年齢 |
性別 |
相談日 |
50代
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女性 |
2010年11月12日 |
【相談者】2010年11月12日 50代 女性
質問
初めまして、こんにちは。現在、唾液がネバネバしたり、口が乾燥してたぶんドライマウスかなあと思っています。私はパニック障害と過呼吸、うつ病で、診療内科に通っています。本当は、そちらの医院で直接お話を聞きたいのですが、パニックで長い時間の外出が出来ません・・・。心療内科の方でも相談したのですが、ドライマウスになるほどのお薬は出していない、との事で、一応アーテン錠2mgを頂いて飲んでいますが、改善はありません、家で症状を治す方法などが有りましたら、教えて頂きたいです。宜しくお願い致します。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
パニック障害やうつ病に対して、抗うつ薬や抗不安薬を処方されているようですが、これらの薬剤は多かれ少なかれドライマウスを引き起こします。また、薬の副作用によって生じる錐体外路症状が原因でネバネバ感が生じていると考え、アーテン錠が処方されていると推測しますが、こちらも同様にドライマウスを引き起こすものです。
従って、薬の服用を中止すればドライマウスの症状は改善するかもしれませんが、今度はうつ病などの悪化が懸念されるため、休薬するか否かは慎重な判断が必要となります。心療内科の先生は休薬よりも薬を維持する必要性を重視されているようなので、薬の中止はやはり問題がありそうですね。そうであれば薬は維持したまま、他の方法でドライマウス症状の改善をはかるべきでしょう。方法は多種多様にありますので、以下に列挙します
十分に水分を捕る。
お茶やコーヒーの飲みすぎは避ける。
よく噛んで食事することを心掛ける。
口の周囲の筋肉を鍛える。
唾液腺マッサージを行う。
くいしばらず、肩の力を抜く。
ストレスをため込まない。
体質に合った漢方薬を服用する。
また、重篤なドライマウスを引き起こす原因として、シェーグレン症候群という病気があります。唾液検査や血液検査でこの病気の有無をチェックすることも必要でしょう。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
女性 |
2010年10月12日 |
【相談者】2010年10月12日 20代 女性 M
質問
6年前に、受け口の矯正と、下顎骨を切って後ろへずらす手術を受けました。目が覚めたときから左舌が腫れていないのに腫れている感じがし、(実際には腫れていません)徐々に感覚は戻ったのですがかなり鈍く、常にしびれていて、酸っぱい感じがします。左の歯を磨くだけで左舌に痛みが走ったり、痺れと痛みと酸っぱさが耐えきれず、飴をなめて気を紛らわさないといけない状態がずっと続いています。
今日、ふと鏡を見ると左舌の一部が茶色くなっていました。以前にもたまに、こういうことはありました。また、これも依然からですが、左の舌には右舌に見られるような赤いぷつぷつや、生き生きとした赤色はみられず、なんとなく薄い紫のような色で、張りもありません。
当時の先生にこのことは伝えていましたが、「気のせいだ」と言い相手にしてもらえず、ビタミン剤をもらっただけでした。その後、ずっと怖くて病院に行っていなかったのですが、この違和感がつらくてたまりません。何か治療法はあるのでしょうか?一度、受診した方が良いのでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
受け口(下顎前突症)を改善するために下顎骨骨切り術を受け、その際に舌神経に損傷が生じたということですね。6年が経過しても感覚が鈍い状態が残存しているのは、おそらくそのためでしょう。舌神経は舌の前方3分の2の知覚を司るため、損傷を受けると感覚(知覚)が麻痺してしまいます。また、鼓索神経という自律神経も走行していることから、自律神経に関係した症状も同時に出現する場合があります。それが、今回問題にされている酸味感などの味覚異常や、毛細血管の透過性亢進による茶色の変色などの原因であると考えられます。
www.koku-naika.com/p447orofacialpain30.htm
さらに、感覚が鈍いだけでなく触ると痛みが走る症状は神経損傷後に起こる痛覚過敏で、残念なことに治療が困難なものであるとされています。
治療方法については、手術の直後であればビタミン剤などが有効ですが、6年も経った今となっては効果は期待できません。星状神経節ブロックとよばれる首への注射や抗うつ薬、抗けいれん薬などが有効な場合がありますのでペインクリニック、歯科麻酔科、口腔外科などでご相談されることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性
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2010年9月30日
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質問
4年前くらいから、熱いお風呂に入ったりして体があたたまると、顎全体(歯全体)が痛くなります。しばらく我慢していればおさまるのですが、すべての歯が痛くなるのでいったい何なのか心配しています。歯科治療中にも、ひとつの歯が痛くなるとその両隣や下の歯の治療中なのに、同じ場所の上の歯が痛くなることもありました。気のせいか冷たいものを口にすると治りが早い気がします。神経の炎症や腫瘍など、考えられますか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
ひとつの歯が痛くなると隣接する歯や噛み合う側の歯(対合歯)が痛くなるという現象は、しばしば見られるものです。わたしたちの脳は痛みを感じる構造になっているのですが、1本ずつ区別して痛みを感じることができないため、周囲の歯も痛んでいるような錯覚を起こしやすいのです。これを「連関痛」といいます。
さて、体が温まると全部の歯が痛むということは歯周病の場合によく見られるもので、神経の炎症や腫瘍の場合の痛み方とはかなり様相が異なります。従って、歯科で歯周病を含め痛みの原因を調べることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性 |
2010年9月21日 |
【相談者】2010年9月21日 40代 女性 HK
質問1
もう10年近く前になるのですが、唾石症のため、口腔外科で顎下腺の摘出手術をして以来、舌の右半分の痺れが治らず苦しんでいます。手術後、2年ほど通院しましたが、医師は、「回復するまでには時間がかかる」と言うだけで、手の施しようがない様子のため、通院もやめてしまいましたが、結局10年近くたった今でも痺れは回復しません。
手術前に、こんな後遺症がでることなど聞いていませんでしたが、こんなことはよくあることなのでしょうか。正直、10年近くにわたる痺れの不快感によるストレスは大変なもので、(具体的に書くと長くなりますので省きますが)この症状がこのまま一生続くのかと思うと耐えられない思いです。
痺れを改善する方法は、やはりないのでしょうか?また、これは医療ミスとはいえないのでしょうか?一生逃れられそうにない苦痛を思うと、何らかの責任をとって欲しい思いはあるのですが・・・宜しくお願いいたします。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
顎下腺の摘出の際、右の舌神経が損傷を受けたと推測します。少々の損傷であれば時間の経過と共に回復するのですが、10年近くたっても痺れたままということから、神経が切断されてしまった可能性があります。
当然のことながら、手術では神経や血管を傷つけないように注意するものですが、それでも損傷してしまう場合があります。神経の走行には一定のパターンがあるのですが、中にはパターン外の部分を走っている場合もあります。また顎下腺の炎症が慢性化し、周囲の組織と癒着している場合は傷つきやすくなります。
ところで、神経の損傷が医療ミスなのか、それとも不可抗力によるアクシデントなのかをメール上で判断することは不可能です。ただし、手術前の説明には不備があったといえるかもしれません。原則として、手術前には起こり得る問題について担当医が一通り説明し、その上で手術を行うか否かを相談し、最終的に決定する必要があります。そのような説明がなかったとしたら、その点に関しては問題があるといえるかもしれません。
残念ながら、これから麻痺を回復させることは難しいでしょう。傷ついた神経をつなぐ「神経縫合術」や、足などから神経を採取して移植する「神経移植術」を行うことが、残された手段であると思います。従って、神経に関する手術の経験が豊富な口腔外科、あるいは形成外科の病院で相談されることをお勧めします。
【相談者】2010年9月22日 40代 女性 HK
質問2
樋口先生。お忙しい中、早々に、またご丁寧なお返事、本当に感謝いたします。今まで、心の中で悶々としながらも、どこに相談してよいのかもわからずにおりましたが、先生のお答えをいただき、大分気持ちがすっきりいたしました。
今度、経験豊富な口腔外科か形成外科を探して受診してみようと思います。本当にありがとうございました。お体に気をつけて、先生のさらなるご活躍をお祈り申し上げます。
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
早期のご回復を心よりお祈り申し上げます。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代 |
女性 |
2010年9月8日 |
【相談者】2010年9月8日 50代 女性 OK
質問
3月から口の中にいつも、ビスケットの粉があるような違和感があります。歯科で観て頂いても異常なし」でした。夜になると違和感は強まります。最近はザラザラ感の他にヌルヌル感もあります。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
口の中にビスケットの粉のようなものが実際にある場合と、ない場合とで治療法が異なりますが、歯科の診察で異常は見当たらないということですね。それでも違和感がある場合は「口腔異常感症」という病名がつきます。
原因はいろいろと挙げられますが、最も多いケースがドライマウスで、口腔粘膜が乾燥すると粉っぽい違和感やザラザラ感、ヌルヌル感が生じます。これらの症状はストレスや不安感によって誘発されやすく、心理的・社会的な要因から生じる場合が多いため、身体表現性障害と呼ばれます。その他には、うつや統合失調症の身体症状である場合もあります。
それぞれの原因に応じた治療を行うためドライマウスの有無などを調べることになりますが、中には原因が見つからないケースもあります。そのような口腔異常感症に対しては、異常と感じる感覚を改善するための治療法が必要となります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性 |
2010年9月1日 |
【相談者】2010年9月1日 30代 女性 TA
質問
こんにちは。3ヶ月前に左下6番のかぶせ物が取れ、抜歯したほうがいいけどこのまま使ってもいいといわれ、新しくかぶせ物をしました。その後、右下6番の歯にひびが入り抜歯して、インプラントの1次手術を1週間前に終えました。
3ヶ月前位から左奥歯の上の6番がひどい知覚過敏になったり、前歯上下全体がしみたり、ずっと前歯がすーすーする、ずきずきする、浮くような痛み(違和感?)があります。上前歯の1番左右の間を3年以上前に治療して白い詰め物をしてもらっていて特に上の左右1番が痛みますが、断定的に言える歯がありません。
しばらく口をあけずにいると、上唇の内側が上歯茎にくっついて、歯茎からはがすと、しょっぱい味がします。これは膿なのでしょうか?また、口の中がいつもすっぱい感じなので、唾液が多いです。
上1番の隙間の歯茎の圧迫痛もあります。歯石もとってもらい歯茎ははれていません。知覚過敏の治療は、5回しましたがよくなりません。前歯は以前過食嘔吐もしていた時期があり、先が薄くなっています。原因がわからず不安です。ちなみに今授乳中です。長々と書いてしまい、お手数おかけいたしますが、ご返答宜しくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
「かぶせ物の脱離」「歯にひび」「知覚過敏」「浮くような痛み」といった症状から、くいしばりや歯ぎしりが疑われますが、その場合は起きている間、上下の歯を接触させないように注意してください。また、就寝中はナイトガードというマウスピース状のものを歯に装着するとよいでしょう。ナイトガードは歯科で作製してもらうことができ、保険が適用されます。
一方、「すっぱい感じ」「しょっぱい味」という症状からは、ドライマウスや歯周病、味覚障害、唾液緩衝能力の低下が疑われます。歯周病については、歯科で正しい歯磨きの方法を学ぶと同時に、歯の表面をクリーニングしてもらいましょう。
また、拒食症の経験や小さなお子様を子育て中という現状からストレスや不安、うつなどの問題も考えられます。ドライマウスや味覚障害、唾液緩衝能の低下はストレスが原因となって自律神経機能に狂いが生じた結果、発症する場合が多いのです。また、薬の副作用やうつの身体症状の可能性もあります。
従って、実際の状態について治療中の歯科で詳しい検査を受けるか、あるいは専門の医療機関を紹介してもらうことをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
男性 |
2010年8月17日 |
【相談者】2010年8月17日 40代 男性 O
質問
左下顎に親知らずが水平に生えています。その親知らずと次の歯の根元にバクテリアが溜まっていると言われました。痛みはありません。でも、担当医の話だといつかは症状が悪化してしまうので、手術でその親知らずを抜いてから隣の歯の治療(昔に詰めたプラスチックの詰め物が取れた)を始めた方がいいと言われました。
このサイトにも説明してありましたが、水平に生えた親知らずは抜いた方がいいのでしょうか?あと、すでにバクテリアが少しでも溜まっている場合、手術以外治療方法はないのでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
親知らずの手前の第2大臼歯に「根尖病変」と推測されるエックス線像が写っているのでしょうね。虫歯になる前に歯の神経を抜いて治療を受けられたと思われますが、今もなお根尖部に虫歯菌が居残り、顎の骨を溶かしているのでしょう。神経が死んでいるにもかかわらず、神経を抜く治療がまだ行われていないのかもしれませんね。
このような場合は、根の中をきれいに掃除したうえで根管拡大と根管貼薬、根管形成、根管充填を行うことが望ましいと考えられます。ただし、今まで特に不都合な症状が生じていないようなので、何もせずにこのまま様子をみていくという方法も間違いではありません。この点については、担当の先生とよく相談された方がよいと思います。
さて親知らずについてですが、水平に生えている場合は原則として抜くことが望ましいといえます。水平になっているということは、「上の歯と接触してものを噛む」という歯の役割を果たしていないはずです。つまり何の役にも立たず、周囲の歯や歯肉などに対して害がある状況ですから、このような歯はできるだけ抜歯した方がよいのです。
ただし、水平になっている親知らずは簡単に抜けないため、抜歯には一定の技術が必要となります。歯肉の切開や歯の分割、骨の削除などを行うため、抜歯後は歯肉や下顎面が腫れやすく、口が開きにくくなったり、痛んだりする場合がよくあります。また、神経が傷ついて麻痺が生じるケースも稀にあります。
上記のような問題はあるものの、それでも抜く方が得策なのです。親知らずを残したために周囲の歯が悪くなると、問題が残る可能性が高いからです。それでも抜きたくないという場合は、親知らずの部分をきれいに磨く方法を指導してもらい、よい状態を保つよう心がけてください。
www.koku-naika.com/p230pericoindex.htm
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
女性 |
2010年8月11日 |
【相談者】2010年8月11日 20代 女性 P
質問
唾石症はレントゲンで判りますか?左耳の下から顎にかけて痛みと腫れがみられます。リンパの通る首筋周辺とも言えますが、食事をする時とその後に特に症状が強くなります。酸っぱいものを食べた時のような感覚も走り、食事が思うように摂れないでいます。
歯科を受診しレントゲン撮影をしましたが、顎関節症と判断された以外は特に何も診断されませんでした。顎関節症により唾石症によく似た症状がみられるケースはよくあるのでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
唾液は主に耳の下にある耳下腺で作られ、分泌されます。耳下腺で作られた唾液はステノン管という管を伝って前方に流れ、頬粘膜にある耳下腺乳頭から口腔内に出てきます。ところが、何らかの理由で唾液の流れが悪くなると、唾液が耳下腺内に溜まって痛むようになり、特に酸っぱいものを食べた時に痛みやすくなります。
唾液腺の流れが悪くなる原因としては、ステノン管内にできる唾石が挙げられます。耳下腺の萎縮や変性、薬の副作用などによって唾液分泌量が低下すると唾石ができやすくなりますが、できていなくてもステノン管の内径が細くなって唾液の通りが悪くなると、耳下腺部の腫れや痛みが生じます。また、口腔内からの細菌感染によりステノン管の内径が細くなると、逆に唾液流出の減少によって細菌感染を起しやすくなります。
唾石の有無については、耳下腺部のエックス線撮影や超音波断層撮影(エコー)、CT、唾液腺造影、唾液腺造影CTによって確認することができますが、大きい場合は手で触って確認できる場合もあります。
また、耳の下の部分には顎を動かす筋肉も走行していることから顎関節症も疑われますが、顎関節症と耳下腺炎(耳下腺唾石症を含む)が併発している可能性もあります。
【相談者】2010年8月11日 男性 N
質問1
お尋ねいたします。お忙しい中すみませんが、少しお聞きしたいことがあります。今通っている歯科はすごく、レントゲンを撮るのです。 最高5回くらい、たてつづけに・・・ 前歯、よこ、上、下と言うように。
歯医者でのレントゲンは気にしなくてもいいのでしょうか? 口になかに何か出来ないか、不安になってしまいました。 放射能は極微量なのですか? いつでもいいので、お返事いただけますか? 本当にすみませんが、よろしくお願い致します。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
歯科のエックス線撮影による放射線被曝については、全くご心配に及びません。従って、必要があれば何枚撮ってもらっても構いませんし、詳しい検査を行う方が歯の治療もスムーズに進むでしょう。
2007年8月、「日本歯科医師会報」に掲載された論文を参考に説明します。広島・長崎の原爆のように大量の放射線を浴びるとガンが発生する場合がありますが、放射線による人体への影響度を「シーベルト(Sv)」という単位で表すと、放射線によるがん発生は100mSv以下では確認されていません。
たとえ100mSv以上の放射線を受けてもがんが発生するとは限りませんが、それ以下では発生しないであろうと考えられています。この結果から、エックス線撮影や放射線同位原素などによる被曝量は、1年間に100mSv以下が望ましいとされています。
一方、歯科用エックス線写真の被曝実効線量は約0.0014mSv、パノラマ撮影の場合は約0.011mSvですから、どちらの撮影方法でも1年間で1万枚近く撮らない限りは基準を超えることはありません。 ちなみに宇宙からの放射線や大地、飲食物からも人間は放射線を浴び続けおり(1992年の国連委員会の報告によると1年間で1.48mSv )、これと比べても歯科のエックス線検査の影響がとても小さいことがお分かりいただけると思います。
【相談者】2010年8月12日 男性 N
質問2
先生、本当にいつも詳しい、そして誠意あふれる、ご回答を 誠に有り難うございます。 安心しました。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
男性 |
2010年8月2日 |
【相談者】2010年8月2日 30代 男性 F
質問
噛む時に咬筋が時々痛み食事に支障をきたします。正面から見ても咬筋の張り出しがわかるので咬筋肥大症だと思うのですが咬筋切除を切実に考えています…この手術を受ける場合、大学病院の形成外科あるいは口腔外科どちらに行けばよろしいんでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
エラが張った顔貌かつ食事中に痛みが生じている状態ということですが、一番お困りの点は痛みでしょうか、それとも見た目でしょうか。それによって治療内容が異なります。
見た目が気になる場合は、美容外科で咬筋や下顎角部の骨の張り出しを治療するのがよいでしょう。咬筋肥大症に対しては、咬筋を下顎骨から切り離して萎縮させる「咬筋切除術」や咬筋を切断して除去する「咬筋切除術」という手術法がありますが、手術は神経を損傷してしまう可能性があるため、ボツリヌス毒素A(ボトックス)の注射で咬筋を萎縮させる治療法が一般的なようです。
また、下顎角の骨の張りに対しては下顎角除術という手術を行いますが、これらの治療は審美的な改善を主目的としたものであるため保険が適用されず、治療費は高額となります。
一方、咬筋の痛みでお悩みの場合は口腔外科を受診していただくことになります。咬筋が肥大する原因には歯ぎしりやくいしばりの癖、スポーツや力仕事によるくいしばり、ガムを噛む習慣などが挙げられますが、ストレスや不安など心理的な要因が関与しているケースも多くみられます。
従って、原因や病態をよく調べた上で薬物療法、スプリント療法、簡易精神療法、認知行動療法、ハリ治療など多種多様な治療法の中から最適な方法を選択する必要があります。これらの治療法のほとんどが保険適用ですから、まずは口腔外科を受診されることをお勧めします。