年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性 |
2010年12月16日 |
【相談者】2010年12月16日 40代 女性 L
質問
12歳の子どもの相談です。小学校2年生の時から4年間歯列矯正をしていたのですが、最近になって検査で蝶形骨の発育異常で蝶形骨が異常に発達している為、いま矯正してもあまり意味がなく骨の発育が終わった段階で手術をして骨を削ると言われ、長年装着してきた矯正器具もはずされてしまいました。
先生からは病気なので手術は保険がきくと言われたのですが、どのような病気で手術はどのような手術で、手術をすればなおるのでしょうか?また、骨の成長が止まるまで経過観察のようなのですがそれまで症状的にはどんな事がありますか?よろしくお願いします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
蝶形骨の腫瘍ではなく発育異常ということから、「線維性骨異形成症」が疑われます。この病気は骨が発育・成長する際、骨の代わりに一部が線維性結合組織となって増殖する病気です。他に皮膚の色素沈着や内分泌異常を伴う病気をAlbright症候群ともいいます。
この病気は小児期に進行しますが、第2次成長期を過ぎると進行が止まり、その後に蝶形骨を含む顔面骨の骨切り術(骨を切断して一部を切り取った後、再度つなぎ合わせて骨を小さくする手術)を行うことになります。手術で顔面を後方に移動させることにより、顔面の突出は改善されますが、そのままの状態では上下の歯をきちんと噛み合わせることができません。そのため、手術前後の数年間は矯正治療を行い、噛みあわせを調整する必要があります。
骨の成長が止まるまでは顔面(眼や鼻などの上・中顔面)が前に突出しますが、有効な対応策は期待できないでしょう。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性 |
2010年12月9日 |
【相談者】2010年12月9日 30代 女性 Y O
質問1
2007年より疼痛性障害(わき腹痛・頭痛)になり、その間に歯がかけ歯医者に行き表面を削って埋めてもらいました。そうしたところ、歯が激痛になり堪えられない痛みが何週間も続いた為、神経をぬきました。歯の痛みがなくなったと思ったら今度は歯茎が激痛になり現在もとても苦しんでいます。大学病院でCTも撮りましたが異常ありませんでした。
硬化性骨髄炎ではないか心配ですがCTで異常がなければ疑いはないのでしょうか?鎮痛剤は効きません。抗うつ剤では三環系(トリプタノール)の薬ではかなり副作用がきつく続きませんでした。SNRIトレドミンは15ミリを1日2回のんでいました。副作用はありませんでしたが効果を感じなかったので3週間でやめてしいました。
今思うと量的にMAXまで増量して効果がでるものだたのでしょうか?また、SSRIの抗うつ薬も副作用が少ないと聞いたので試してみたいと思っています。現在は、激痛の時にデパスのみでしのんでいますが、限界を感じています。
SSRIとSNRIの違いとこのような症状に合うお薬はどちらが良いのでしょうか?是非、先生のご見解をお聞きしたく宜しくお願い致します。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
大学病院でCT撮影を行って確認されていることから、歯や歯周組織、顎骨の異常ではなさそうですね。また、骨髄炎の可能性もほとんどないと考えられます。従って、今後さらに歯の治療を続けたとしても、改善する見込みは少ないでしょう。
歯が原因ではない歯の痛みで多いのは、食いしばりや歯ぎしりによる筋・筋膜痛です。対策としては、日中は食いしばらないように注意し、就寝中はオクルーザルスプリントなどを装着する方法がお勧めです。
筋・筋膜痛以外では、疼痛性障害や統合失調症、気分障害(うつ病、双極性障害など)による痛みが疑われ、抗精神病薬や抗うつ薬、気分安定薬などによる薬物療法が必要となります。
疼痛性障害には三環系抗うつ薬が有効です。トリプタノールは服用開始から2週間は副作用が出やすいとされていますが、徐々に体が慣れると副作用も軽減するため、それまでは我慢も必要です。また、トレドミンは100mg以上に増量すると効果が期待できますが、一定期間服用を継続する必要があります。
一方、SSRIとは選択的セロトニン再取り込み阻害薬、SNRIとは選択的セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬を意味し、SNRIの方が効果も副作用もより高いとされています。なお、デパスは効果が徐々に弱まるという性質があります。
【相談者】2010年12月12日 30代 女性 Y O
質問2
ご丁寧なご回答を頂き大変ありがたくお礼申し上げます。
もう少しトレドミンの量を増やしながら経過をみてみます。口腔外科では抗うつ剤は通常処方されないんですね。私が通っている大学病院の口腔外科では量的に心療内科での処方になると言われました。痛いのは、歯ぐきなので口腔外科で見て頂きたい心境です。
取り急ぎ、お礼まで。先生のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
疼痛性障害や神経障害性障害、筋・筋膜痛、その他の非定型顔面痛などにより痛みが持続し、そのため治療の効果が得にくい場合がありますが、このような状況下では3環系の抗うつ薬を中心とした薬物治療が有効です。口腔外科には慢性疼痛を訴える患者さんが日々来院されるため、日常的に薬物療法を行う一方、心療内科で口腔内の症状について詳しく診察することは困難でしょう。
抗うつ薬は少量からスタートし、効果があらわれるまで薬の量を増やしていきますが、服用量が少ないと治療が成功しないケースもあるため、自ずと薬の量が増えてしまう傾向にあります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性
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2010年12月2日
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質問
1週間ほど前から、歯ぐきの違和感そして、耳の奥のずんずんする痛みそして、のど唇舌の裏のヒリヒリする痛みとしびれがあります(すべて右半分)。脳神経外科で精密検査をしたのですが問題はなく、とりあえず三叉神経痛の疑いとのことでテグレトールとボルタレンの鎮痛剤を飲んでいます。が一向に効きません。私の痛みは三叉神経痛とはちがい、常にどこかの部位が痛く、三叉神経痛にみられる食べ物や風等の刺激には大丈夫なので、それとは違うかも・・といわれています。耳鼻科を受診したのですが、そこも問題はありませんでした。何が原因とかんがえられるでしょう
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
このような症状が生じる病気は多種多様にありますが、以下に列挙してみます。
三叉神経痛
顎関節症
筋・筋膜痛
ヘルペス性疼痛
耳の疾患
脳腫瘍や脳血管の異常
非定型顔面痛
口腔灼熱症候群
鬱病や統合失調症の身体症状
歯周病
自己免疫疾患
片頭痛
すでに脳神経外科と耳鼻咽喉科を受診されたようですから、脳や耳に起因する問題ではないようですね。他の可能性について、何かお話はありましたか。これらの点も踏まえたうえで、詳しい診察を受ける必要がありそうです。
年齢 |
性別 |
相談日 |
70代 |
男性 |
2010年11月30日 |
【相談者】2010年11月30日 30代 男性 I
質問
歯茎が痛くて2軒程診察治療をしました(歯石取が主)歯茎は其の時腫れてました。歯石が原因と云われ全部取りましたがまだ歯茎がうずきます。知覚過敏と思われます。神経を抜くしか無いと云われました、押えても歯は痛くないです。腫れがひきません。適切な御指導お願いします。年齢72才です。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
歯肉の痛みと腫れが見られるというお話から、歯周病の可能性が高そうです。歯石を取られたようですが、歯肉より奥深く(歯肉縁下)に隠れている歯石までを取り除けていない場合は、症状が続く可能性があります。また、歯磨きが不十分で磨き残しが多く、歯垢(プラーク)が歯に付着した状態であれば、いつまでも回復しないでしょう。
まずは、正しい歯磨きの練習を行い、磨き残しをなくすことが大切です。また、同時に歯肉縁下の歯石を除去し、根の表面をツルツルに磨き上げる「ルートプレーニング」も必要となります。歯磨きについては、誤った磨き方を続けることによって歯肉が傷つき、痛んでしまうため注意が必要です。力加減を調節することが重要でしょう。
以上、歯周病の問題が改善していない状態が最も疑われますが、他の可能性もあります。歯肉の腫れは抗けいれん剤や降圧剤、免疫抑制剤などの薬物によって生じる歯肉増殖症の可能性の他、歯肉線維腫症なども考えられます。また、歯肉ではなく歯肉の下の骨が増大する外骨症もあります。
一方、歯肉の痛みについては口腔灼熱症候群や口腔異常感症、口腔セネストパチー、疼痛性障害、筋膜痛、カンジダ症、ヘルペスウイルスによるものや原因の見当たらない非定型歯痛なども考えられます。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
男性 |
2010年11月28日 |
【相談者】2010年11月28日 30代 男性 M
質問
初めて相談させていただきます。3年ほど前に歯医者で左下6番に虫歯が見つかったので大部分を削り、神経を抜いて銀歯を埋めて治療が終了しました。その後すぐに左下6番延長上の左頬下が痛み出し、その部分を手で軽く叩くと左頬下周辺がビリビリと痺れるような症状が出始めました。
10日程度続いた後痺れは治まりましたが、現在も時折左頬下や左口腔内、首の左側に圧迫感を感じたり左耳から首にかけてビリビリと痙攣したりします。この虫歯の処置後の痺れとこれらの症状は関連性がある可能性はあるのでしょうか?
これ以外にも2年半ほど前より原因不明の嚥下障害が続いていて、内科、耳鼻科、消化器科、神経内科で内視鏡、CT、 MRIなどさまざまな検査もしましたが異常が見つかりませんでした。少しずつ、前述した圧迫感が強くなってきているため、この口腔内の症状と嚥下障害が何か関係があるのではと気になっています。ご回答よろしくお願いいたします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
治療以後その周辺にいくつかの症状が続いているということですが、まず確認すべき点は「歯の治療が成功したか否か」ということです。歯の神経を抜く治療が思わしくできなかったり、歯が割れてしまった場合や、顎の骨に病変がある場合は、何らかの症状が続いても不思議ではありません。しかし、この点については歯科で確認したうえ、問題がないということですね。
歯やその周囲の組織に明らかな異常が見当たらないにもかかわらず、症状が長く続く原因として、歯の神経を抜いたことによる末梢神経の損傷から引き起こされる病気(複合性局所疼痛症候群Ⅱ型、英語表記はcomplex regional pain syndromeで、CRPSと略します)が疑われます。
歯の神経を抜くと、歯の根の先端部分で一度神経は切断されますが、通常は時間が経てば治るものです。ところが、切断部付近の神経が異常な興奮を起こし、それが持続して周辺にある交感神経まで影響が及ぶケースがあります。これがCRPSⅡ型の病態であり、痛みやピリピリ感、痙攣、脱力、感覚異常やその他さまざまな症状が出現するのです。
CRPSⅡ型の治療方法としては、星状神経節ブロックやトリガーポイントブロック、あるいは抗うつ薬や抗痙攣薬、抗不安薬などを服用する薬物療法があります。
他に、顎関節症でもこのような耳の症状が生じる場合がありますが、口腔外科や歯科ではこの点について何といわれましたか。ただし、どんなに検査しても異常が見当たらないケースであっても、生活上のストレスや不安感から、このような症状が起こる可能性はあります。その場合はまず、症状の改善を主眼とした治療を進めていくことになります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
男性 |
2010年11月23日 |
【相談者】2010年11月23日 30代 男性 K
質問
20日前から耳が詰まった感じがありしゃべるとエコー音がし頭がふらふらします。 耳下から顎の関節にかけて筋肉に違和感があり夕方になると症状がひどくなります。耳鼻咽喉科・口腔外科・呼吸器内科・神経内科に受診しましたが症状がひどなるばかりです。原因は何がしているのでしょうか?歯医者に行ったら虫歯でない歯を抜かれそうになりおまけに整形を勧められました。頭にきました。何が原因なんでしょうか?至急におしえて。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
「耳の詰まった感じ」「頭がふらふらする」という症状から、耳に問題がありそうですが、耳鼻咽喉科での診察の結果は異状なしということですね。脳神経の異常や頭蓋内の病気も考えられますが、神経内科の診察はすでに受けられたのですね。
他に、顎関節症でもこのような耳の症状が生じる場合がありますが、口腔外科や歯科ではこの点について何といわれましたか。ただし、どんなに検査しても異常が見当たらないケースであっても、生活上のストレスや不安感から、このような症状が起こる可能性はあります。その場合はまず、症状の改善を主眼とした治療を進めていくことになります。
年齢 |
性別 |
相談日 |
50代
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女性 |
2010年11月12日 |
【相談者】2010年11月12日 50代 女性
質問
初めまして、こんにちは。現在、唾液がネバネバしたり、口が乾燥してたぶんドライマウスかなあと思っています。私はパニック障害と過呼吸、うつ病で、診療内科に通っています。本当は、そちらの医院で直接お話を聞きたいのですが、パニックで長い時間の外出が出来ません・・・。心療内科の方でも相談したのですが、ドライマウスになるほどのお薬は出していない、との事で、一応アーテン錠2mgを頂いて飲んでいますが、改善はありません、家で症状を治す方法などが有りましたら、教えて頂きたいです。宜しくお願い致します。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
パニック障害やうつ病に対して、抗うつ薬や抗不安薬を処方されているようですが、これらの薬剤は多かれ少なかれドライマウスを引き起こします。また、薬の副作用によって生じる錐体外路症状が原因でネバネバ感が生じていると考え、アーテン錠が処方されていると推測しますが、こちらも同様にドライマウスを引き起こすものです。
従って、薬の服用を中止すればドライマウスの症状は改善するかもしれませんが、今度はうつ病などの悪化が懸念されるため、休薬するか否かは慎重な判断が必要となります。心療内科の先生は休薬よりも薬を維持する必要性を重視されているようなので、薬の中止はやはり問題がありそうですね。そうであれば薬は維持したまま、他の方法でドライマウス症状の改善をはかるべきでしょう。方法は多種多様にありますので、以下に列挙します
十分に水分を捕る。
お茶やコーヒーの飲みすぎは避ける。
よく噛んで食事することを心掛ける。
口の周囲の筋肉を鍛える。
唾液腺マッサージを行う。
くいしばらず、肩の力を抜く。
ストレスをため込まない。
体質に合った漢方薬を服用する。
また、重篤なドライマウスを引き起こす原因として、シェーグレン症候群という病気があります。唾液検査や血液検査でこの病気の有無をチェックすることも必要でしょう。
年齢 |
性別 |
相談日 |
20代 |
女性 |
2010年10月12日 |
【相談者】2010年10月12日 20代 女性 M
質問
6年前に、受け口の矯正と、下顎骨を切って後ろへずらす手術を受けました。目が覚めたときから左舌が腫れていないのに腫れている感じがし、(実際には腫れていません)徐々に感覚は戻ったのですがかなり鈍く、常にしびれていて、酸っぱい感じがします。左の歯を磨くだけで左舌に痛みが走ったり、痺れと痛みと酸っぱさが耐えきれず、飴をなめて気を紛らわさないといけない状態がずっと続いています。
今日、ふと鏡を見ると左舌の一部が茶色くなっていました。以前にもたまに、こういうことはありました。また、これも依然からですが、左の舌には右舌に見られるような赤いぷつぷつや、生き生きとした赤色はみられず、なんとなく薄い紫のような色で、張りもありません。
当時の先生にこのことは伝えていましたが、「気のせいだ」と言い相手にしてもらえず、ビタミン剤をもらっただけでした。その後、ずっと怖くて病院に行っていなかったのですが、この違和感がつらくてたまりません。何か治療法はあるのでしょうか?一度、受診した方が良いのでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
受け口(下顎前突症)を改善するために下顎骨骨切り術を受け、その際に舌神経に損傷が生じたということですね。6年が経過しても感覚が鈍い状態が残存しているのは、おそらくそのためでしょう。舌神経は舌の前方3分の2の知覚を司るため、損傷を受けると感覚(知覚)が麻痺してしまいます。また、鼓索神経という自律神経も走行していることから、自律神経に関係した症状も同時に出現する場合があります。それが、今回問題にされている酸味感などの味覚異常や、毛細血管の透過性亢進による茶色の変色などの原因であると考えられます。
www.koku-naika.com/p447orofacialpain30.htm
さらに、感覚が鈍いだけでなく触ると痛みが走る症状は神経損傷後に起こる痛覚過敏で、残念なことに治療が困難なものであるとされています。
治療方法については、手術の直後であればビタミン剤などが有効ですが、6年も経った今となっては効果は期待できません。星状神経節ブロックとよばれる首への注射や抗うつ薬、抗けいれん薬などが有効な場合がありますのでペインクリニック、歯科麻酔科、口腔外科などでご相談されることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
30代 |
女性
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2010年9月30日
|
質問
4年前くらいから、熱いお風呂に入ったりして体があたたまると、顎全体(歯全体)が痛くなります。しばらく我慢していればおさまるのですが、すべての歯が痛くなるのでいったい何なのか心配しています。歯科治療中にも、ひとつの歯が痛くなるとその両隣や下の歯の治療中なのに、同じ場所の上の歯が痛くなることもありました。気のせいか冷たいものを口にすると治りが早い気がします。神経の炎症や腫瘍など、考えられますか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
ひとつの歯が痛くなると隣接する歯や噛み合う側の歯(対合歯)が痛くなるという現象は、しばしば見られるものです。わたしたちの脳は痛みを感じる構造になっているのですが、1本ずつ区別して痛みを感じることができないため、周囲の歯も痛んでいるような錯覚を起こしやすいのです。これを「連関痛」といいます。
さて、体が温まると全部の歯が痛むということは歯周病の場合によく見られるもので、神経の炎症や腫瘍の場合の痛み方とはかなり様相が異なります。従って、歯科で歯周病を含め痛みの原因を調べることをお勧めします。
年齢 |
性別 |
相談日 |
40代 |
女性 |
2010年9月21日 |
【相談者】2010年9月21日 40代 女性 HK
質問1
もう10年近く前になるのですが、唾石症のため、口腔外科で顎下腺の摘出手術をして以来、舌の右半分の痺れが治らず苦しんでいます。手術後、2年ほど通院しましたが、医師は、「回復するまでには時間がかかる」と言うだけで、手の施しようがない様子のため、通院もやめてしまいましたが、結局10年近くたった今でも痺れは回復しません。
手術前に、こんな後遺症がでることなど聞いていませんでしたが、こんなことはよくあることなのでしょうか。正直、10年近くにわたる痺れの不快感によるストレスは大変なもので、(具体的に書くと長くなりますので省きますが)この症状がこのまま一生続くのかと思うと耐えられない思いです。
痺れを改善する方法は、やはりないのでしょうか?また、これは医療ミスとはいえないのでしょうか?一生逃れられそうにない苦痛を思うと、何らかの責任をとって欲しい思いはあるのですが・・・宜しくお願いいたします。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
顎下腺の摘出の際、右の舌神経が損傷を受けたと推測します。少々の損傷であれば時間の経過と共に回復するのですが、10年近くたっても痺れたままということから、神経が切断されてしまった可能性があります。
当然のことながら、手術では神経や血管を傷つけないように注意するものですが、それでも損傷してしまう場合があります。神経の走行には一定のパターンがあるのですが、中にはパターン外の部分を走っている場合もあります。また顎下腺の炎症が慢性化し、周囲の組織と癒着している場合は傷つきやすくなります。
ところで、神経の損傷が医療ミスなのか、それとも不可抗力によるアクシデントなのかをメール上で判断することは不可能です。ただし、手術前の説明には不備があったといえるかもしれません。原則として、手術前には起こり得る問題について担当医が一通り説明し、その上で手術を行うか否かを相談し、最終的に決定する必要があります。そのような説明がなかったとしたら、その点に関しては問題があるといえるかもしれません。
残念ながら、これから麻痺を回復させることは難しいでしょう。傷ついた神経をつなぐ「神経縫合術」や、足などから神経を採取して移植する「神経移植術」を行うことが、残された手段であると思います。従って、神経に関する手術の経験が豊富な口腔外科、あるいは形成外科の病院で相談されることをお勧めします。
【相談者】2010年9月22日 40代 女性 HK
質問2
樋口先生。お忙しい中、早々に、またご丁寧なお返事、本当に感謝いたします。今まで、心の中で悶々としながらも、どこに相談してよいのかもわからずにおりましたが、先生のお答えをいただき、大分気持ちがすっきりいたしました。
今度、経験豊富な口腔外科か形成外科を探して受診してみようと思います。本当にありがとうございました。お体に気をつけて、先生のさらなるご活躍をお祈り申し上げます。
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
早期のご回復を心よりお祈り申し上げます。