり、大学病院で診察を受け、いろいろな検査を受けましたが分からず、さらに歯のかみ合わせが気持ち悪くなり、口の中がひきつるようになりました。
総合科、耳鼻科、歯科、漢方とまわりましたが分からず、漢方薬とうつ病の薬を処方してもらっていました。症状は一定しておらず変化を繰り返しています。そして昨年(2013年2月)に胆管がんになり、(ステージ3b)手術(大学病院)、現在は市立病院でがんの治療のみを行っています。先生には、大学病院での症状は伝えていません(どうせ分からない と思うので)。
口の中のひきつり、歯や歯茎のひきつり、さらに首のひきつり、息苦しさと我慢の限度を超えている状態ですし、誰にも相談できず悩んでいます。正直、がんの治療よりもこの病気が本当に苦になっています。ネットで口腔顔面痛という病気を知り、このサイトに辿り着きました。わらを掴むような気持ちでいます。良いアドバイスをお願いいたします。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
口の中や首のひきつりは痛みとよく似た症状であることから、口腔顔面痛として捉えることができるでしょう。また、違和感に着目すれば口腔異常感症ともいえるでしょう。
口腔顔面痛、口腔異常感症のいずれに対しても、抗うつ薬による薬物療法が有効です。抗うつ薬による治療をされたようですが、一定の効果は見られたのでしょうか?ガン治療との兼ね合いもありますが、再開についてガン治療の担当医とよくご相談されることをお勧めします。
また、漢方薬が効果を発揮する場合もあります。保険対応の漢方薬は約150種類ありますが、同じ病気でも漢方薬の効き方には個人差があるため、症状や体質に応じた証を判定して最適な漢方薬を選択することが肝心です。
【相談者】2013年2月24日 男性YT
質問2
昨日は、お忙しいなか素早いご返事 ありがとうございます。少しいやだいぶ変な角度からの質問になるんですが、歯を抜く(抜歯)は虫歯がある等の原因がないと歯科でできないのでしょうか。
と、いうのもひきつり違和感が右側に集中しており、歯を噛み合わせるのも辛くまた首を傾けたり回したりすると歯のあたりにぐきっという音と違和感がきつくあります。気持ち的には 右上の奥歯から2、3本抜いてもらえると少し楽になるように思えます。
こういう発言がうつ病的なのはわかっているのですが、抜歯によって症状の改善が全くみられなくてもかまわないので抜いてもらえるでしょうか。何度もまた変なお願いで迷惑と思いますが返事あわてませんのでお願します。
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
抜歯とは虫歯や歯周病、歯根破折、顎骨腫瘍など明らかな理由がある場合に限って行うものです。従って、ご質問のように明白な問題が見当たらない場合はこれに該当しません。抜歯すればその部分で食事することが不可能となり障害が残るため、抜歯前にはさまざまな検査を行って抜歯が必要かどうかを慎重に判断します。また、抜歯を視野に入れながらまずは歯の治療を行い、何とか問題が解決できないかを模索する場合もあります。
歯を噛み合せた際の違和感については抜かなくても削るだけで軽減できるため、抜歯の必要はないといえるでしょう。
それでも抜歯を強く希望される場合は、効果が現れない可能性や悪化する可能性があることを覚悟の上でご自身の意思を伝えられるとよいでしょう。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代 |
女性m |
2013年2月23日 |
【相談者】2013年2月23日 女性m
質問1
私の母の事で相談させていただきます。11月始めより安いビタミン・ミネラル剤を飲み始めたところ、1週間ほどで胃の不調(痛み)がありましたが、服用を中止せずその後1か月ほどのみ続けていたようです。
現在はビタミン剤は飲んでいませんが、内科、耳鼻科などかかってみても症状は改善せず、舌のざらつき、胃の痛み、眩暈、が主な症状です。ビタミン剤での副作用はあるのでしょうか?何科にかかればよいか分からず困っています。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
ビタミンにはA、B、C、D、E … と多種のものがあり、それぞれ副作用が異なります。例えば、ビタミンAを大量に服用するとめまいが起こることがあるとされていますが、安いビタミン剤に大量のビタミンAが含まれているとは思えません。やはり副作用が生じるケースは少なく、可能性は低いでしょう。
ビタミン剤服用中に胃痛があったということですが、舌のざらつきやめまいが同時に見られた場合、ビタミン剤の服用中止後であればおそらく副作用ではないと推察します。内服を中止した12月以降も胃痛が持続し現在も続いていることから、副作用ではなく別の問題とも考えられます。
胃、舌、めまいはそれぞれ別の原因で生じているのかもしれません。内科や耳鼻咽喉科での治療で改善しないということから、ストレスなどの心理的・社会的な要因やうつ病などの精神的な問題も考えられます。このようなケースでは漢方薬が奏功する場合もあります。
【相談者】2013年2月24日 女性m
質問2
早速の回答をありがとうございました。何か兆候は無かったかというご指摘ですが、四年前に父が他界し、現在一人暮らしです。その頃、耳下腺が異常に腫れ、手術という話がありましたが薬で落ち着かせて、現在に至っています。体の調子が悪くなると耳の下がごろっとしたものが出来るらしいです。
また、その頃に頼りにしていた長男(私の弟)が他県にマンションを買い引っ越してしまったのもストレスの原因かな、と思います。父が亡くなっていろいろな事が重なり、うつ病みたいになり食べられない、寝られない、死にたい、身の回りを整理し始めた事がありました。今具合が悪くなって同じような事を言い始めているのです。
私もかつてうつ病を患ってましたが、近くにある神経内科のお医者に助けて頂きました。そこに連れて行こうかと思ってます。ご助言ありがとうございました.
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性Y |
2013年2月15日 |
【相談者】2013年2月15日 女性Y
質問
一昨年、奥から2本目の歯の神経を近所の歯科で抜いたところ、神経が残っていたらしく痛み、結局、総合病院を紹介してもらいました。そこで、前からあったシガシュを取り除く手術をし(おそらく神経が残った歯と近かったため)、その半年後くらいに神経が残っていた歯の痛みが激しくなり、その歯の先っぽを切除する手術をしました。
しかし、年始にまた歯の先っぽを取り除いた歯の根元らへんが腫れてしまい、次また腫れるようなら歯を半分切って隣の歯とブリッジ、と言われました。それしか方法はないのでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
根の中に感染が残っている場合は、再根管治療によって治る可能性があるでしょう。それでも改善しなければ、歯根端切端をもう一度行うことも選択肢の1つだと思います。それでも治らない場合は抜歯することになりますが、痛みがなければそのまま放置しておくのも方法の1つでしょう。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性
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2013年2月12日 |
質問
2年前から左側の顎付近が痛くビリビリとした痛みで悩んでおります。2才半の息子がおり育児休暇中にとても不安になることが多く、仕事に復帰し不安も少しは和らぎました。歯の治療は県内の歯科でマウスピースを作りましたがあまり改善されずその際下の親不知も2本抜きましたが改善なし。
現在、他県の先生にお世話になりマウスピースを作成して約1年経ちましたが症状はあまり変化ありません。内科・脳神経科で朝・夕方でりりか2錠・デパス1錠飲んでおります。なぜ痛みが変わらないのでしょうか。
回答
顎付近の痛みが2年間持続し、顎関節症の治療や親しらずの抜歯を行っても痛みが改善しないということですね。少なくとも歯科と脳神経外科?で診察を受けられ、それ以外の病変が顎や頭蓋内に見当たらないことを確認されている場合は、「非定型顔面痛」や「口腔顔面痛」の可能性が高いと推察します。また、体のどの部位にも痛みが持続する場合は「慢性疼痛」とも表現します。
慢性疼痛に対してはリリカやデパスが有効であることは確かですが、効果が現れない場合は増量していく方法が一般的です。ただし、リリカやデパスよりも三環系抗うつ剤の方がより痛みに効果を発揮するといえるでしょう。
また、不安や痛みに対しては心理療法が有効です。抗うつ剤や心理療法についても担当医に相談されることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性H |
2013年2月4日 |
【相談者】2013年2月4日 女性H
質問1
5日前の朝、左頬全体が少し痺れたような感じがありました。しびれは2~3時間で治まりましたが今度は腫れているような熱を持っているような感じでした。内科では三叉神経痛ではないかといわれました。
お灸がいいと聞き、今は電気治療とお灸をしています。その日はお灸の効果があったのか痺れはなくなりましたが、次の日は右頬がすこし痺れてきました。そして昨日から唇と舌先が少しピリピリします。左頬も少し痺れているような感じです。
これはいったいなんでしょうか。とても不安です。病院に行くなら何科に行けばいいのでしょうか?またお灸は効果ありますか?
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
まずは、左右の頬の痺れの原因を究明する必要があります。頬の皮膚や皮下組織、上顎の骨や副鼻腔、頭蓋内に腫瘍やのう胞、炎症などがあれば、痺れが生じる可能性があります。頬の知覚を司るのは三又神経の第2枝ですが、何らかの病変がこの神経を圧迫すれば麻痺が生じます。また、頭蓋底付近で血管が三又神経を圧迫した場合についても同様のことが言えます。
一方、舌先の知覚は三又神経の第3枝が司ります。頬と舌先が同じ理由で痺れているとすれば、第2枝と第3枝が枝分かれする前の脳に近い部分に何らかの病変があると考えられます。冒頭で述べた通り、顔面と頭部に異常がないかを調べることが先決ですから、歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科、神経内科、脳神経外科で詳しい検査を受けられることをお勧めします。
また、お灸については麻痺症状を改善する効果が期待できますが、当然のことながら麻痺の原因となる問題はそのまま残存することになるため、あくまで症状を軽減させる一手段です。万一麻痺の原因となる問題が見当たらず、症状の改善のみを治療の目標にする場合は、お灸も一つの有効な治療方法になるかもしれません。
【相談者】2013年2月7日 女性H
質問2
こんにちは。ありがとうございます。様子をみて脳外科に行ってみようと思います。異常なければ、他に考えられる病気はありますか?
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
上顎の骨や側頭骨、頭蓋内に器質的な病変がなく、三叉神経を圧迫するような原因が見当たらない場合、どのような病気が考えられるかということですね。
神経麻痺が生じる病気には多発性硬化症やギランバレー症候群などもありますが、これらの病気については脳神経外科で診てもらえるはずです。何の異常も確認できない場合は感覚障害や心気症、うつ病などが疑われます。
【相談者】2013年2月7日 女性H
質問3
こんばんは。今日、脳外科に行って検査をしてきました。異常なしでした。少し安心しましたが原因がわからないのでやはり少し不安が残っています。心気症などは何科に行けばいいんでしょうか?
【回答3】口腔外科総合研究所 樋口均也
心気症とは身体的な異常がないのに体に異常を感じ、病気ではないかと心配する病気です。心理的な問題が体に異常を来たす身体表現性障害に属し、他に疼痛性障害や身体醜形障害なども該当します。
心気症とうつ病に関しては、精神科を受診されることをお勧めします。
【相談者】2013年2月8日 女性H
質問4
いろいろとありがとうございます。また何かありましたらお願いします。"
年齢 |
性別 |
相談日 |
60代 |
男性O |
2013年1月31日 |
【相談者】2013年1月31日 男性O
質問
舌先端より半分奥、中心より1cm左の舌の鈍痛が1年前から続いています。痛みは段々強くなっており、今では1日中強い痛みが続いています。歯のCT、舌と脳のMRIいずれも異常なしです。また3ヶ月前から頬下部内にふくらみがあり痺れと鈍痛が続いています。複数の口腔外科を受診しましたが、舌、頬下部とも原因不明です。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
痛みやふくらみ、痺れの原因としては細菌感染などによる炎症や異物、外傷、口内炎、腫瘍などが考えられますが、口腔外科での診察の結果、そのような異常は見当たらなかったようですね。
原因となる病変が見当たらない場合は「舌痛症」の可能性が高いと推察します。舌痛症は食事中には痛みがない、午前中よりも午後の方が痛みが強くなるという特徴があります。また、用事が片付いた夜更けなどに最も痛みが強くなると訴える患者さんが多いようです。
舌に限らず口腔粘膜にこのような特徴を持つ痛みがあれば、舌痛症ということになります。明白な原因はわかりませんが、ストレスなどの心理的・社会的要因、神経障害、亜鉛不足、うつ病などが可能性として挙げられます。一方、原因が全く見当たらないケースもあります。
舌痛症の治療としては、抗うつ薬や抗けいれん薬、鎮痛剤、漢方薬といった薬物療法が中心となります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
女性E |
2013年1月29日 |
【相談者】2013年1月29日 女性E
質問
二、三年くらい前から口の中の前歯側の皮が白くふやけたようにただれて剥がれてを繰り返してます。下唇の裏がとくに酷くボコボコです。痛み滲みるなどないのですが、地元の口腔外科にいったら解らず、口腔の病気一覧みたいなので10代20代女性に多く原因がわからないみたいでビタミン不足かストレスが原因としかわからなかったんでおなじような症状とかがある病名があれば知りたいです
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
口唇の粘膜が?れる「剥離性口唇炎」が疑われます。口腔外科での説明通り、残念ながらこの病気の原因は不明で、今のところ明確な治療法はありません。
口唇ヘルペスや帯状疱疹、天疱瘍、、類天疱瘍などの病気では水疱ができ、それが潰れて粘膜が?れますが、これらの水疱性疾患の場合は痛みを伴うため該当しないでしょう。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
女性T |
2013年1月27日 |
【相談者】2013年1月27日 女性T
質問1
私の母のことで質問させてください。母は4年前舌癌(多発性)になり、大学病院で放射線と抗がん剤治療で治療しましたが、放射線治療の影響で骨髄炎、骨壊死となってしまいました。
去年の12月から、近くの総合病院で高圧酸素療法を開始しましたが、その結果舌癌が再発し、また左側の下顎を骨折してしまいました。
1月より抗がん剤治療を始め、良く効いたそうです。(現在1クール目後の休薬中です)ですが、特に骨壊死の酷かった左側の顎の辺りの皮膚が欠損してしまいました。主治医の先生はもう1回か2回抗がん剤をして、それから形成外科で移植手術を元の大学病院でしようと思っておられるようです。
家族としては唇のすぐ横と左顎の2cm程下の首のところに、今回穴があいてしまったような変な赤みがあり、次に抗がん剤をしてしまいそこにも穴があいてしまえば命に関わるのではと心配しています。
本当に形成外科で治せるのでしょうか。また、同時に顎の再建手術を行うことはできると思われますか。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
舌癌の再発後、抗癌剤による化学療法が奏功して癌組織が壊死を起こし、その部分が空洞化したと考えられます。つまり、皮膚が欠損した部分は癌の再発であると推察します。唇の横と首に赤みがあるということですが、この部分に再発病巣が残存している可能性があり、2回目の化学療法が効けば、ここにも穴が開くかもしれません。
新たな穴について心配されていますが、穴が開くこと自体はそれほどの問題ではありません。むしろ首の癌が周囲に拡大して頸動脈に浸潤すると危険なので、抗癌剤が効く方がよい方向に進むでしょう。
皮膚に穴が開いた別の理由として、放射線治療及び化学療法により血管がダメージを受け、血行障害のために組織に壊死が生じた可能性があります。また栄養状態の悪化などにより、創傷治癒力が低下しているのかもしれません。
化癌療法などにより癌が消失すると、何らかの組織を用いて皮膚の穴を補う手術を受ける必要があります。皮膚や粘膜、筋肉など軟組織の他、骨や歯などの硬組織の再建も今後行うことになります。
放射線照射による骨壊死や抗癌剤の使用を考慮すると、硬軟両組織の再建を同時に行うことは極めて困難でしょう。従って、やはり穴を塞ぐなど軟組織の再建を先行させることになると考えます。
【相談者】2013年1月31日 女性T
質問2
こんにちは。先日、母の舌癌再発の件で問い合わせした者です。早速丁寧なお返事を頂き、ありがとうございました。
抗がん剤が効いたのか、抗がん剤の副作用なのか、どちらにしても母には頭頸部の再建手術が必要ということなのですね。
軟組織と硬組織、同時の再建は難易度が高いとのことで、基本的には形成外科で軟組織を再建、その後日をおいて下顎骨の再建となる可能性が高いのでしょうか。
実は、昨日主治医の先生(抗がん剤の先生で、内科の先生です)が欠損した場所的に骨折して折れた骨が穴から突きだしてきてもおかしくないが…とのことで見たところ、骨がいびつではあるが、くっついているのでは。と言われるのです。
元々兵庫医大の口腔外科にかかっていて、そちらの先生からは、もう骨が自力でくっつくことはないと言われていたのですが…。自力でくっつくなんてことはあるのでしょうか。
確かに、穴の後側の骨折した部分は前は窪んでいて、赤みがありました。今はその部分にも穴が広がっているのですが、窪みはなくなり、穴からはくっついた骨が見えています。カスカスの骨ですが…。
続けての質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
下顎の壊死と骨折、顔面もしくは頸部の皮膚の欠損があることから、何らかの再建術は必要になるでしょう。軟組織と硬組織の再建を同時に行うのか、時期をずらして再建するかは現在の状態などを総合的に判断して決定されるはずです。
放射線骨壊死による骨折の方が自然にくっつくのか否かという件に関しては、くっつかないと推察します。下顎は常に動かす部分なので安静な状態を保つことは難しく、自然にくっつくことは珍しいのです。健康な人が事故やけがで骨折した場合でもそうなのですから、病的に骨折して骨や体の状態が良くない状況でくっつき、治ってしまうという可能性は低いといえるでしょう。